真野恵里菜セカンドアルバムは、12曲中新曲が7曲、シングルで発表されたものが
5曲という構成でファーストアルバムより新曲の比率が増えている。
シングル曲だったものも『元気者で行こう!』『家へ帰ろう』は別バージョン
なっている。前作はベストアルバム的要素が強くなってしまったが、今作は
より新鮮に聴くことができるアルバムに仕上がっている。
1曲1曲がバラエティに富んでいて、充実した内容になっていると思う。
初期に主に作曲を担当した KA N 氏が復活し、作詞作曲した『ダレ二モイワナイデ』は
遊び心に溢れた際どい詞の内容だが、ボサノヴァ調の軽快なリズムで
楽しめる作品である。
アイドルらしいかわいい曲から大人のバラードまで幅広い曲がそろっているが、
特にバラードが出色の出来栄え。『家へ帰ろう』はアレンジの変更が功を奏して
より深い内容になっている。このようなストリングスは新しい可能性
を示してくれそうである。『 Tomorrow 』もよいが『嵐の前のキャンドル』は詞、
メロディー、アレンジが一つになって素晴らしくスケールの大きな感動的な曲になった。
特にピアノとドラムを主体にしたアレンジが絶妙で高い精神性を感じさせてくれる。
個人的には2010年最高のバラード。
ハロプロというと一つの固定したイメージがあるが、このアルバムはその枠を
完全に超えていると思う。ファンはもちろん、新しく真野恵里菜に興味を
持たれた方にも是非おすすめしたい。