主な新原としては、第4章の18項として「まりと簓」が追加。
火野葦平の戦記小説を取り上げてます。
興味深いのは、わざわざ戦地先の杭州での芥川賞陣中授与式
の意味するところと、まつわる人々ですかねぇ。
そして、第7章の16項として「ケロリとするひとびと」追加。
著者の父と、その所縁のある福島民友新聞の郷土部隊戦記に
ついて。戦後僅か20年で出版された同著のさらり感は1965年
当時の時代背景を鑑みると、どないなってんの?と。
まぁ、それ以後に産まれた私がリアルにその時代を知る訳も
ありませんから、何をエラそに…ちゅーことでもありますけ
どね、しかし何ともかんともですわ。
あとは、序章の3項既存の「幽霊たちの『誇らかな顔』」の
追記。なぜ、ニッポンにおけるニッポンジンの戦争責任が問
われなかったかという疑問の背景にあった民衆の後押し。
増補版としては、上記が主だった追加やと思いますわ。
あとは、注釈の追加や引用の詳細。
本の体裁としての完成度は、当然こちらの方が高いでしょう
ね。注釈の前後している部分も訂正されてます
し、引用文もスッキリまとめられていたり、その著者名と版
元もキッチリ明記されてます。
無駄紙使うてない、ちゅーのも合理的に編集されてるとこで。
それと、ちょいちょい短い追記や表現の仕方が変わっている
箇所があり、特に私がドキリとしたのは第4章8項「不可触の
絶対光景」の父を、殺そうとおもったことがある。に続く追
記の一文ですわ。
これ、蛇足になりますけど、お父さんのことがよう出てくる
んで妙にこの人に興味持ってしまいまして…。
すると、別の本で面白い話見つけてしもて…。
自転車をどれだけ遅く漕ぐかという競争の話やったんですけ
ど、それに大真面目に挑む姿の描写が可笑しゅうて…。
増補版で追加されたお父さん像と重ね合わすと、妙に納得し
た部分もあり、何故かしみじみしてまいました。
私自身が父との思い出が少ないせいもあるんかもしれません。
そうそう、もし金曜日版ほしい…言う人がいてはったら譲り
まっせ〜。無償です。送料も別にかまいませんわ。
熱意伝わればお送りしますわ。
…おっと!これって営業妨害になるんやろか?恐いわぁ〜♫
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増補版 1★9★3★7(イクミナ) 単行本 – 2016/2/29
辺見庸
(著)
記憶の墓をあばけ! おどろくべき「獣性」と「慈愛」をつないだ天皇。
閉じられた記憶の墓をこじあけたら、おどりでてきたものとは?
歴史にわだかまる大いなる恥と責任を体内深くに問い、
「1★9★3★7」から今日まで連綿とつづく「ニッポンの妖気」を射る――戦後思想史上、最大の問題作。
閉じられた記憶の墓をこじあけたら、おどりでてきたものとは?
歴史にわだかまる大いなる恥と責任を体内深くに問い、
「1★9★3★7」から今日まで連綿とつづく「ニッポンの妖気」を射る――戦後思想史上、最大の問題作。
- 本の長さ406ページ
- 言語日本語
- 出版社河出書房新社
- 発売日2016/2/29
- ISBN-104309247520
- ISBN-13978-4309247526
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商品の説明
著者について
1944年生まれ。著書『もの食う人々』『自動起床装置』『いまここにあることの恥』『抵抗論』など多数。
登録情報
- 出版社 : 河出書房新社 (2016/2/29)
- 発売日 : 2016/2/29
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 406ページ
- ISBN-10 : 4309247520
- ISBN-13 : 978-4309247526
- Amazon 売れ筋ランキング: - 805,531位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 2,745位日本の政治
- カスタマーレビュー:
著者について
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作家。1944年、宮城県生まれ。早稲田大学文学部卒。70年、共同通信社入社。北京特派員、ハノイ支局長、編集委員などを経て96年、退社。この間、 78年、中国報道で日本新聞協会賞、91年、『自動起床装置』で芥川賞、94年、『もの食う人びと』で講談社ノンフィクション賞受賞(「BOOK著者紹介情報」より:本データは『 いまここに在ることの恥 (ISBN-13: 978-4043417117 )』が刊行された当時に掲載されていたものです)
カスタマーレビュー
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2016年3月12日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2016年3月24日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
何故、短期間のうちに「増補版」なのか?
投稿者quiri氏が丁寧に解説されているように、第7章に「ケロリとするひとびと」が追加されています。以下はその補足説明です。
「金曜日社版」には〔2015年9月17日・戦争法案強行採決の日に〕との「あとがき」があります。他方、「ケロリとするひとびと」の文中には〔2015年秋のある日、ひょんなことから父の読んでいた『郷土部隊戦記』の古本を入手してたまげた。この本の序文は福田篤泰・防衛庁長官によって書かれ、あろうことか、南京大虐殺にきわめて深いかかわりがあるとされる両角業作・元歩兵第六十五連隊長(元陸軍中将)が祝辞をよせているのだった。〕と記述されています。おそらく「金曜日社版」の発刊と同時期に著者はこの古本を読み、著者の父と南京大虐殺をテーマとする『1★9★3★7』にとって早急に補遺の必要を考え、短期間のうちの「増補版」発刊に至ったのだと推測されます。
もちろん「増補版」発刊にまつわる経緯は、どなたかがおしゃるような金曜日社と日本共産党とのトラブルなどではなく、日共側の著者へのインタヴューの突然の中止や金曜日社側ともどもそのドタキャン理由の明確な説明も著者に対してなされないまま、逆に著者の側からの対話を求める文字通りの「身体を張っての」願いもケロリと無視されて今日に至っていることが、著者のブログの私事片々(現在は削除)を読むかぎり歴然としていました。どなたかはなにをもって「卑劣」とおっしゃるのでしょうか?
