エコノミストの村田雅志氏が、中国の将来的な通貨リスクについて警鐘を鳴らす著作。私は通学しているMBAの授業で、中国経済について研究する為に購読。本書は2016年秋に刊行されたものであり、1年半が過ぎた現実と照らして読むと非常に興味深い。残念ながら、本書で述べられている予測の多くが現実と異なるが、本書は中国経済の捉え方を分かりやすく、丁寧に解説しており、今でも十分に読む価値のある書物であると考える。
結局、2016年秋から比べて、為替は対ドルで元高に動いている。一方で著者が通貨リスクの起こる主な根拠して挙げた中国の外貨準備金は昨年対比で増加。私は資本流出を止めた大きな要因は、資本規制の強化にあると考える。2016年以降、中国では5百万ドル以上の海外送金には届け出が必要となっており、海外へ資産を持ち出すのが難しくなっている。著者はこうした規制で資本流出が止まるとは考えられないとしたが、予測以上に規制が強化され、資本流出に歯止めがかかったと考える。
現実は本書の予測とは異なる方向へ動いているが、中国が構造上抱える諸問題は変わっていないと言え、今後の中国経済を考える上で有用な捉え方を示してくれている。
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人民元切り下げ―次のバブルが迫る Kindle版
大量の資本が中国から流出している。
米国では中国に敵対的なトランプ氏が大統領に就任する。
為替市場では人民元の下落が止まらない。
人民元が大幅切り下げに追い込まれれば、
世界の金融市場にネガティブ・ショックが走り、
日本では大規模な金融緩和や財政出動が議論になるだろう。
世界は金融緩和を止められず、余ったマネーがバブルを生み出す。
これはべき論や陰謀論ではなく、経済データから読み取れるグローバル市場の将来像だ。
外資系通貨ストラテジストが、明快なロジックで人民元切り下げ後のマーケットを予測する。
【主な内容】
序 人民元ショックの予兆
第01章 変調を来した中国マネーフロー
第02章 市場メカニズムに逆らってきた人民元
第03章 元安容認に転じた中国当局
第04章 高まる人民元切り下げリスク
第05章 世界的なバブル相場が始まる
補章 人民元に関する情報収集・分析に強くなる秘訣
おわりに
米国では中国に敵対的なトランプ氏が大統領に就任する。
為替市場では人民元の下落が止まらない。
人民元が大幅切り下げに追い込まれれば、
世界の金融市場にネガティブ・ショックが走り、
日本では大規模な金融緩和や財政出動が議論になるだろう。
世界は金融緩和を止められず、余ったマネーがバブルを生み出す。
これはべき論や陰謀論ではなく、経済データから読み取れるグローバル市場の将来像だ。
外資系通貨ストラテジストが、明快なロジックで人民元切り下げ後のマーケットを予測する。
【主な内容】
序 人民元ショックの予兆
第01章 変調を来した中国マネーフロー
第02章 市場メカニズムに逆らってきた人民元
第03章 元安容認に転じた中国当局
第04章 高まる人民元切り下げリスク
第05章 世界的なバブル相場が始まる
補章 人民元に関する情報収集・分析に強くなる秘訣
おわりに
- 言語日本語
- 出版社東洋経済新報社
- 発売日2016/12/16
- ファイルサイズ14776 KB
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商品の説明
著者について
村田 雅志(ムラタ マサシ)
ブラウン・ブラザーズ・ハリマン通貨ストラテジスト
ブラウン・ブラザーズ・ハリマン通貨ストラテジスト、CFA。
三和総合研究所(現・三菱UFJリサーチ&コンサルティング)にてエコノミスト、GCIキャピタルにてチーフ・エコノミストとして活動後、2010年より現職。ドル、円だけでなく新興国通貨も含めた数多くの為替レートの見通しを国内外の機関投資家に提供。幅広い視点でのロジカルな分析で国内外から高い評価を得ている。東京工業大学卒業、同大学修士、コロンビア大学修士、政策研究大学院大学博士課程単位取得退学。著書に『名門外資系アナリストが実践している為替のルール』(東洋経済新報社)。
ブラウン・ブラザーズ・ハリマン通貨ストラテジスト
ブラウン・ブラザーズ・ハリマン通貨ストラテジスト、CFA。
三和総合研究所(現・三菱UFJリサーチ&コンサルティング)にてエコノミスト、GCIキャピタルにてチーフ・エコノミストとして活動後、2010年より現職。ドル、円だけでなく新興国通貨も含めた数多くの為替レートの見通しを国内外の機関投資家に提供。幅広い視点でのロジカルな分析で国内外から高い評価を得ている。東京工業大学卒業、同大学修士、コロンビア大学修士、政策研究大学院大学博士課程単位取得退学。著書に『名門外資系アナリストが実践している為替のルール』(東洋経済新報社)。
登録情報
- ASIN : B01N5ET549
- 出版社 : 東洋経済新報社 (2016/12/16)
- 発売日 : 2016/12/16
- 言語 : 日本語
- ファイルサイズ : 14776 KB
- Text-to-Speech(テキスト読み上げ機能) : 有効
