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いわゆる『スタンダード』なシベリウスとは違うかも知れない。カラヤンとベルリン・フィルならではの、独自の美意識に貫かれた名演というべきものではあろう。しかし、抗し難い魅力がある。
かつて、オーマンディとかマゼールとかとともにカラヤンのシベリウスの評価は高かった。
おそらく、作曲者自身のお墨付きを得たということで権威付けられたこともあろう。確かに、彼等のシベリウスにはそれなりに魅力がある。ところが、その後我々はベルグルンドやヴァンスカといった北欧の指揮者やオーケストラによる正統的演奏を知ることとなった。コリン・デイビスやサイモン・ラトル等の英国の指揮者のジェントルな味わい深い演奏も良いが、本場の恰も緑深い森林と満面の水を湛えた湖が眼前に浮かび上がるかのような圧倒的な名演に触れたら最後、もう元には戻れなくなってしまう。現在は、サロネンの、さらに切れ味のよい、洗練された普遍的な演奏にも接することが出来る。
こうした状況にあってカラヤンのシベリウスの再評価をするならば、世界最高水準の合奏能力を誇るオーケストラとの透徹した独自の審美眼に貫かれた指揮者によるワン・アンド・オンリーな名盤としての価値がかえって顕在化することになる。
北欧の大自然をイメージさせる本場の実直な迫真性を採るか、磨き抜かれた美音と完璧なまでの機能性を武器に管弦楽作品としての魅力を開示した芸術性を採るかの選択であり、後者を代表して結果的に生き残ったのがカラヤン盤ということになる。
録音も、同様に素晴らしい。ベルグルンドやヴァンスカの（特にヴァンスカの新盤は見事にリアルな名録音）コンサートの特等席で聞くかのようなナチュラルな名録音か、レコードとしての価値を追い求めたDGG時代の優秀録音か、時代も違い、狙いも違う音（勿論スペック的には最新録音の優位性は揺るがない）だが、音楽的には甲乙つけ難い。
私の捉え方としてベルグルンドかヴァンスカか、という比較は成り立つが、ベルグルンドかカラヤンかという比較はナンセンス、カラヤンと比較するならオーマンディかマゼールか、だろう。
結論として、シベリウスの「規範的」な演奏としてはベルグルンドかヴァンスカを、作曲者自身も認めた「個性」溢れる「魅力的」な名演としてはカラヤン、或いはオーマンディを推薦することとしたい。ゴージャスで聴き映えのする、素晴らしいレコードである。
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メーカーによる説明
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| シベリウス：交響曲第4番～第7番 | シベリウス：交響曲第2番、第7番 | シベリウス：交響曲集、ヴァイオリン協奏曲、他 | |
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| カスタマーレビュー |
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| 価格 | ￥3,617 | — | ￥7,040 |
| 製品仕様 | CD | CD | CD |
| 発売日 | 2018/10/24 | 2018/1/24 | 2005/3/23 |
