アメリカ、ニューヨーク出身のバンド、SYLARが2016年にリリースした2ndフルアルバム。
前作の時点でニューメタルの要素を盛り込んだメタルコア、ポスト・ハードコア的な音楽性だったが、本作ではほとんどニューメタルと言っていいような音楽性へと舵を切った。
全体的にヘヴィーでいかつくなった2000年代前半のLINKIN PARKを想起する楽曲が多く、ヘヴィなパートはラップとグロウル、そしてヘヴィリフでゴリゴリ攻め、Gt.の歌うクリーンパートは前作よりも遙かにキャッチーでメロディアスになり多少荒っぽいがエモーショナルでとても良い。
ラップスタイルはMike ShinodaみたいだしリフやメロディもなんとなくリンキンっぽいようなところもあるのでFROM ASHES TO NEWやDANGERKIDSほど本家に似ているわけではないがLINKIN PARKの影響を強く受けた現代のニューメタルバンドへとSYLARは深化しつつあるのかもしれない。
もちろん、近年のバンドよろしくドラミングはツインペダルを多用した足技の細かいプレイでハードコアスタイルのヴォーカルも含めて流行当時のニューメタルとは厳密には違うのだが、当時の要素を色濃く受け継いで現代の音楽として昇華してくれている昨今のニューメタルリバイバルとも言える動きは純粋に嬉しい。今なお当時のスタイルを守り頑張り続けているベテラン勢とともに更にシーンを盛り上げて欲しいところだ。ニューメタル万歳。