- X-Ray : 有効にされていません
- Word Wise : 有効にされていません
- 付箋メモ : Kindle Scribeで
- 本の長さ : 264ページ
- Amazon 売れ筋ランキング: - 144,424位Kindleストア (Kindleストアの売れ筋ランキングを見る)
- - 574位金融・ファイナンス (Kindleストア)
- - 642位金融・ファイナンス (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
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三和総合研究所、三和銀行にてアナリスト。UFJ総合研究所にてエコノミストとして活動後、
2004年よりGCIアセットマネジメントにて日本株ロング・ショートファンドなど運用業務に従事。
2010年よりブラウン・ブラザーズ・ハリマン 通貨ストラテジスト。
2009年より2013年まで専修大学経済学研究科・客員教授。
東京工業大学にて工学修士、Columbia UniversityにてMaster of International Affairsを取得。
政策研究大学院大学博士課程単位取得退学
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2018年1月6日に日本でレビュー済み
レポート
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1人のお客様がこれが役に立ったと考えています
役に立った
2017年1月21日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2017年、トランプ氏が米大統領に就任した。 今後、米中の経済摩擦、軍事摩擦が危惧される。
今こそ偏狭なナショナリズム報道に影響されることなく、投資家として冷静に中国経済を分析する必要性を感じていたところ、ベストのタイミングで本書が刊行されていた。
中国では現在資本流失が起きている。 いずれ人民元は大きく切り下げられるだろうと著者の村田氏は考えている。
人民元実質実効為替レートは2010年を100とすれば、2016年9月で121.24、つまり21.24%割高になっている。 つまり人民元にはまだ下落余地がある。
仮に当局が人民元の下落ペースを年率5%程度に抑えたいと考えて、人民元を誘導したとすると、CFETS指数や実質実効為替レートにおける人民元高の割高感が解消されるまでに3年(= 15% ÷年率5% )から4.2年(= 21% ÷ 年率5%)もの時間を要する。
おそらく当局は人民元売りが強まる場面で、これまでどおり人民元買い介入を実施することで人民元安ペースを抑制するだろう。
人民元を下落させるトリガーとして、以下が考えられる。
1 トランプ氏の対中経済政策 (輸入関税の引き上げ、中国を為替操作国に認定)
2 ドル高基調 (利上げが強まる場合)
3 米国景気が後退した場合 (中国の貿易黒字縮小)
4 中国国内では構造改革と景気対策を同時に進める矛盾がある
5 習主席(太子党)と李首相(共青団)に見られる政局不安
6 南シナ海における米中の軍事的緊張
これらトリガーが引かれた場合、その後の展開として2つのシナリオが考えられる。
1 完全フロート制に移行 (ただし現実味は薄い)
2 管理フロート制を維持しながらも、人民元の下落圧力が解消されるほど大きく切り下げる。 (この場合の切り下げ幅は15~20%)
人民元の大幅切り下げはリスクオフの円高に繋がる。 また中国依存の新興国通貨も円に対して大きく下落する可能性がある。 (わたしはMM2Hホルダーなのでマレーシアリンギット買いの好機と捉えている)
今こそ偏狭なナショナリズム報道に影響されることなく、投資家として冷静に中国経済を分析する必要性を感じていたところ、ベストのタイミングで本書が刊行されていた。
中国では現在資本流失が起きている。 いずれ人民元は大きく切り下げられるだろうと著者の村田氏は考えている。
人民元実質実効為替レートは2010年を100とすれば、2016年9月で121.24、つまり21.24%割高になっている。 つまり人民元にはまだ下落余地がある。
仮に当局が人民元の下落ペースを年率5%程度に抑えたいと考えて、人民元を誘導したとすると、CFETS指数や実質実効為替レートにおける人民元高の割高感が解消されるまでに3年(= 15% ÷年率5% )から4.2年(= 21% ÷ 年率5%)もの時間を要する。
おそらく当局は人民元売りが強まる場面で、これまでどおり人民元買い介入を実施することで人民元安ペースを抑制するだろう。
人民元を下落させるトリガーとして、以下が考えられる。
1 トランプ氏の対中経済政策 (輸入関税の引き上げ、中国を為替操作国に認定)
2 ドル高基調 (利上げが強まる場合)
3 米国景気が後退した場合 (中国の貿易黒字縮小)
4 中国国内では構造改革と景気対策を同時に進める矛盾がある
5 習主席(太子党)と李首相(共青団)に見られる政局不安
