マンガ版を読んでからこの原書を読みました。北海道のローカル言葉や漁船で使われる独特の言葉がいっぱい出てきます。Kindleで読んでいるので,その場ですぐに検索ができます。検索しても意味の分からない言葉がいくつかありました。時代を感じます。
この話は,経営者に対する労働者の闘争の様子を書いています。現在だったら,もし乗組員が同じような待遇だったらたいへんなことになります。当時は,どんなに過酷な労働を強いられても陰でぶつぶつ言っても,なんら動きに変わりはありません。だれも動こうとはしません。いや動けません。つまり,労働者全員で団結して使用者に改善を求めていくという考えがないのです。今だったら「あいては10人かそこらでしょう。こちらは300人もいるんだぜ。勝ったもどうぜんだ。みんなで仕事をサボれば(ストライキすれば)いいんだがね」と言うでしょうが。残念ながらそういう考え方は,日本にはなかったのですね。それは,蟹工船に限らず,炭鉱で働く人,北海道開拓団なども同様です。最後に漁期中にストライキ の不祥事 を 惹起 さ せ、 製品高に多大の影響を与え たという理由で解雇された,血も涙もない憎まれ役の「監督」が,「あ―― あ、 口惜しかっ た! 俺 ア 今 まで、 畜生、 だまさ れ て い た!」というところがあります。監督も経営者にとっては一労働者に過ぎなかったのです。
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蟹工船 Kindle版
日本のプロレタリア文学の代表的な作家である小林多喜二による最も著名な小説。初出は「戦旗」[1929(昭和4)年]。蟹工船の内部で、酷薄な労働条件に苦しむ労働者群が、集団として自覚し団結、闘争に立ち上がるまでを描く。プロレタリア文学の金字塔として、複数の言語に翻訳されるなど国際的評価も高い。
- 言語日本語
- 発売日2012/9/27
- ファイルサイズ369 KB
- 販売: Amazon Services International LLC
- Kindle 電子書籍リーダーFire タブレットKindle 無料読書アプリ
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商品の説明
レビュー
オホーツク海で操業する蟹工船「博光丸」では、会社が国策の名のもと暴利をむさぼる一方、労働者たちが過酷な労働を強いられていた。やがて、彼らは団結して闘争に立ち上がる。一度は、駆逐艦から乗り込んできた水兵に代表たちが拉致されるが、労働者たちは再び闘いに立ち上がっていくのだった...。今年、異例の大ヒットをした昭和プロレタリア文学の代表作を緊急漫画化!! --内容(「BOOK」データベースより)
著者について
小林多喜二(こばやし・たきじ)
小説家。明治36年10月13日~昭和8年2月20日。秋田県北秋田郡下川沿村川口に生まれる。大正10年、小樽高商に入学。学生時代から小説を書き始め、志賀直哉の手法を熱心に学ぶ。大正15年頃、葉山嘉樹の作品を通じてプロレタリア文学に接近し、特に蔵原惟人に理論的影響を受ける。警察による拷問を生々しく描いた「一九二八年三月十五日」(昭和3)、労働者たちのストライキを描いた「蟹工船」(昭和4)によりプロレタリア作家としての地位を確立。昭和4年、勤めていた北海道拓殖銀行を左翼運動のために解雇され、翌年に上京。昭和6年、非合法の共産党に入党。党員としての地下活動をリアルに描いた「党生活者」(昭和8)などを執筆したが、昭和8年2月20日、赤坂で逮捕され、築地署で特高の拷問により殺害される。享年29歳。代表作は「一九二八年三月十五日」、「蟹工船」、「不在地主」、「工場細胞」、「党生活者」など。
小説家。明治36年10月13日~昭和8年2月20日。秋田県北秋田郡下川沿村川口に生まれる。大正10年、小樽高商に入学。学生時代から小説を書き始め、志賀直哉の手法を熱心に学ぶ。大正15年頃、葉山嘉樹の作品を通じてプロレタリア文学に接近し、特に蔵原惟人に理論的影響を受ける。警察による拷問を生々しく描いた「一九二八年三月十五日」(昭和3)、労働者たちのストライキを描いた「蟹工船」(昭和4)によりプロレタリア作家としての地位を確立。昭和4年、勤めていた北海道拓殖銀行を左翼運動のために解雇され、翌年に上京。昭和6年、非合法の共産党に入党。党員としての地下活動をリアルに描いた「党生活者」(昭和8)などを執筆したが、昭和8年2月20日、赤坂で逮捕され、築地署で特高の拷問により殺害される。享年29歳。代表作は「一九二八年三月十五日」、「蟹工船」、「不在地主」、「工場細胞」、「党生活者」など。
登録情報
- ASIN : B009IY3HBS
- 発売日 : 2012/9/27
- 言語 : 日本語
- ファイルサイズ : 369 KB
- 同時に利用できる端末数 : 無制限
- Text-to-Speech(テキスト読み上げ機能) : 有効
- X-Ray : 有効
- Word Wise : 有効にされていません
- 付箋メモ : Kindle Scribeで
- 本の長さ : 111ページ
- Amazon 売れ筋ランキング: 無料タイトル - 265位Kindleストア (Kindleストアの売れ筋ランキングを見る)
- - 18位日本の小説・文芸
- - 21位評論・文学研究 (Kindleストア)
- カスタマーレビュー:
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上位レビュー、対象国: 日本
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2023年11月20日に日本でレビュー済み
レポート
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1人のお客様がこれが役に立ったと考えています
役に立った
2023年4月15日に日本でレビュー済み
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資本主義そのものが悪とは思わない。
しかし資本主義を「搾取する側とされる側がある」「成功するには搾取する側にならねばならない」という二項対立の眼鏡で見ると、資本主義=悪、社会主義=善という構図が生まれ得る。
詰まるところ、イデオロギーの問題ではなく、人間本質側の問題なのである。
そして人間本質には、時代文化が通奏低音として流れている。意識的であるにせよ無意識的であるにせよ。
1929年という時代に、小林が本書に込めた想いもまた、当時の時代文化の鏡の一枚だと言える。
しかし資本主義を「搾取する側とされる側がある」「成功するには搾取する側にならねばならない」という二項対立の眼鏡で見ると、資本主義=悪、社会主義=善という構図が生まれ得る。
詰まるところ、イデオロギーの問題ではなく、人間本質側の問題なのである。
そして人間本質には、時代文化が通奏低音として流れている。意識的であるにせよ無意識的であるにせよ。
1929年という時代に、小林が本書に込めた想いもまた、当時の時代文化の鏡の一枚だと言える。
2024年1月7日に日本でレビュー済み
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色々と考えてしまうことも多い。今の時代をどのように生きるのか?今の時代も大変ですね。
2023年10月10日に日本でレビュー済み
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世界の何処かの場所で、同じような悲劇を受けていたような気がする。
2022年5月29日に日本でレビュー済み
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殺人的な環境の蟹工船の中で働く者達の、悲惨さとそれでも耐える強さに平伏。
奪われる労働者のシステム、ブラック企業は今も変わらずある。
奪われる労働者のシステム、ブラック企業は今も変わらずある。
2023年9月30日に日本でレビュー済み
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今の労働環境が当たり前だと思っていたので衝撃的だった。
今の環境を整える第一歩を命をかけたことを忘れたくないと思った1冊。
今の環境を整える第一歩を命をかけたことを忘れたくないと思った1冊。
2023年10月11日に日本でレビュー済み
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内容が理解できるならいいと思います。ただ、読んでみて読解が難しい場合は、現代語訳の本を買うのもありです。