最初は、このお母ちゃんとお父ちゃんと僕、の3人家族が素敵だなぁ、なんてのんきに読み進めていました。でも「え?え?」と、母ちゃんの記憶に残るお父ちゃんの話の部分で手が止まり、途中から「そうなのかぁ~」と予想はしていたけど、すこし怖かった。
全体的には、障害のある母親を取り囲んで、こんな家族ってすてきだなぁ、と感じた作品でした。
無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません。
ウェブ版Kindleなら、お使いのブラウザですぐにお読みいただけます。
携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。
忘れない忘れない 単行本 – 2010/8/6
ダブルポイント 詳細
ボクの母ちゃんの頭の中は12才だ。小学生の時に交通事故にあってから記憶力がすっかりダメになって、それ以降のことはほとんど覚えていられない。「忘れんぼノート」にメモして覚えておこうとするんだけど、2、3日で忘れてしまう。障害をもった人たちが働くパン屋さんで働いてるから、学校でからかわれたりするけれど、ボクはぜんぜん気にしてない。そんなふうに毎日を過ごしていたある日、母ちゃんの行方がわからなくなってしまって……もしも、もしもなにかあったら……人生という長く険しい道を、母、息子、父の3人で、寄り添いながら歩んで行く、せつなく温かな家族の軌跡。
- 本の長さ242ページ
- 言語日本語
- 出版社早川書房
- 発売日2010/8/6
- ISBN-104152091495
- ISBN-13978-4152091499
この著者の人気タイトル
ページ 1 以下のうち 1 最初から観るページ 1 以下のうち 1
商品の説明
著者について
東京都生まれ。早稲田大学在学中に「マディソンはずれのほのかな反乱」が「花とゆめ」に掲載され、漫画家デビュー。2003年、小説「そして俺は途方に暮れる」でR‐18文学賞読者賞を受賞。その後、『ピーター・ノースの祝福』(2008年)、『そうなっていい、って思って来たの』(2009年)等の小説を発表し、小説誌等で執筆活動を展開している。
登録情報
- 出版社 : 早川書房 (2010/8/6)
- 発売日 : 2010/8/6
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 242ページ
- ISBN-10 : 4152091495
- ISBN-13 : 978-4152091499
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,700,780位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 40,574位日本文学
- カスタマーレビュー:
著者について
著者をフォローして、新作のアップデートや改善されたおすすめを入手してください。
著者の本をもっと発見したり、よく似た著者を見つけたり、著者のブログを読んだりしましょう
カスタマーレビュー
星5つ中4.3つ
5つのうち4.3つ
全体的な星の数と星別のパーセンテージの内訳を計算するにあたり、単純平均は使用されていません。当システムでは、レビューがどの程度新しいか、レビュー担当者がAmazonで購入したかどうかなど、特定の要素をより重視しています。 詳細はこちら
5グローバルレーティング
虚偽のレビューは一切容認しません
私たちの目標は、すべてのレビューを信頼性の高い、有益なものにすることです。だからこそ、私たちはテクノロジーと人間の調査員の両方を活用して、お客様が偽のレビューを見る前にブロックしています。 詳細はこちら
コミュニティガイドラインに違反するAmazonアカウントはブロックされます。また、レビューを購入した出品者をブロックし、そのようなレビューを投稿した当事者に対して法的措置を取ります。 報告方法について学ぶ
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2010年11月2日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
二度目は物語の中のうそや秘密の中身を知ってしまっているので
読んでてじゃりじゃりした感じで、すこしきつかったけど
一度目よりかんどうしました。いろんな細部にも。
一度目の時は「荷物」とか「責任」そして「引き受ける」「逃げる」といった
キーワードにばかり引き付けられたけど
読み返したら、じつはもっと深くて
最終的にとても力強い解放の物語に思え、初読より読後感が良かったです。
