プライム無料体験をお試しいただけます
プライム無料体験で、この注文から無料配送特典をご利用いただけます。
非会員 | プライム会員 | |
---|---|---|
通常配送 | ¥410 - ¥450* | 無料 |
お急ぎ便 | ¥510 - ¥550 | |
お届け日時指定便 | ¥510 - ¥650 |
*Amazon.co.jp発送商品の注文額 ¥3,500以上は非会員も無料
無料体験はいつでもキャンセルできます。30日のプライム無料体験をぜひお試しください。
¥880¥880 税込
発送元: Amazon.co.jp 販売者: Amazon.co.jp
¥880¥880 税込
発送元: Amazon.co.jp
販売者: Amazon.co.jp
¥256¥256 税込
ポイント: 3pt
(1%)
配送料 ¥150 6月15日-16日にお届け
発送元: (有)三基商事 コンディション説明、出品者情報を必ずご確認の上、ご注文下さい 販売者: (有)三基商事 コンディション説明、出品者情報を必ずご確認の上、ご注文下さい
¥256¥256 税込
ポイント: 3pt
(1%)
配送料 ¥150 6月15日-16日にお届け
発送元: (有)三基商事 コンディション説明、出品者情報を必ずご確認の上、ご注文下さい
販売者: (有)三基商事 コンディション説明、出品者情報を必ずご確認の上、ご注文下さい
無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません。
ウェブ版Kindleなら、お使いのブラウザですぐにお読みいただけます。
携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。
保守主義とは何か - 反フランス革命から現代日本まで (中公新書 2378) 新書 – 2016/6/21
宇野 重規
(著)
{"desktop_buybox_group_1":[{"displayPrice":"¥880","priceAmount":880.00,"currencySymbol":"¥","integerValue":"880","decimalSeparator":null,"fractionalValue":null,"symbolPosition":"left","hasSpace":false,"showFractionalPartIfEmpty":true,"offerListingId":"mQHLxYgUd%2F3d7%2BgXVMX6B2dS%2BwAt%2BMeV5hKUKjbVL%2BUjCDE9ceRAxM7QHPlVPLK6DjPzPgKrdJeIaBT2v47Nz3%2BcSb%2BjsVZMcyWAMSY9CKBQyJxMlV6%2B%2FGo3fHzJQl0NstQTSMVQNII%3D","locale":"ja-JP","buyingOptionType":"NEW","aapiBuyingOptionIndex":0}, {"displayPrice":"¥256","priceAmount":256.00,"currencySymbol":"¥","integerValue":"256","decimalSeparator":null,"fractionalValue":null,"symbolPosition":"left","hasSpace":false,"showFractionalPartIfEmpty":true,"offerListingId":"mQHLxYgUd%2F3d7%2BgXVMX6B2dS%2BwAt%2BMeVytFwK2NMiOOByx2MlaxHcjNfEHtV5tKwf0Fyw6l5MfVZefJMYLbzaX2pDmvZB1bTYFEZYvrg%2FJUUOqUztBcA0YjJaYWP%2F2ovJgbqnUVd75iJMYITlC%2BT8XGoOf4XmKsUjN%2FnZs7X3UsoOZR7lNSwAA%3D%3D","locale":"ja-JP","buyingOptionType":"USED","aapiBuyingOptionIndex":1}]}
購入オプションとあわせ買い
