アニメ版「鉄人兵団」と「新鉄人兵団」を初めて観て,どうにもモヤモヤして原作を初めて読みました。
キカイトピアから人間を奴隷として集める為に鉄人兵団を地球に誘導する役割を担うロボットの少女リルルは
「人間みたいな下等生物が支配者(キカイトピアのロボット)の為に働くのは当たり前」
と主張し,リルルの余りにも身勝手なロボットの理屈に静香は匙を投げ
「あんたなんか知らない!!」
と家を飛び出します。
道すがら
「やはりロボットに人の気持ちが通じる訳無いのよね…」
と呟いた後
「…」と静香は沈黙し空を見上げます。
そして次の場面では
「やはりほっとけないわ…」
と言い,負傷し倒れたリルルを看護します。
この場面で静香の心中で如何なる葛藤が起こったのかは言葉で説明されず,読者の想像に任されてます。
F先生がメイン読者である少年少女達の「行間」を読む力を信じていなければ,こんな真似到底出来ません。
アニメの新鉄人兵団が駄目なのは心の機微を噛んで含める様に言葉で説明する,
変なカリメロ(ピッポ)が設定された事で
「例え漫画と言えども子供に行間を読む力など無く大人が噛んで含める様に説明してあげなければ駄目だ」
と言わんばかりです。
これでは何時まで経っても子供の行間を読む力…情操は発達しません。
児童向けアニメを作る人間として,これが正しいやり方なのでしょうか。
静香が一度リルルを見捨てておきながら,翻意してリルルの面倒を看た理由は原作では説明されません。
リルルは理屈でしか考えられず静香の行動が理解出来ません。
静香はただ
「時々理屈に合わない事をするのが人間なのよ」
と人間とロボットの違いを語るのみです。
リルルは静香の言葉を彼女なりに咀嚼し,鉄人兵団の上長に奴隷狩りの中止を進言します。
「自分でも不思議なんです,こんな事考えるなんて」
「怪我をして人間の手当てを受けている内に…」
「私の思考回路がどうかなっちゃったみたい…」
ロボットが「理屈に合わない事をする」のは「思考回路の異常」だと鉄人兵団側は考えますが,
この件を読んでる人間はそうは考えませんよね。
人とロボットとを「互いに決して相容れない思考の持ち主」として描きながら,
何故か静香はリルルに歩み寄って,
何故かリルルは静香に歩み寄ると言う
「理屈に合わない事をする」
のが原作のキモで両者の行為は「言葉では説明出来ない」のです。
アニメは「心の機微」を言葉で説明しようしてるのがペケなのです。
F先生のエスパー魔美で魔美が周囲から疑いをかけられて孤立しても高畑は彼女を信じます。
高畑の真意を測りかねて彼女は問いかけます。
「あらゆる証拠が不利なのに?」
「それでも私を信じてくれるの?」
高畑は
「理屈じゃないんだよ,人を信じるってことは」
と答えます。
普段理屈で物事を考えてると思い勝ちな高畑がこれを言うのが熱いのです。
理屈以外の動機で動く人間を描くには言葉だけでは足りないから行間を使うのです。
何でもかんでも言葉で説明しても上っ面しか理解出来ないと原作漫画は教えてくれます。
プライム無料体験をお試しいただけます
プライム無料体験で、この注文から無料配送特典をご利用いただけます。
非会員 | プライム会員 | |
---|---|---|
通常配送 | ¥410 - ¥450* | 無料 |
お急ぎ便 | ¥510 - ¥550 | |
お届け日時指定便 | ¥510 - ¥650 |
*Amazon.co.jp発送商品の注文額 ¥3,500以上は非会員も無料
無料体験はいつでもキャンセルできます。30日のプライム無料体験をぜひお試しください。
新品:
¥550¥550 税込
ポイント: 33pt
(6%)
無料お届け日:
3月31日 日曜日
発送元: Amazon.co.jp 販売者: Amazon.co.jp
新品:
¥550¥550 税込
ポイント: 33pt
(6%)
無料お届け日:
3月31日 日曜日
発送元: Amazon.co.jp
販売者: Amazon.co.jp
中古品: ¥93
中古品:
¥93

無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません。
ウェブ版Kindleなら、お使いのブラウザですぐにお読みいただけます。
携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。
大長編ドラえもん (Vol.7) のび太と鉄人兵団 (てんとう虫コミックス) コミック – 1987/1/28
藤子・F・ 不二雄
(著)
{"desktop_buybox_group_1":[{"displayPrice":"¥550","priceAmount":550.00,"currencySymbol":"¥","integerValue":"550","decimalSeparator":null,"fractionalValue":null,"symbolPosition":"left","hasSpace":false,"showFractionalPartIfEmpty":true,"offerListingId":"OVsG7OEphFZ2BlxBjCK6cV1xlH9d7LfR1pFEun5yAP%2B9Se8M%2FBhr%2BJlXeD6HANjpkYZvJpb0hISzh%2BRWAJ1rCKbIcn8RIveLOzN%2F