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ザ・フィフティーズ1: 1950年代アメリカの光と影 (ちくま文庫 は 46-1) 文庫 – 2015/8/6
50年代アメリカでの出来事と価値転換が現代世界を作った。政治、産業から文化、性までを光と影の両面で論じる。巻末対談は越智…
- 本の長さ528ページ
- 言語日本語
- 出版社筑摩書房
- 発売日2015/8/6
- 寸法10.5 x 2 x 14.8 cm
- ISBN-10448043285X
- ISBN-13978-4480432858
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登録情報
- 出版社 : 筑摩書房 (2015/8/6)
- 発売日 : 2015/8/6
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 528ページ
- ISBN-10 : 448043285X
- ISBN-13 : 978-4480432858
- 寸法 : 10.5 x 2 x 14.8 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 231,299位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
カスタマーレビュー
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2020年3月17日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
この本を読むまでは、アメリカの五十年代は、極めて幸福な時代だと思っていたが、その認識が、間違いだということがよくわかった。
2015年12月16日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ピューリッツァー賞の受賞者でもあるアメリカのジャーナリスト、デイヴィッド・ハルバースタム(1934 - 2007)の大著 “The Fifties”(1993)の邦訳書。原著は1巻本だけれど、筑摩書房版の邦訳は3分冊。本巻はその第1巻で、
『ザ・フィフティーズ2』
、
『ザ・フィフティーズ3』
と続く。
巻末には、文化研究家の越智道雄と映画評論家の町山智浩の対談つき。
急速な経済成長をとげた1950年代アメリカにおいて、現代にまでいたる消費社会の礎が築かれた。反対に、その繁栄の裏側には、冷戦、核兵器、人種差別、女性差別、“性” の抑圧といった問題がひそみ、60年代に表面化することになる。著者の狙いは、そうした50年代アメリカ社会の光と闇を明らかにすることである。
以下は第1巻の目次。
序章
1. ルーズヴェルトからトルーマンへ
2. 原爆から水爆へ
3. マッカーシズム
4. 朝鮮戦争
5. ダグラス・マッカーサー
6. 水素爆弾
7. 中国参戦
8. ゼネラル・モーターズの勃興
9. 一戸建てを大量生産する
10. ディスカウントショップ
11. マクドナルドのハンバーガー
12. ホリデイ・イン
13. ラジオからテレビへ
14. テレビと政治
15. 『アイ・ラブ・ルーシー』
16. 共和党と民主党
17. テレビという戦場
18. ドワイト・アイゼンハワー
19. 『欲望という名の電車』
20. キンゼー・レポート
21. 産児制限
22. ビート世代
解説対談 50年代アメリカの虚像と実像⑴ 越智道雄 × 町山智浩
解説で町山氏が「ハルバースタムは時代を俯瞰で見るマクロな視点よりも、一人一人の人生を掘り下げるミクロな視点で描こうとする」と指摘するように、本書では50年代アメリカ史を彩る人物たちの様々な物語をたくみに織り交ぜることで、当時のアメリカの姿があぶり出されていく。
マッカーサー、トルーマン、マッカシー、リチャード・ニクソン、“原爆の父” オッペンハイマー、“水爆の父” テラーといった政治・軍事・科学史を代表する人々が、互いに憎しみや恨みを抱えながら丁々発止と切り結ぶ様を描く語り口は、さながら大河小説のよう。