新自由主義、伝統主義、復古主義を含み保守主義者を自認する人々が増えるなか、18世紀の起源から21世紀現在までの軌跡を辿り、本来の考えを明らかにする。
21世紀以降、保守主義者を自称する人たちが増えている。フランス革命による急激な進歩主義への違和感から、エドマンド・バークに端に発した思想だが、いまでは新自由主義、伝統主義、復古主義など多くのイズムを包み、都合よく使わている感がある。
本書は、バーグ、T・S・エリオット、フリードリヒ・ハイエク、ミルトン・フリードマン、ラッセル・カークといった思想家、またアメリカで風靡する新自由主義、リバタリアン、ネオコンといった集団、さらには丸山眞男、福田恆存らを通し、近代・現代日本における保守主義を論じる。
こうした18世紀ヨーロッパから現代日本に至るまでの軌跡を辿り、思想的・歴史的に保守主義を明らかにする。そして、進歩主義が衰退する中、驕りや迷走が見られるいま、再定義を行い、「保守」のあり方を問い直す。
21世紀以降、保守主義者を自称する人たちが増えている。フランス革命による急激な進歩主義への違和感から、エドマンド・バークに端に発した思想だが、いまでは新自由主義、伝統主義、復古主義など多くのイズムを包み、都合よく使わている感がある。
本書は、バーグ、T・S・エリオット、フリードリヒ・ハイエク、ミルトン・フリードマン、ラッセル・カークといった思想家、またアメリカで風靡する新自由主義、リバタリアン、ネオコンといった集団、さらには丸山眞男、福田恆存らを通し、近代・現代日本における保守主義を論じる。
こうした18世紀ヨーロッパから現代日本に至るまでの軌跡を辿り、思想的・歴史的に保守主義を明らかにする。そして、進歩主義が衰退する中、驕りや迷走が見られるいま、再定義を行い、「保守」のあり方を問い直す。
- 本の長さ218ページ
- 言語日本語
- 出版社中央公論新社
- 発売日2016/6/21
- 寸法11 x 1.1 x 17.4 cm
- ISBN-104121023781
- ISBN-13978-4121023780
よく一緒に購入されている商品
対象商品: 保守主義とは何か - 反フランス革命から現代日本まで (中公新書 2378)
¥880¥880
最短で6月13日 木曜日のお届け予定です
在庫あり。
¥902¥902
最短で6月13日 木曜日のお届け予定です
残り11点(入荷予定あり)
¥1,034¥1,034
最短で6月13日 木曜日のお届け予定です
在庫あり。
総額:
当社の価格を見るには、これら商品をカートに追加してください。
ポイントの合計:
pt
もう一度お試しください
追加されました
一緒に購入する商品を選択してください。
この商品をチェックした人はこんな商品もチェックしています
ページ 1 以下のうち 1 最初から観るページ 1 以下のうち 1
登録情報
- 出版社 : 中央公論新社 (2016/6/21)
- 発売日 : 2016/6/21
- 言語 : 日本語
- 新書 : 218ページ
- ISBN-10 : 4121023781
- ISBN-13 : 978-4121023780
- 寸法 : 11 x 1.1 x 17.4 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 114,394位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
著者をフォローして、新作のアップデートや改善されたおすすめを入手してください。
著者の本をもっと発見したり、よく似た著者を見つけたり、著者のブログを読んだりしましょう
カスタマーレビュー
星5つ中4.4つ
5つのうち4.4つ
全体的な星の数と星別のパーセンテージの内訳を計算するにあたり、単純平均は使用されていません。当システムでは、レビューがどの程度新しいか、レビュー担当者がAmazonで購入したかどうかなど、特定の要素をより重視しています。 詳細はこちら
221グローバルレーティング
虚偽のレビューは一切容認しません
私たちの目標は、すべてのレビューを信頼性の高い、有益なものにすることです。だからこそ、私たちはテクノロジーと人間の調査員の両方を活用して、お客様が偽のレビューを見る前にブロックしています。 詳細はこちら
コミュニティガイドラインに違反するAmazonアカウントはブロックされます。また、レビューを購入した出品者をブロックし、そのようなレビューを投稿した当事者に対して法的措置を取ります。 報告方法について学ぶ
