学問はタコツボ化が進み、それによる弊害が叫ばれるようになって久しい。
大規模な社会問題、例えば環境汚染や開発、紛争などに学問が適切に対処できないのは、このタコツボ化に一因があるだろう。
実際、プロの研究者でも自分の専門が学問全体の中でどのような位置付けにあるのか、あるいは自分の専門の隣接分野がどのような経緯で展開されているのかをきちんと把握している人は少ないのではないだろうか。
本書は、そうした現状に一石を投じていると言う点で高く評価できる。
体裁としては入門書という形をとっているものの、学問的な相関が一目で分かる図が入っているので、専門化が論文を書く際のアイディア発掘でも手元にあると便利だと思う。
ただ、問題点として、執筆者は専門の研究者ではないために記述に多少正確さを欠く場合があることと、文献紹介がイマイチ分かりにくい点、そして「学問」の範囲が西欧に偏っていて、中国やイスラーム、日本などの学問が扱いきれていない点がある。
試みとしては良いと思うので、上記の問題点をカバーしたバージョンアップ版の発行を期待したい。
(星の内訳:内容と意気込み+4、記述の不正確さ・文献の扱い・分野の偏りー1)

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学問のしくみ事典: あらゆる学の系譜と相関がわかる 単行本 – 1996/1/1
VALIS DEUX
(著)
近頃ちょっと気になる「あの学問」から「この学問」。世の中にある新旧さまざまな学問の系譜と相関関係を図や表を使ってやさしく解説。代表的な理論・学説、今後の展望なども交えたビジュアル・ガイドブック。
- 本の長さ285ページ
- 言語日本語
- 出版社日本実業出版社
- 発売日1996/1/1
- ISBN-104534024215
- ISBN-13978-4534024213
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商品の説明
内容(「MARC」データベースより)
「世の中にはどんな学問があるのだろう」「○○学って何を研究しているのだろう」等、近頃ちょっと気になるあれこれの学問や、世の新旧様々な学問の系譜と相関関係を、図や表を使って易しく解説。
登録情報
- 出版社 : 日本実業出版社 (1996/1/1)
- 発売日 : 1996/1/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 285ページ
- ISBN-10 : 4534024215
- ISBN-13 : 978-4534024213
- Amazon 売れ筋ランキング: - 576,663位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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