車、住宅、ディスカウントショップ、マクドナルド、モーテルなど、大量生産時代から大量消費時代へと移り変わりを象徴する商品も、産業界の大立者たちの人物像を浮き彫りにしながら考察されている。とくにゼネラル・モーターズのデザイナー、ハーリー・アール。機能ではなく新規のデザインを次々に打ち出すことで消費者の欲望を絶えず生み出す彼の手法は、まさしく消費社会の雛形をかたちづくったと言えるだろう。
多角的に証言が引用されるため、ある箇所では好意的に描写された人物が、ほかの箇所では好ましからざる人物として描かれていたりする。脱線も多く、話運びも直線的には進まない。けれど脇道にそれた話も興味深いし、一面的な見方を拒否しようとする著者の姿勢にも好感がもてる。
一方的に非難される人物も登場しない。たとえば、密告の応酬を呼びこみ仲間内に疑心暗記を植えつけたアメリカの汚点である “赤狩り” において、その汚名すべて背負わされたマッカーシー。そんな彼に対しても著者は、「マッカーシーの功績を挙げるとすれば、同胞たちの小心ぶりを暴き出したことだろう」(p.406)と、ちょっとしたフォローを入れている。
また、本書は細かく章分けされているものの、各章が独立しているわけではなく、連続している。たとえば、アメリカの政治と社会に絶大な影響をおよぼしたテレビの台頭は、複数の章をむすびつける重要なファクターとなっている。
劇作家テネシー・ウィリアムズ、演出家エリア・カザン、俳優マーロン・ブランド。映画『欲望という名の電車』を軸にして、突出した個性をもつ彼らの物語が重なり合う章もおもしろい。それだけでなく『欲望という名の電車』に秘められた “性” にまつわる革新性が、当時のアメリカ社会でタブーとされた性事情を暴き出したキンゼー博士の物語へと、そして経口避妊薬の研究にまつわる物語へと続いていく。
本巻の最後を飾るのは、アレン・ギンズバーグ、ウィリアム・バロウズ、ジャック・ケルアックら、ビート・ジェネレーションの面々の物語。社会が発展し生活が豊かになる一方で、そんな社会に閉塞感や不満を抱く若者たちは、60年代に爆発するカウンターカルチャーを準備することになるのだ。
解説では越智氏と町山氏により、著者ハルバースタムの論に補助線が引かれている。50年代の政治・軍事・文化が40年代から何を引き継いだのか、そして60年代へと何を受け渡したのか。それらを俯瞰的な視点から説明されるほか、内容の簡単な補足もされている。
巻末には、文化研究家の越智道雄と映画評論家の町山智浩の対談つき。
急速な経済成長をとげた1950年代アメリカにおいて、現代にまでいたる消費社会の礎が築かれた。反対に、その繁栄の裏側には、冷戦、核兵器、人種差別、女性差別、“性” の抑圧といった問題がひそみ、60年代に表面化することになる。著者の狙いは、そうした50年代アメリカ社会の光と闇を明らかにすることである。
以下は第1巻の目次。
序章
1. ルーズヴェルトからトルーマンへ
2. 原爆から水爆へ
3. マッカーシズム
4. 朝鮮戦争
5. ダグラス・マッカーサー
6. 水素爆弾
7. 中国参戦
8. ゼネラル・モーターズの勃興
9. 一戸建てを大量生産する
10. ディスカウントショップ
11. マクドナルドのハンバーガー
12. ホリデイ・イン
13. ラジオからテレビへ
14. テレビと政治
15. 『アイ・ラブ・ルーシー』
16. 共和党と民主党
17. テレビという戦場
18. ドワイト・アイゼンハワー
19. 『欲望という名の電車』
20. キンゼー・レポート
21. 産児制限
22. ビート世代
解説対談 50年代アメリカの虚像と実像⑴ 越智道雄 × 町山智浩
解説で町山氏が「ハルバースタムは時代を俯瞰で見るマクロな視点よりも、一人一人の人生を掘り下げるミクロな視点で描こうとする」と指摘するように、本書では50年代アメリカ史を彩る人物たちの様々な物語をたくみに織り交ぜることで、当時のアメリカの姿があぶり出されていく。
マッカーサー、トルーマン、マッカシー、リチャード・ニクソン、“原爆の父” オッペンハイマー、“水爆の父” テラーといった政治・軍事・科学史を代表する人々が、互いに憎しみや恨みを抱えながら丁々発止と切り結ぶ様を描く語り口は、さながら大河小説のよう。