03j8Afvk0CuMX6kAq5fR5%2F7FoIUq","locale":"ja-JP","buyingOptionType":"NEW","aapiBuyingOptionIndex":0}, {"displayPrice":"¥93","priceAmount":93.00,"currencySymbol":"¥","integerValue":"93","decimalSeparator":null,"fractionalValue":null,"symbolPosition":"left","hasSpace":false,"showFractionalPartIfEmpty":true,"offerListingId":"OVsG7OEphFZ2BlxBjCK6cV1xlH9d7LfR%2BzWOhvGtIl22v5ezfDOi2Fw%2BwzwZqj3fbNz%2FNkdJqcV%2BAwsTPWPvQYpPDxVelyJctgmbEL7c7Unh%2FUr0klWYREWinwEvrHU3OTDKywCd8Gfzf3qeHn6sdh%2BDu3VL%2BlGyaa0Ao8cRKOsQFiSI6p1uNw%3D%3D","locale":"ja-JP","buyingOptionType":"USED","aapiBuyingOptionIndex":1}]}
購入オプションとあわせ買い
●あらすじ●のび太が北極で拾ったものは、なんと巨大なロボットの部品だった!! さっそく組み立てると、のび太とドラえもんは、しずちゃんをさそって逆世界に入りこみ、巨大ロボットを乗り回して遊んでいた。ところが、そこでとてつもないことが判明する。この巨大ロボットには、ビルを一撃で破壊してしまうほどのおそろしい武器が備わっていたのである!! あわてた三人は、このことを秘密にしようと約束しあう。しかし、のび太は不思議な少女リルルと出会い、ついその秘密を話してしまう。それが原因で、やがてのび太たちはとんでもない事実と直面する。なんとリルルが、逆世界を地球侵略のための秘密基地にしたてあげていたのだ。まもなく地球人を捕獲するための侵略ロボット集団、鉄人兵団が地球にやってくるという。そうなれば地球は、そして、のび太たち人間は、いったい、どうなってしまうんだろう!? 愛と勇気と友情たっぷりの大長編シリーズ第7弾!!
- 本の長さ192ページ
- 言語日本語
- 出版社小学館
- 発売日1987/1/28
- 寸法10.6 x 1.3 x 17.3 cm
- ISBN-104091406076
- ISBN-13978-4091406071
よく一緒に購入されている商品

対象商品: 大長編ドラえもん (Vol.7) のび太と鉄人兵団 (てんとう虫コミックス)
¥550¥550
最短で3月31日 日曜日のお届け予定です
残り20点(入荷予定あり)
¥550¥550
最短で3月31日 日曜日のお届け予定です
在庫あり。
¥550¥550
最短で4月5日 金曜日のお届け予定です
残り20点(入荷予定あり)
総額:
当社の価格を見るには、これら商品をカートに追加してください。
ポイントの合計:
pt
もう一度お試しください
追加されました
一緒に購入する商品を選択してください。
この商品をチェックした人はこんな商品もチェックしています
ページ 1 以下のうち 1 最初から観るページ 1 以下のうち 1
商品の説明
出版社からのコメント
地球をねらう鉄人兵団に対抗し、鏡面世界で激しい戦いを続けるのびたと仲間たち!巨匠の描くファンタジーワールド!!
著者について
著者をフォローして、新作のアップデートや改善されたおすすめを入手してください。

著者の本をもっと発見したり、よく似た著者を見つけたり、著者のブログを読んだりしましょう
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2022年3月10日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2023年1月16日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
映画はやっぱり「ボクモ・・・涙ノ出ル装置ガ欲シイ」が名言だと思うし、漫画は漫画で場面が静止しているおかげか、登場人物たちの感情をもっと深く読み解く事が出来て良かった。
特にのび太を「いくじなし!」と撃つリルルの表情がなんとも言えず、そこからの展開は何度読んでも目頭が熱くなる。
特にのび太を「いくじなし!」と撃つリルルの表情がなんとも言えず、そこからの展開は何度読んでも目頭が熱くなる。
2022年6月7日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
大長編ドラえもん史上最高傑作です。旧作アニメでは見ていたけど原作もいい。
2011年4月15日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
新鉄人兵団を観て感動したから、買ってみたけれどピッポの代わりに、ミクロスが微妙に活躍してます。
ま、おもしろいっちゃあ、おもしろいです。
ま、おもしろいっちゃあ、おもしろいです。
2021年10月23日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