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2023年7月1日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
知識がなくても読みやすいです。
スっと内容が頭に入ってきます。
サラッと(簡単に)保守主義の歴史を通して知りたい人
におすすめできる本でした。
スっと内容が頭に入ってきます。
サラッと(簡単に)保守主義の歴史を通して知りたい人
におすすめできる本でした。
2021年2月14日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
保守主義の出発点は、フランス革命のような、一からの改革ではなく、社会の斬新的改革を目指しているのは、共感できる。
アメリカのトランプ政権は、保守と言うよりもあくまでポピリズムと
捉えるべきだろう。
トクビルの著作も読むべきだと思った。
アメリカのトランプ政権は、保守と言うよりもあくまでポピリズムと
捉えるべきだろう。
トクビルの著作も読むべきだと思った。
2021年8月15日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
冒頭、まず筆者は、「保守主義」の定義をめぐる曖昧さを指摘し、その要因が、保守主義の対立軸である「進歩主義」の衰退にあると指摘する。
そのうえで、「保守主義」の原点を、18世紀の英国の政治家で、フランス革命を批判したエドマンド・バークの言説に求める。社会をゼロから合理的に構築しようとする理性の驕りへの批判だ。
バークの保守主義は、次の3点に要約される。
①世代を越えて歴史的に培われてきた具体的な制度や慣習を守る。
②権力の抑制均衡を可能にする仕組みでもって、権力の専制化を防ぎ、人々の自由を守る。
③急進的な改革に反対し、秩序ある斬新的改革を目指す。
この3点目に注意したい。バークにとって、「保守する」とは、古いものをそのまま維持することではない。「最も大切に維持したいものを守るために変わらなければならない」という「保守と修正の原理」を提起している。筆者はこれを「保守主義の信条(クレド)」と呼ぶ。
保守主義はその後、フランス革命や社会主義との闘いを経て、20世紀後半の英米で「保守革命」の洗礼を受ける。サッチャーやレーガンが登場し、リバタリアン、ティパーティ、ネオコン等の潮流も生まれ、米国の保守主義は、市場化と宗教化の二つの要因を結合させながら、米国社会の分断をもたらしていく。「大きな政府」と「小さな政府」という経済的争点が、宗教的、倫理的な争点と連動し、左右の政治的分極化を推し進めてしまう。
最後は日本の保守主義。まず、明治維新において、日本には「保守主義」は存在していない。その近代日本において、保守主義の源流となったのは、伊藤博文という。初代の兵庫県知事であり、明治憲法の起草者であった伊藤は、自ら創り出した明治憲法体制の「保守」に最大の関心と情熱を注ぐ。そして、陸奥宗光、原敬へと、近代日本の保守本流を継承していく。
そして、戦後、自由党と日本民主党との保守合同で誕生した自民党は、現代でも痕跡が残る二つの方向性が共存することになった。軽武装にして経済国家を志向する吉田茂の路線と、明確なナショナリズムを志向する岸信介の路線。
筆者は、こうした巨大保守政党が、その内部に多様な価値観、幅広い政治的立場を内包したまま、日本を統治してきたことに疑問を呈しているが、多様性を内包した政党であればこそ日本社会の継続的な安定は築かれたという側面もあるだろう。
最終章で、筆者は、現代におけるリベラルと保守の接近と、区別の溶解を指摘した上で、次のエールを保守主義に贈っている。
「人々が進歩という追い風で前に進んだ時代は終わった」
「私たちは過去から得た推進力によって、まだ見えない未来へと進んでいかざるをえない」p201
「抽象的な原理ではなく、歴史的に築き上げてきた社会の仕組みや、それを支える価値観を大切にする保守主義の精神から学ぶべきではないか」
「自己抑制と同時に変革への意欲を備える保守主義のダイナミズムは、羅針盤なき時代において、社会を考えていく英知であり続けるだろう」p206