車、住宅、ディスカウントショップ、マクドナルド、モーテルなど、大量生産時代から大量消費時代へと移り変わりを象徴する商品も、産業界の大立者たちの人物像を浮き彫りにしながら考察されている。とくにゼネラル・モーターズのデザイナー、ハーリー・アール。機能ではなく新規のデザインを次々に打ち出すことで消費者の欲望を絶えず生み出す彼の手法は、まさしく消費社会の雛形をかたちづくったと言えるだろう。
多角的に証言が引用されるため、ある箇所では好意的に描写された人物が、ほかの箇所では好ましからざる人物として描かれていたりする。脱線も多く、話運びも直線的には進まない。けれど脇道にそれた話も興味深いし、一面的な見方を拒否しようとする著者の姿勢にも好感がもてる。
一方的に非難される人物も登場しない。たとえば、密告の応酬を呼びこみ仲間内に疑心暗記を植えつけたアメリカの汚点である “赤狩り” において、その汚名すべて背負わされたマッカーシー。そんな彼に対しても著者は、「マッカーシーの功績を挙げるとすれば、同胞たちの小心ぶりを暴き出したことだろう」(p.406)と、ちょっとしたフォローを入れている。
また、本書は細かく章分けされているものの、各章が独立しているわけではなく、連続している。たとえば、アメリカの政治と社会に絶大な影響をおよぼしたテレビの台頭は、複数の章をむすびつける重要なファクターとなっている。
劇作家テネシー・ウィリアムズ、演出家エリア・カザン、俳優マーロン・ブランド。映画『欲望という名の電車』を軸にして、突出した個性をもつ彼らの物語が重なり合う章もおもしろい。それだけでなく『欲望という名の電車』に秘められた “性” にまつわる革新性が、当時のアメリカ社会でタブーとされた性事情を暴き出したキンゼー博士の物語へと、そして経口避妊薬の研究にまつわる物語へと続いていく。
本巻の最後を飾るのは、アレン・ギンズバーグ、ウィリアム・バロウズ、ジャック・ケルアックら、ビート・ジェネレーションの面々の物語。社会が発展し生活が豊かになる一方で、そんな社会に閉塞感や不満を抱く若者たちは、60年代に爆発するカウンターカルチャーを準備することになるのだ。
解説では越智氏と町山氏により、著者ハルバースタムの論に補助線が引かれている。50年代の政治・軍事・文化が40年代から何を引き継いだのか、そして60年代へと何を受け渡したのか。それらを俯瞰的な視点から説明されるほか、内容の簡単な補足もされている。
2018年11月9日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
町山智浩さんが何かの番組かなんかで、この本に1950年代のアメリカの事が書かれてます、と紹介されてまして興味持ち購入しました。面白いです。
2017年12月10日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
本書の存在は毎日新聞の書評欄で知りました。1950年代の事を書くときは、つねに書棚に置いてある本書を参照していると書かれていました。
この本の目次については既に他の多ビューアーの方が全部掲載されているので省略しますが
私のような昭和一桁生まれのものにとっては、トルーマン、マッカーサー元帥、朝鮮戦争、水爆実験、アイゼンハワー大統領、マッカーシーの赤狩り、
テレビの無い時代に白黒フィルムでのニュース映画で見た懐かしい映像を再現してくれます。
また文化面ではシボレーに代表されるGMの車、マクドナルドハンバーガー、テレビの出現、アイラブルーシー、ホリデーイン、郊外住宅など、漫画ブロンディーに描かれていたような理想的なアメリカ中流社会がいかにして実現されたかを興味深く伝えてくれています。
本書の特徴は政治や文化の流れを、政治家の生い立ちや個人生活、創業者や二代目などの個人の出自、思想、手法に還元して解説していることで
さながら「物語アメリカ史」の50年代部分を切り取って解説していることです。
50年代と言えば、日本の昭和25~35年の戦災からの復興もまだまだの貧しい時代。これに反してアメリカは直接の戦禍を受けず、若い世代が軍役を離れて民間に帰還、活気に満ちた時代で、アメリカンドリームをどんどん実現していった時代です。
この時代のアメリカの政治や文化を個人レベルで解説してくれる本書は小説を読むよりも面白く、アメリカ史の底流を学ばせてくれます。
