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光の庭 単行本 – 2016/2/18
吉川 トリコ
(著)
「彼女を殺したのは私だ――」女であることが苦しくなる、著者渾身の意欲作!
仲良し五人組は高校卒業と同時にそれぞれの道へ。
数年後、地元に残った三千花が遺体となって発見される。
16年が経ち、ライターとなった志津は彼女のことを書くため友人たちに取材を始める。
そこには女たちの深い闇と絶望が渦巻いていた――。
仲良し五人組は高校卒業と同時にそれぞれの道へ。
数年後、地元に残った三千花が遺体となって発見される。
16年が経ち、ライターとなった志津は彼女のことを書くため友人たちに取材を始める。
そこには女たちの深い闇と絶望が渦巻いていた――。
- 本の長さ296ページ
- 言語日本語
- 出版社光文社
- 発売日2016/2/18
- ISBN-104334910777
- ISBN-13978-4334910778
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登録情報
- 出版社 : 光文社 (2016/2/18)
- 発売日 : 2016/2/18
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 296ページ
- ISBN-10 : 4334910777
- ISBN-13 : 978-4334910778
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,034,838位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 82,784位文芸作品
- カスタマーレビュー:
著者について
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2016年5月19日に日本でレビュー済み
女たちのグロテスクな内面を、これでもか、これでもかと、えぐりだした新種のホラー小説、として読み進んでいきました。
東京でライターをしていたが、たいした芽も出ず、都落ちして、故郷へ帰ってきた志津。
高校時代、つるんでいた仲間のうち、ひとりは、男たちに凌辱され、殺されていた。
彼女のことを調べて、本にするべく、旧友たちとコンタクトをとるが……。
旧友たちは、みな、不幸にさいなまれていた。
セレブと結婚し、一番幸せなはずの理恵さえも、例外ではない。
かつての、仲間のきずなは消え、みな、グロテスクでおぞましい自我をぶつけてくる。
おぞけをふるうような前半のホラー的な雰囲気が、クライマックスのどんでん返しから、がらりと変化します。
そして、最後は、とってつけたような、未来志向の明るい結末となります。
うーん、なんでこうしたんだろう。
どんでん返しの内容なんて、本の初めのほうで、出してしまえばいいのに。
そうして、女たちの内面を、もっともっと戯画化して、えげつなく描けばよかったのに。
もしそうしていたら、「そこそこの出来のミステリー」ではなく、「新種のホラーの佳作」という評価が得られたんじゃないか。
そんな気がします。
吉川トリコのファン以外には、ちとお勧めしにくい作品でした。
東京でライターをしていたが、たいした芽も出ず、都落ちして、故郷へ帰ってきた志津。
高校時代、つるんでいた仲間のうち、ひとりは、男たちに凌辱され、殺されていた。
彼女のことを調べて、本にするべく、旧友たちとコンタクトをとるが……。
旧友たちは、みな、不幸にさいなまれていた。
セレブと結婚し、一番幸せなはずの理恵さえも、例外ではない。
かつての、仲間のきずなは消え、みな、グロテスクでおぞましい自我をぶつけてくる。
おぞけをふるうような前半のホラー的な雰囲気が、クライマックスのどんでん返しから、がらりと変化します。
そして、最後は、とってつけたような、未来志向の明るい結末となります。
うーん、なんでこうしたんだろう。
どんでん返しの内容なんて、本の初めのほうで、出してしまえばいいのに。
そうして、女たちの内面を、もっともっと戯画化して、えげつなく描けばよかったのに。
もしそうしていたら、「そこそこの出来のミステリー」ではなく、「新種のホラーの佳作」という評価が得られたんじゃないか。
そんな気がします。
吉川トリコのファン以外には、ちとお勧めしにくい作品でした。
2016年6月3日に日本でレビュー済み
軽い気持ちで読み始めた『光の庭』(吉川トリコ著、光文社)の世界に、たちまちのめり込んでしまいました。
地方の高校の仲良し5人組の志津、三千花、麻里奈、理恵、法子は、卒業と同時に各々の道を歩んでいきます。18年後の彼女たちは、それぞれに変貌を遂げています。東京の私大卒業後、ライターになったものの、挫折して地元に戻ってきた志津。短大を出て、母の勧めるままに地元の市役所で働いている麻里奈。県内の大学を卒業して社長夫人に収まりながら、匿名で不倫の日々をブログに綴る理恵。20歳でできちゃった結婚し、今や3児の母でありながら、ネット中毒に陥っている法子。
5人のうち、三千花は18年後を迎えることができませんでした。成人式の数日後、少年グループに暴行された三千花がバラバラ死体で発見されたからです。
志津は、「三千花に何が起こったのか」をテーマにしたルポルタージュを書こうと、口を閉ざしていた麻里奈、理恵、法子に取材を敢行します。その結果、明らかになっていく彼女たちを巡る深い闇とは・・・。
彼女たちの高校時代はポケベルとカセット・テープの時代でした。そして、18年後の現在はSNS全盛時代です。この変遷が物語の背景として生かされています。
麻里奈の志津に対する言葉。「どうして私に会いに来たの?」。
「突き詰めて考えるのは恐ろしいことだったが、逃れようもなくわかっていることが一つだけあった。三千花が死んだのは女だからだ」。
志津のiPhone、法子のスマホ、麻里奈のFacebookの画面。「大石三千花さんから友達リクエストが届いています」。
「私たちはそれぞれのやり方で16年を生きのびた」。
「『大石三千花』からイベントの招待状が届いたのはその翌日だった」。
「やはりこれは、開けてはならないパンドラの箱だったのだ」。
久しぶりに、本当に面白い小説に出会うことができ、得した気分です。
地方の高校の仲良し5人組の志津、三千花、麻里奈、理恵、法子は、卒業と同時に各々の道を歩んでいきます。18年後の彼女たちは、それぞれに変貌を遂げています。東京の私大卒業後、ライターになったものの、挫折して地元に戻ってきた志津。短大を出て、母の勧めるままに地元の市役所で働いている麻里奈。県内の大学を卒業して社長夫人に収まりながら、匿名で不倫の日々をブログに綴る理恵。20歳でできちゃった結婚し、今や3児の母でありながら、ネット中毒に陥っている法子。
5人のうち、三千花は18年後を迎えることができませんでした。成人式の数日後、少年グループに暴行された三千花がバラバラ死体で発見されたからです。
志津は、「三千花に何が起こったのか」をテーマにしたルポルタージュを書こうと、口を閉ざしていた麻里奈、理恵、法子に取材を敢行します。その結果、明らかになっていく彼女たちを巡る深い闇とは・・・。
彼女たちの高校時代はポケベルとカセット・テープの時代でした。そして、18年後の現在はSNS全盛時代です。この変遷が物語の背景として生かされています。
麻里奈の志津に対する言葉。「どうして私に会いに来たの?」。
「突き詰めて考えるのは恐ろしいことだったが、逃れようもなくわかっていることが一つだけあった。三千花が死んだのは女だからだ」。
志津のiPhone、法子のスマホ、麻里奈のFacebookの画面。「大石三千花さんから友達リクエストが届いています」。
「私たちはそれぞれのやり方で16年を生きのびた」。
「『大石三千花』からイベントの招待状が届いたのはその翌日だった」。
「やはりこれは、開けてはならないパンドラの箱だったのだ」。
久しぶりに、本当に面白い小説に出会うことができ、得した気分です。