そのうえで、「保守主義」の原点を、18世紀の英国の政治家で、フランス革命を批判したエドマンド・バークの言説に求める。社会をゼロから合理的に構築しようとする理性の驕りへの批判だ。
バークの保守主義は、次の3点に要約される。
①世代を越えて歴史的に培われてきた具体的な制度や慣習を守る。
②権力の抑制均衡を可能にする仕組みでもって、権力の専制化を防ぎ、人々の自由を守る。
③急進的な改革に反対し、秩序ある斬新的改革を目指す。
この3点目に注意したい。バークにとって、「保守する」とは、古いものをそのまま維持することではない。「最も大切に維持したいものを守るために変わらなければならない」という「保守と修正の原理」を提起している。筆者はこれを「保守主義の信条(クレド)」と呼ぶ。
保守主義はその後、フランス革命や社会主義との闘いを経て、20世紀後半の英米で「保守革命」の洗礼を受ける。サッチャーやレーガンが登場し、リバタリアン、ティパーティ、ネオコン等の潮流も生まれ、米国の保守主義は、市場化と宗教化の二つの要因を結合させながら、米国社会の分断をもたらしていく。「大きな政府」と「小さな政府」という経済的争点が、宗教的、倫理的な争点と連動し、左右の政治的分極化を推し進めてしまう。
最後は日本の保守主義。まず、明治維新において、日本には「保守主義」は存在していない。その近代日本において、保守主義の源流となったのは、伊藤博文という。初代の兵庫県知事であり、明治憲法の起草者であった伊藤は、自ら創り出した明治憲法体制の「保守」に最大の関心と情熱を注ぐ。そして、陸奥宗光、原敬へと、近代日本の保守本流を継承していく。
そして、戦後、自由党と日本民主党との保守合同で誕生した自民党は、現代でも痕跡が残る二つの方向性が共存することになった。軽武装にして経済国家を志向する吉田茂の路線と、明確なナショナリズムを志向する岸信介の路線。
筆者は、こうした巨大保守政党が、その内部に多様な価値観、幅広い政治的立場を内包したまま、日本を統治してきたことに疑問を呈しているが、多様性を内包した政党であればこそ日本社会の継続的な安定は築かれたという側面もあるだろう。
最終章で、筆者は、現代におけるリベラルと保守の接近と、区別の溶解を指摘した上で、次のエールを保守主義に贈っている。
「人々が進歩という追い風で前に進んだ時代は終わった」
「私たちは過去から得た推進力によって、まだ見えない未来へと進んでいかざるをえない」p201
「抽象的な原理ではなく、歴史的に築き上げてきた社会の仕組みや、それを支える価値観を大切にする保守主義の精神から学ぶべきではないか」
「自己抑制と同時に変革への意欲を備える保守主義のダイナミズムは、羅針盤なき時代において、社会を考えていく英知であり続けるだろう」p206
2022年7月14日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
反共としての保守がよく理解できます。
残念ながら統一教会の事は書いていませんがとてもいい本でした。
残念ながら統一教会の事は書いていませんがとてもいい本でした。
2020年12月1日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ちょうどいい時期にちょうどいい良書に出会った。いつのまにか、流されていたなあ。ブレていたなあ。
2021年10月31日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
これまで全く一面しか見ていなかったと反省。保守主義といっても歴史的に変遷し、また国によっても何を意味するかは異なっている。本書を読むまでは旧弊に執着してなぜかそこに暴力性が伴うような偏見を持っていたが、本来の意味は急進的で根本から変革する考え方(フランス革命のような)に対して、あくまで人は伝統や習慣に根差しているからそれらを重んじるべきで、変化をするにも制度の下で慎重に行うべきというようなことである。また人や社会は複雑なものだから、画一的な理念だけを頼りに変革するのも間違いであるという。