小学生くらいの子供の頃読んだ時は、この作品は他の大長編と比べると、さほど優れているようには思えませんでした。
なぜ敵であるリルルを助けるのかと、ジャイアンやスネ夫と同じように疑問に思っており、その疑問は最後まで読んでも消えませんでした。
しかし、大人になってからこの作品を読むと、完成度の高さに驚かされます。
ロボットの語源は「奴隷」だそうです。作品には鏡面世界が登場しますが、ロボットもまた人間に対する鏡像です。
こうした暗喩を作品の構成要素に落とし込みつつ、ロボットという鏡を通して人間の愚行と希望を描いています。
できることなら、リルルというキャラクターをもっと掘り下げて描いてくれていれば、子供の頃ももう少し感情移入ができていたかもしれません。彼女の信心深さを裏付けるエピソードや、のび太やしずかとの交流で心変わりしてゆく過程を、もうすこし丁寧に描かれていれば、とも思います。
しかし、それは大人になれば、自然と推察できるようになるものかもしれません。
なぜ敵であるリルルを助けるのかと、ジャイアンやスネ夫と同じように疑問に思っており、その疑問は最後まで読んでも消えませんでした。
しかし、大人になってからこの作品を読むと、完成度の高さに驚かされます。
ロボットの語源は「奴隷」だそうです。作品には鏡面世界が登場しますが、ロボットもまた人間に対する鏡像です。
こうした暗喩を作品の構成要素に落とし込みつつ、ロボットという鏡を通して人間の愚行と希望を描いています。
できることなら、リルルというキャラクターをもっと掘り下げて描いてくれていれば、子供の頃ももう少し感情移入ができていたかもしれません。彼女の信心深さを裏付けるエピソードや、のび太やしずかとの交流で心変わりしてゆく過程を、もうすこし丁寧に描かれていれば、とも思います。
しかし、それは大人になれば、自然と推察できるようになるものかもしれません。
2020年1月20日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
個人的に大長編に登場するゲストヒロインの中で、一番好きなキャラが登場する作品です。
人間そっくりに作られたゲストヒロインのリルルはスパイとして地球に潜入しますが、
のび太やしずかちゃんと交流していくうちに人間を奴隷にするのは悪いことと思うようになりますが、
生まれ故郷である祖国のメカトピアを裏切ることができずに葛藤するリルルは本当に魅力的です。
そして終盤、リルルの最期の行動や台詞は大長編ドラえもんの中でも屈指の感動シーンです。
それから劇中活躍する巨大ロボット「ザンダクロス」が某ロボットアニメの金色の機体に似ていたり、
作業用ロボットの頭部が緑の一つ目巨人に似ていたりすることからも分かる通り、
ロボットアニメブームに便乗して作られた本作ですが、
ブームに乗って作られたにしては本当に完成度が高くて面白いです。
人間そっくりに作られたゲストヒロインのリルルはスパイとして地球に潜入しますが、
のび太やしずかちゃんと交流していくうちに人間を奴隷にするのは悪いことと思うようになりますが、
生まれ故郷である祖国のメカトピアを裏切ることができずに葛藤するリルルは本当に魅力的です。
そして終盤、リルルの最期の行動や台詞は大長編ドラえもんの中でも屈指の感動シーンです。
それから劇中活躍する巨大ロボット「ザンダクロス」が某ロボットアニメの金色の機体に似ていたり、
作業用ロボットの頭部が緑の一つ目巨人に似ていたりすることからも分かる通り、
ロボットアニメブームに便乗して作られた本作ですが、
ブームに乗って作られたにしては本当に完成度が高くて面白いです。
2021年2月8日に日本でレビュー済み
昔から何度も読み返した作品!
今読んでもラストではパブロフの犬的に涙が込み上げてきます。
また、メカトピアの歴史・人類との対立理由・神や天使という概念の絡め方などは藤子不二雄先生のSF想像力が遺憾なく発揮されていて、大人になってから読んだことでより凄さがわかりました。
正直子供向けな演出が多く、さすがにツッコミどころは多いのですが(スネ夫のロボットを欲しがるのび太、お前もっとすげえロボットいつも隣にいるじゃん!)鏡面世界のワクワク感などの子供心をくすぐる要素も多く、しかし鉄人兵団との対決はちゃんと怖いというしっかりさ。
藤子先生の「子供向け」への舐めてなさを感じられる一作です。
今読んでもラストではパブロフの犬的に涙が込み上げてきます。
また、メカトピアの歴史・人類との対立理由・神や天使という概念の絡め方などは藤子不二雄先生のSF想像力が遺憾なく発揮されていて、大人になってから読んだことでより凄さがわかりました。
正直子供向けな演出が多く、さすがにツッコミどころは多いのですが(スネ夫のロボットを欲しがるのび太、お前もっとすげえロボットいつも隣にいるじゃん!)鏡面世界のワクワク感などの子供心をくすぐる要素も多く、しかし鉄人兵団との対決はちゃんと怖いというしっかりさ。
藤子先生の「子供向け」への舐めてなさを感じられる一作です。
2017年4月14日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
1985年度の作品ですが、いま読んでも充分楽しめる内容だと思います。劇場版シリーズの中で最も人気が高いと言うのもうなずける話です。