第二部、第三部を読むのが待ち遠しいです。
この本の目次については既に他の多ビューアーの方が全部掲載されているので省略しますが
私のような昭和一桁生まれのものにとっては、トルーマン、マッカーサー元帥、朝鮮戦争、水爆実験、アイゼンハワー大統領、マッカーシーの赤狩り、
テレビの無い時代に白黒フィルムでのニュース映画で見た懐かしい映像を再現してくれます。
また文化面ではシボレーに代表されるGMの車、マクドナルドハンバーガー、テレビの出現、アイラブルーシー、ホリデーイン、郊外住宅など、漫画ブロンディーに描かれていたような理想的なアメリカ中流社会がいかにして実現されたかを興味深く伝えてくれています。
本書の特徴は政治や文化の流れを、政治家の生い立ちや個人生活、創業者や二代目などの個人の出自、思想、手法に還元して解説していることで
さながら「物語アメリカ史」の50年代部分を切り取って解説していることです。
50年代と言えば、日本の昭和25~35年の戦災からの復興もまだまだの貧しい時代。これに反してアメリカは直接の戦禍を受けず、若い世代が軍役を離れて民間に帰還、活気に満ちた時代で、アメリカンドリームをどんどん実現していった時代です。
この時代のアメリカの政治や文化を個人レベルで解説してくれる本書は小説を読むよりも面白く、アメリカ史の底流を学ばせてくれます。
第二部、第三部を読むのが待ち遠しいです。
2018年1月25日に日本でレビュー済み
第11章 マクドナルド兄弟 は、映画より客観的に状況が描かれているように思われる。
(映画でないから 当然か。)
この章だけでも アメリカ1950年代が大衆消費社会へ転換していく様子が
手に取るようにわかる。
かつて1960年代 アメリカで食べたビックマックはおいしかった。
しかし 2010年代の 日本のマックはおいしくない(と私は思う)。
実は、なぜ いまだに 多くの人がマックを 素敵なものとして 食べているのか不思議に思っていた。
これだけの宣伝と 店舗の特徴的なデザインがなければ
売っている物だけを冷静に見れば 魅力的なものではない、という評価もまちがっていまい。
すくなくとも 栄養面からみて サイドディッシュのマックシェイクは砂糖の塊であるしマックポテトは塩分多めでかつ糖質に偏っていそう、
チキンナゲットはチキンの味がしないので ケチャップをつけてたべている。
しかし そのような 評価にかかわらず
なぜ 1950年代に登場したマックが 1960年代に急速に拡大したのか。
どのような 時代にシンクロする特徴をもっていたのか。
これをよんで 納得。 時代とマックの両方が合わせ鏡のように活写されている。
さて 現代にもどり、日本に来る外国人が、新宿などのマックに早朝 ホテルから出てきて行列して買っているのは
まずは 値段がほどほどで
最低限の品質や味が保証されている かつ迅速にでてくる(fast food) ということに あるのであろう。
このかつてのマックの特徴はすでに50年たった今でも維持されている。
味のおいしさではなく、味の標準化とディッシュ提供の迅速さは維持されている。
この著書は 50年代のアメリカ、現代の大衆社会の原点をしめすことで
50年代と2010年代のIT社会を往復しつつ今を考える契機を与えてくれる。
(映画でないから 当然か。)
この章だけでも アメリカ1950年代が大衆消費社会へ転換していく様子が
手に取るようにわかる。
かつて1960年代 アメリカで食べたビックマックはおいしかった。
しかし 2010年代の 日本のマックはおいしくない(と私は思う)。
実は、なぜ いまだに 多くの人がマックを 素敵なものとして 食べているのか不思議に思っていた。
これだけの宣伝と 店舗の特徴的なデザインがなければ
売っている物だけを冷静に見れば 魅力的なものではない、という評価もまちがっていまい。
すくなくとも 栄養面からみて サイドディッシュのマックシェイクは砂糖の塊であるしマックポテトは塩分多めでかつ糖質に偏っていそう、
チキンナゲットはチキンの味がしないので ケチャップをつけてたべている。
しかし そのような 評価にかかわらず
なぜ 1950年代に登場したマックが 1960年代に急速に拡大したのか。
どのような 時代にシンクロする特徴をもっていたのか。