本書はイギリスのエドモンド・バークの保守主義から始まりフランス革命との関係、アメリカにおける保守主義、王政のあるイギリスと独立を勝ち取ったアメリカとの保守主義の違い、アメリカの変遷など欧米を中心に展開する。アメリカの保守主義としての伝統主義、リバタリアニズム、ネオコンサバティブ(新保守主義)についても、現代史の変遷とともに解説があり、納得感がある。フリードマンは『選択の自由』(1980年)で個人の自由を認めそれは市場経済によって統制され、その延長で政府が多様な社会保障を行うのは良いが、それに恩恵を受ける団体が国家利益よりも団体存続を目的とし始めることを問題視した。この団体を現代における支配階級とみなし、それは大学であり、報道機関であり、官僚機構であると批判し、一般社会に生きる人々の希望とは異なる考えを強制する。現代日本で言えば、政府と癒着して中抜きする多数の民間企業、公益法人などもそれに含まれるだろう。フリードマンのリバタリアニズムはそういう大きい政府による支配をなくし、個人が自由に選択できる体制を目指した、アメリカ保守主義であった。
しかし本書が刊行された2016年には現在のコロナ禍の惨状は経験していない。今は行動制限により外食、旅行産業はじめ様々な業種で経済状況が悪化して、政府による大規模な社会保障が求められている。(いやそもそもコロナ禍よりも以前から非正規雇用、大企業優先政策により市民は困窮に陥っていた)。アメリカで大規模な社会保障が求められ、それがうまくいかなかったことにより政府への幻滅が起こり、小さい政府を求めるという反動も起こったという。昭和的な統制経済への反動ではなく、純粋に苦境にある人々の声に応えるための社会保障が今は必要であり、統制経済じゃないかと疑念をもたれないようなメリハリも必要なのだろう。ソ連のような社会主義、統制経済はやはり現代では過去の遺物でしかない。
保守主義は民主主義の反動でも復古主義でもない。そういう単純なものではなく深みがあり、伝統が断絶しながら時代を経た日本ではそもそも保守主義はないとされる。自由民主党で言えば宮内重臣牧野伸顕を岳父(舅)にもつ吉田茂、その弟子池田勇人、佐藤栄作、さらに宏池会と続くが、バークのいう保守主義とはやはり違うことが明確にわかる。保守主義としてどの伝統を守るのか、明治時代のことなのか、江戸時代なのか、もっと前のことなのか、曖昧になる。神道や仏教などの宗教でもない。そして現代の保守主義は現在の憲法が米国に与えられたものだからそれを戻すべきだという主張になっている。憲法改定の大義として保守主義が持ち出されているのだろうか。
また現在では政府が大企業と組んで富裕層をなし、保守のような印象を与えているが、それは利益至上主義で経済財政を独占しているにすぎない。コロナ禍によって社会全体が不通に陥った時に、一部だけでの金儲け主義に陥っていた政府にはなすすべがなかったのは容易に理解できる。経済優先は悪いことではないが、一部の富裕層しか見ていなかったのが問題であった。
自由や正義など単一の理念がその時代を支配することは、危険なことだという(もちろん自由や正義などそれぞれの理念は重要だが)。頭に率直に浮かぶイメージとしては、この理念は目指すべきものとして受け入れやすい。マスコミにしてもアニメにしてもそういうものを一つ取り上げて特別扱いして視聴者の前に投げ入れるのも日常茶飯事である。しかしその理念が全てではない。理念が独り歩きしてフランス革命後のような恐怖政治が起こるのはまずい。そもそもの保守主義は人間・社会には多様性があるため慎重であるべきという意味があり、また変革に対しても否定はしないが慎重な姿勢があった。つまり画一的な理念ではなく多様性はすでに前提として認めていた。
一方でバークの保守主義は社会にある階級・身分制度を認めていたが、それは現代には当てはまらない。多様性と言っても上下の身分ではなく様々な立場として読み替えないといけないのだろう。そして現代ではジョナサン・ハイトのいう現代アメリカの保守とリベラルを6つの軸、ケア、公正、自由、忠誠、権威、神聖に分け、リベラルは前の3つ、保守は後者の3つにいく傾向があるという。しかし本来の保守主義にならって多様性を認めることで、分断は緩和されるのではないか。両者が逆に原理主義を強め反目するのは益にならないとする。
本書は政治でよく見られる◯◯主義について、保守主義を基調にして分かりやすく学べる。日本ではちょっときな臭くきこえる保守主義について、とても有意義な理解を与えてくれることは間違いない。