でも、なんか、あとあとじんわりと
ざらっとした感じが広がってくるから、まだ読み切れていないのかもしれないなあ。
もしかしたら人によって、時によって、ぜんぜんちがう顔を見せてくれる話なのかもしれません。
あまり書くとネタばれになっちゃうから、こんなミステリアスな書き方しかできないんですけどね。
読んでてじゃりじゃりした感じで、すこしきつかったけど
一度目よりかんどうしました。いろんな細部にも。
一度目の時は「荷物」とか「責任」そして「引き受ける」「逃げる」といった
キーワードにばかり引き付けられたけど
読み返したら、じつはもっと深くて
最終的にとても力強い解放の物語に思え、初読より読後感が良かったです。
でも、なんか、あとあとじんわりと
ざらっとした感じが広がってくるから、まだ読み切れていないのかもしれないなあ。
もしかしたら人によって、時によって、ぜんぜんちがう顔を見せてくれる話なのかもしれません。
あまり書くとネタばれになっちゃうから、こんなミステリアスな書き方しかできないんですけどね。
2010年8月7日に日本でレビュー済み
かつて「レディコミの女王」と呼ばれた著者の最新作。
けれどもエロや官能を期待して読んだら、いい意味で肩透かしをくらう。
主人公の「ボク」は父ちゃんと記憶生涯の母ちゃんと三人で暮らしている。
母ちゃんは小学生の頃、交通事故に遭い、12歳までの記憶しか残っていない。
しかも記憶力がすっかりダメになってしまって、あらゆることをすぐに忘れてしまう。
些細な記憶を積み重ねて生活することができない母ちゃんは、それでも優しい父ちゃんやボクに支えられて幸せに暮らしていた……はずだった。
ところが読み進めて行くにつれて、この家族が絶妙な、しかもほとんど奇跡としか言いようのない不思議な絆で繋がっていることを思い知らされることとなる。
ものすごく汚いものと、とてつもなく美しいもの。
それらか絡まりあい溶け合って、この家族を支えている。
父ちゃんと母ちゃんとボク。
三人がそれぞれ悩み、傷つきながら、物語は進んでゆく。
その様子はとてもリアルで、気がつくといつしか心の中で不器用な家族(母ちゃんだけでなく、父ちゃんもボクも、この物語に出てくる人々は皆、とても優しく不器用だ)を応援していた。
ガンバレ、母ちゃん!
この小説は間違いなく、作家・渡辺やよいの心境地となるだろう。
私にとって、まさに「忘れられない」小説になりそうだ。
けれどもエロや官能を期待して読んだら、いい意味で肩透かしをくらう。
主人公の「ボク」は父ちゃんと記憶生涯の母ちゃんと三人で暮らしている。
母ちゃんは小学生の頃、交通事故に遭い、12歳までの記憶しか残っていない。
しかも記憶力がすっかりダメになってしまって、あらゆることをすぐに忘れてしまう。
些細な記憶を積み重ねて生活することができない母ちゃんは、それでも優しい父ちゃんやボクに支えられて幸せに暮らしていた……はずだった。
ところが読み進めて行くにつれて、この家族が絶妙な、しかもほとんど奇跡としか言いようのない不思議な絆で繋がっていることを思い知らされることとなる。
ものすごく汚いものと、とてつもなく美しいもの。
それらか絡まりあい溶け合って、この家族を支えている。
父ちゃんと母ちゃんとボク。
三人がそれぞれ悩み、傷つきながら、物語は進んでゆく。
その様子はとてもリアルで、気がつくといつしか心の中で不器用な家族(母ちゃんだけでなく、父ちゃんもボクも、この物語に出てくる人々は皆、とても優しく不器用だ)を応援していた。
ガンバレ、母ちゃん!
この小説は間違いなく、作家・渡辺やよいの心境地となるだろう。
私にとって、まさに「忘れられない」小説になりそうだ。
2010年10月16日に日本でレビュー済み
「忘れる」という動詞を、普通はあまり良くない方の意味で使ってしまう。
「忘れてくれ」と言われると、なにやらヨカラヌ香りが漂ってくる。
この本は、そんな「忘れる」につきまとう道徳的な香りを断ち切った所からスタートしている。
アマゾンでレビューを書くのは初めてだけど、初めてがこの本で嬉しい。
そんな読後の気持ちにさせてくれる、優しい本です。
ふりかけご飯だと思って食べていたら、中から梅干しが顔を出してきた、
そんなイメージと言えばいいのか。
「忘れてくれ」と言われると、なにやらヨカラヌ香りが漂ってくる。
この本は、そんな「忘れる」につきまとう道徳的な香りを断ち切った所からスタートしている。
アマゾンでレビューを書くのは初めてだけど、初めてがこの本で嬉しい。
そんな読後の気持ちにさせてくれる、優しい本です。
ふりかけご飯だと思って食べていたら、中から梅干しが顔を出してきた、
そんなイメージと言えばいいのか。