これをよんで 納得。 時代とマックの両方が合わせ鏡のように活写されている。
さて 現代にもどり、日本に来る外国人が、新宿などのマックに早朝 ホテルから出てきて行列して買っているのは
まずは 値段がほどほどで
最低限の品質や味が保証されている かつ迅速にでてくる(fast food) ということに あるのであろう。
このかつてのマックの特徴はすでに50年たった今でも維持されている。
味のおいしさではなく、味の標準化とディッシュ提供の迅速さは維持されている。
この著書は 50年代のアメリカ、現代の大衆社会の原点をしめすことで
50年代と2010年代のIT社会を往復しつつ今を考える契機を与えてくれる。
2018年1月13日に日本でレビュー済み
1950年代は、第二次世界大戦で勝利を収めたアメリカが、かってないほど強大で影響力の強い豊かな国になって、繁栄を謳歌した時代です。
「ザ・フィフティーズ」は政治・経済・文化・社会生活に現れた1950年代のアメリカの時代史・民衆史です。
水爆、朝鮮戦争、マッカーシー旋風、モータリゼーションの定着、郊外住宅、ディスカウントストア、マグドナルド、ホリデいイン、テレビの影響、アイゼンハワー、
キンゼーレポート、サンガー夫人、ビート世代、欲望という名の電車、フーバー帝国、CIAの暗躍、ダレスなどなど時代を彩った様々な出来事のオンパレードです。
日本も映画・テレビ番組、ジーンズなどのファッション、音楽、ハンバーガー、スーパーマーケット、ホームセンター、コンビニなどで社会的文化的に色んな影響を受けています。クール・ジャパンが流行っていますが、この言葉も50年代の黒人のスラングだった「クール」が一般化したl言葉です。
団塊の世代の私にとって、50年代のアメリカは繁栄・夢・あこがれそのものでした。やがて来る60年代の混乱と翳りはまだ見えなかった時代です。テレビ、雑誌、映画を通じての影響は圧倒的であったと、つくづく感じます。
それぞれのトピックスで使われている資料の細かく多岐にわたる膨大さ、正確さには圧倒されます。
ハルバースタムは、これらを出来事中心ではなく、関係した人物を軸に、背景、考え、行動をスピーディーなドラマ仕立てのように描いています。
ハラハラ、ドキドキの展開、ストーリー運びの上手さで最後まで退屈させずに読ませるのはノンフィクション・ジャーナリズムがお家芸のアメリカならではですね。
まったく、うまいもんです。
上巻だけで450ページあり、テレビドラマを連続して8時間くらい見せられた感じで、頭の芯が疲れました。
とても続けて下巻を読むリキは残っていません。
「ザ・フィフティーズ」は政治・経済・文化・社会生活に現れた1950年代のアメリカの時代史・民衆史です。
水爆、朝鮮戦争、マッカーシー旋風、モータリゼーションの定着、郊外住宅、ディスカウントストア、マグドナルド、ホリデいイン、テレビの影響、アイゼンハワー、
キンゼーレポート、サンガー夫人、ビート世代、欲望という名の電車、フーバー帝国、CIAの暗躍、ダレスなどなど時代を彩った様々な出来事のオンパレードです。
日本も映画・テレビ番組、ジーンズなどのファッション、音楽、ハンバーガー、スーパーマーケット、ホームセンター、コンビニなどで社会的文化的に色んな影響を受けています。クール・ジャパンが流行っていますが、この言葉も50年代の黒人のスラングだった「クール」が一般化したl言葉です。
団塊の世代の私にとって、50年代のアメリカは繁栄・夢・あこがれそのものでした。やがて来る60年代の混乱と翳りはまだ見えなかった時代です。テレビ、雑誌、映画を通じての影響は圧倒的であったと、つくづく感じます。
それぞれのトピックスで使われている資料の細かく多岐にわたる膨大さ、正確さには圧倒されます。
ハルバースタムは、これらを出来事中心ではなく、関係した人物を軸に、背景、考え、行動をスピーディーなドラマ仕立てのように描いています。
ハラハラ、ドキドキの展開、ストーリー運びの上手さで最後まで退屈させずに読ませるのはノンフィクション・ジャーナリズムがお家芸のアメリカならではですね。
まったく、うまいもんです。
上巻だけで450ページあり、テレビドラマを連続して8時間くらい見せられた感じで、頭の芯が疲れました。
とても続けて下巻を読むリキは残っていません。