6 南シナ海における米中の軍事的緊張
これらトリガーが引かれた場合、その後の展開として2つのシナリオが考えられる。
1 完全フロート制に移行 (ただし現実味は薄い)
2 管理フロート制を維持しながらも、人民元の下落圧力が解消されるほど大きく切り下げる。 (この場合の切り下げ幅は15~20%)
人民元の大幅切り下げはリスクオフの円高に繋がる。 また中国依存の新興国通貨も円に対して大きく下落する可能性がある。 (わたしはMM2Hホルダーなのでマレーシアリンギット買いの好機と捉えている)
2017年1月6日に日本でレビュー済み
相場予想はとても難しく、逆説的によく外す予想屋をマークするのはとても有効です。
ネガティブインディケーターとして注目していたので書店で立ち読み。
主旨としては、人民元の大幅切り下げでリスクオフ、その後徐々にリスクオンやがてバブル。
更なる書評は諸賢の論考に任せるとします。
尚、よく外す予想屋、ネガティブインディケーター、と表記した所以は下記にあります。
REUTERS ロイター FX Forum 2015年 12月 10日 19:18
円高説は根拠薄弱、来年ドル130円も=村田雅志
REUTERS ロイター FX Forum2016年 11月 10日 10:16
トランプ勝利で円高はどこまで進むか=村田雅志
米大統領選前後の読みを完璧に外した挙句、
ブログ(たまさしノート 2016年11月9日)でクリントン氏をもじった下記一節にも
その真髄を見た気がします。
「とりあえず彼女の残念会も兼ねて、週末に「くりん豚(とん)」でトンカツを作ってみることにします。」
ネガティブインディケーターとして注目していたので書店で立ち読み。
主旨としては、人民元の大幅切り下げでリスクオフ、その後徐々にリスクオンやがてバブル。
更なる書評は諸賢の論考に任せるとします。
尚、よく外す予想屋、ネガティブインディケーター、と表記した所以は下記にあります。
REUTERS ロイター FX Forum 2015年 12月 10日 19:18
円高説は根拠薄弱、来年ドル130円も=村田雅志
REUTERS ロイター FX Forum2016年 11月 10日 10:16
トランプ勝利で円高はどこまで進むか=村田雅志
米大統領選前後の読みを完璧に外した挙句、
ブログ(たまさしノート 2016年11月9日)でクリントン氏をもじった下記一節にも
その真髄を見た気がします。
「とりあえず彼女の残念会も兼ねて、週末に「くりん豚(とん)」でトンカツを作ってみることにします。」
2020年2月16日に日本でレビュー済み
中国を題材に国際収支統計の見方を勉強しましょう、という趣旨の本と思えば非常にわかりやすくてよかった。
元の方向性予測については、2016年の本なので今となっては話半分。著者の村田さんは一帯一路による対外投資拡大などを主要因に元安を予想していたけど、本を出した直後に強烈に元高…、そしてその後はトランプにボコられての元安…。
面白かったのは習近平が人民元切り下げたら日本経済はどうなるかの思考実験。元が切り下げを迫られるほど中国経済が困窮しているということで、景気対策に日本は財政拡張&金融緩和のコンボを打ち、金融相場で株と不動産は高騰。しかし元安ということは円高で、円高を目当てに外国人労働者が流入、低スキルの日本人は職を奪われ、富裕層と貧困層の二極化が進むという内容。別に人民元の切り下げは起きてないけどまんまいまの日本という笑
元の方向性予測については、2016年の本なので今となっては話半分。著者の村田さんは一帯一路による対外投資拡大などを主要因に元安を予想していたけど、本を出した直後に強烈に元高…、そしてその後はトランプにボコられての元安…。
面白かったのは習近平が人民元切り下げたら日本経済はどうなるかの思考実験。元が切り下げを迫られるほど中国経済が困窮しているということで、景気対策に日本は財政拡張&金融緩和のコンボを打ち、金融相場で株と不動産は高騰。しかし元安ということは円高で、円高を目当てに外国人労働者が流入、低スキルの日本人は職を奪われ、富裕層と貧困層の二極化が進むという内容。別に人民元の切り下げは起きてないけどまんまいまの日本という笑
2017年1月11日に日本でレビュー済み
中国政治の仕組み、背景から人民元を取り巻く環境をデータに基づき丁寧かつ平易に解説してあり、また簡潔にまとまっているので、学生からプロまで全体像を掴みたいと考える方にはお勧めだと思います。但し、あくまで先進国の通貨ストラテジストの分析、見解であり、中国共産党というある意味「何でもあり」の指導者による想定外の政策、施策が起こる可能性をどれくらい織り込むかで評価が分かれるかもしれません。
2017年1月8日に日本でレビュー済み
人民元相場を決定する資本の流れ、実体経済、中国政府の政策などについて丁寧に分かりやすくまとめている。表紙のややセンセーショナルな宣伝文句に比べると内容は客観的な分析であり、人民元についてまず理解しようとする人にはお薦めの良書。最後の人民元相場の見通しは為替ストラテジストとしてのシナリオ提示であり評価は難しいが、当たる当たらないよりも一つのシナリオ提示として読んでおくとよいか。