まだおまじないのような医療すら残っていた時代に、科学的なアプローチで医学の発展に貢献したパスツールの人生を描いた作品です。
作品の中では、偉人の欠点等にも触れています。フランス人のパスツールがドイツ人科学者に嫉妬する様子もちゃんと記述されています。
仁術である医学を発展させる動機が戦争だったことや、負傷兵への治療技術の差が戦争の勝敗を左右したという記述もあります。
人類貢献に邁進したというきれいごとをつらつら並べるだけの本ではありません。
動機がきれいごとだけではないしても、やはり伝染病とたたかうことの大切さは、人々にとっての純真な願いであります。
パスツールの研究はやがて広まりゆき協力者や後継者があらわれだします。
パスツールに限らず偉人が偉大なのは、素晴らしい業績だけが理由ではなく、素晴らしく人々を巻き込んだからです。
若い医者リスターとの信頼を描いたシーンや、パスツール研究所設立基金の広がりに関する記述はとても感動的でした。
本書ラストのシーンの、第二次世界大戦でドイツ軍がパリ占拠したときのエピソードは、ホロ苦くもこれも感動でした。
購入して損はない、すばらしい本でした。

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パスツール―人類を病原体から救った偉人 (講談社 火の鳥伝記文庫) 新書 – 2010/12/16
高橋 昌義
(著)
教科書に出てくる人の伝記
狂犬病ワクチンなどの開発で、感染症の脅威から人類を救った近代細菌学の開祖であり、牛乳やワイン、ビールの腐敗を防ぐ低温殺菌法も開発したフランスの偉人、パスツール博士の波乱万丈な生涯。
狂犬病ワクチンなどの開発で、感染症の脅威から人類を救った近代細菌学の開祖であり、牛乳やワイン、ビールの腐敗を防ぐ低温殺菌法も開発したフランスの偉人、パスツール博士の波乱万丈な生涯。
- 本の長さ234ページ
- 言語日本語
- 出版社講談社
- 発売日2010/12/16
- ISBN-104061499122
- ISBN-13978-4061499126
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登録情報
- 出版社 : 講談社 (2010/12/16)
- 発売日 : 2010/12/16
- 言語 : 日本語
- 新書 : 234ページ
- ISBN-10 : 4061499122
- ISBN-13 : 978-4061499126
- Amazon 売れ筋ランキング: - 555,476位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 42位講談社火の鳥伝記文庫
- - 40,833位新書
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