本書はイギリスのエドモンド・バークの保守主義から始まりフランス革命との関係、アメリカにおける保守主義、王政のあるイギリスと独立を勝ち取ったアメリカとの保守主義の違い、アメリカの変遷など欧米を中心に展開する。アメリカの保守主義としての伝統主義、リバタリアニズム、ネオコンサバティブ(新保守主義)についても、現代史の変遷とともに解説があり、納得感がある。フリードマンは『選択の自由』(1980年)で個人の自由を認めそれは市場経済によって統制され、その延長で政府が多様な社会保障を行うのは良いが、それに恩恵を受ける団体が国家利益よりも団体存続を目的とし始めることを問題視した。この団体を現代における支配階級とみなし、それは大学であり、報道機関であり、官僚機構であると批判し、一般社会に生きる人々の希望とは異なる考えを強制する。現代日本で言えば、政府と癒着して中抜きする多数の民間企業、公益法人などもそれに含まれるだろう。フリードマンのリバタリアニズムはそういう大きい政府による支配をなくし、個人が自由に選択できる体制を目指した、アメリカ保守主義であった。
しかし本書が刊行された2016年には現在のコロナ禍の惨状は経験していない。今は行動制限により外食、旅行産業はじめ様々な業種で経済状況が悪化して、政府による大規模な社会保障が求められている。(いやそもそもコロナ禍よりも以前から非正規雇用、大企業優先政策により市民は困窮に陥っていた)。アメリカで大規模な社会保障が求められ、それがうまくいかなかったことにより政府への幻滅が起こり、小さい政府を求めるという反動も起こったという。昭和的な統制経済への反動ではなく、純粋に苦境にある人々の声に応えるための社会保障が今は必要であり、統制経済じゃないかと疑念をもたれないようなメリハリも必要なのだろう。ソ連のような社会主義、統制経済はやはり現代では過去の遺物でしかない。
保守主義は民主主義の反動でも復古主義でもない。そういう単純なものではなく深みがあり、伝統が断絶しながら時代を経た日本ではそもそも保守主義はないとされる。自由民主党で言えば宮内重臣牧野伸顕を岳父(舅)にもつ吉田茂、その弟子池田勇人、佐藤栄作、さらに宏池会と続くが、バークのいう保守主義とはやはり違うことが明確にわかる。保守主義としてどの伝統を守るのか、明治時代のことなのか、江戸時代なのか、もっと前のことなのか、曖昧になる。神道や仏教などの宗教でもない。そして現代の保守主義は現在の憲法が米国に与えられたものだからそれを戻すべきだという主張になっている。憲法改定の大義として保守主義が持ち出されているのだろうか。
また現在では政府が大企業と組んで富裕層をなし、保守のような印象を与えているが、それは利益至上主義で経済財政を独占しているにすぎない。コロナ禍によって社会全体が不通に陥った時に、一部だけでの金儲け主義に陥っていた政府にはなすすべがなかったのは容易に理解できる。経済優先は悪いことではないが、一部の富裕層しか見ていなかったのが問題であった。
自由や正義など単一の理念がその時代を支配することは、危険なことだという(もちろん自由や正義などそれぞれの理念は重要だが)。頭に率直に浮かぶイメージとしては、この理念は目指すべきものとして受け入れやすい。マスコミにしてもアニメにしてもそういうものを一つ取り上げて特別扱いして視聴者の前に投げ入れるのも日常茶飯事である。しかしその理念が全てではない。理念が独り歩きしてフランス革命後のような恐怖政治が起こるのはまずい。そもそもの保守主義は人間・社会には多様性があるため慎重であるべきという意味があり、また変革に対しても否定はしないが慎重な姿勢があった。つまり画一的な理念ではなく多様性はすでに前提として認めていた。
一方でバークの保守主義は社会にある階級・身分制度を認めていたが、それは現代には当てはまらない。多様性と言っても上下の身分ではなく様々な立場として読み替えないといけないのだろう。そして現代ではジョナサン・ハイトのいう現代アメリカの保守とリベラルを6つの軸、ケア、公正、自由、忠誠、権威、神聖に分け、リベラルは前の3つ、保守は後者の3つにいく傾向があるという。しかし本来の保守主義にならって多様性を認めることで、分断は緩和されるのではないか。両者が逆に原理主義を強め反目するのは益にならないとする。
本書は政治でよく見られる◯◯主義について、保守主義を基調にして分かりやすく学べる。日本ではちょっときな臭くきこえる保守主義について、とても有意義な理解を与えてくれることは間違いない。