待ちに待った作品です。単行本に同時収録されてるお話の中でも、これは逸品だと思ってました。
冒頭のお話は、いわばこの一連の大叙情詩のイントロです。全作を見聞きしてきた身としては、貴久伯爵のこの諦観が痛々しくもありまた「そうじゃない伯爵さま、大丈夫なんだから!」とはげましてやりたくもなりました。
月日を重ね、義康と冬貴の仲はますます濃密になっていますが(実際濡れ場もタップリ)
可愛い冬貴と、義康の愛すべき凡人ぶりがとてもあたたかいのです。
エンディングで再び嵯峨野公と貴久伯爵が語る小品があります。
私は勘違いしていました。誰よりも深い業を背負い冷えた肉体を持つ一族は、誰よりもあたたかい愛情を受け継いできていたんですね。
冬貴の一人語りがタップリでカワイイです。個人的には次男和貴のファンだったんですが、父上と小父さまも大好きになりました!