本書の「増補版のあとがき」には、〔この増補版がでるまでのあいだにも時間は滔々とながれ、歴史はたえまなくうごいている。〕と書かれています。おそらく、著者はつい先日の内閣法制局長官の「核の使用が憲法上すべて禁じられているわけではない、許されるばあいもある」という発言にも心を痛めていることでしょう。
時代とともに振りまかれる陋劣な言葉に抗しながら、この本のヴァージョンアップをすること。それこそが、私たち読者自らの責務なのかもしれません。
著者の変わらぬ今後のご健筆をお祈り致します。
投稿者quiri氏が丁寧に解説されているように、第7章に「ケロリとするひとびと」が追加されています。以下はその補足説明です。
「金曜日社版」には〔2015年9月17日・戦争法案強行採決の日に〕との「あとがき」があります。他方、「ケロリとするひとびと」の文中には〔2015年秋のある日、ひょんなことから父の読んでいた『郷土部隊戦記』の古本を入手してたまげた。この本の序文は福田篤泰・防衛庁長官によって書かれ、あろうことか、南京大虐殺にきわめて深いかかわりがあるとされる両角業作・元歩兵第六十五連隊長(元陸軍中将)が祝辞をよせているのだった。〕と記述されています。おそらく「金曜日社版」の発刊と同時期に著者はこの古本を読み、著者の父と南京大虐殺をテーマとする『1★9★3★7』にとって早急に補遺の必要を考え、短期間のうちの「増補版」発刊に至ったのだと推測されます。
もちろん「増補版」発刊にまつわる経緯は、どなたかがおしゃるような金曜日社と日本共産党とのトラブルなどではなく、日共側の著者へのインタヴューの突然の中止や金曜日社側ともどもそのドタキャン理由の明確な説明も著者に対してなされないまま、逆に著者の側からの対話を求める文字通りの「身体を張っての」願いもケロリと無視されて今日に至っていることが、著者のブログの私事片々(現在は削除)を読むかぎり歴然としていました。どなたかはなにをもって「卑劣」とおっしゃるのでしょうか?
本書の「増補版のあとがき」には、〔この増補版がでるまでのあいだにも時間は滔々とながれ、歴史はたえまなくうごいている。〕と書かれています。おそらく、著者はつい先日の内閣法制局長官の「核の使用が憲法上すべて禁じられているわけではない、許されるばあいもある」という発言にも心を痛めていることでしょう。
時代とともに振りまかれる陋劣な言葉に抗しながら、この本のヴァージョンアップをすること。それこそが、私たち読者自らの責務なのかもしれません。
著者の変わらぬ今後のご健筆をお祈り致します。
2018年12月6日に日本でレビュー済み
本書は、あの戦争を戦場体験のない個人として徹底的に追体験する試みである。1937年は日中戦争が始まり南京虐殺事件が起こった年である。アメリカとの開戦、広島・長崎への原爆投下、敗戦へ向かう流れの発端でもあった。侵略する者とされる者との非対称の絶対的な落差を刻んだ記憶が身体的な具体性を帯びて呼び起こされる。まずその手掛かりになるのが、武田泰淳、堀田善衛、石川達三、火野葦平らの小説である。そこでの日本軍兵士一人一人の振る舞いと中国人民衆の一人一人の姿が読み込まれる。それを通して作家の倫理的な姿勢が問題になり、著者自らへの執拗な問いかけとなる。
著者の父は中国に派兵された体験を持つ。戦場からのはがき、戦後の手記、記憶にある姿から父の戦場体験へ迫ろうとする。だが、父の存命時にはそのことを避けてきたことが告白される。それは著者ばかりではない。
「ニッポンの戦後は『知らずに(問わずに)すませるべきでなかったもの』を『知らずに(問わずに)すませてしまおう』という強い黙契によってむなしい疑似的平穏をたもってきたのだ」
丸山真男が『超国家主義の論理と心情』で「無責任の体系」と指摘した事態は、開戦についても戦中、敗戦についてもこの国と国民が取り続けてきた態度であった。
だから「『1★9★3★7』はなにも清算されないまま不可視の怨霊としてげんざいにもそしてこれからの未来にも生きつづけざるをえない」と著者は断言する。
著者の父は中国に派兵された体験を持つ。戦場からのはがき、戦後の手記、記憶にある姿から父の戦場体験へ迫ろうとする。だが、父の存命時にはそのことを避けてきたことが告白される。それは著者ばかりではない。
「ニッポンの戦後は『知らずに(問わずに)すませるべきでなかったもの』を『知らずに(問わずに)すませてしまおう』という強い黙契によってむなしい疑似的平穏をたもってきたのだ」
丸山真男が『超国家主義の論理と心情』で「無責任の体系」と指摘した事態は、開戦についても戦中、敗戦についてもこの国と国民が取り続けてきた態度であった。
だから「『1★9★3★7』はなにも清算されないまま不可視の怨霊としてげんざいにもそしてこれからの未来にも生きつづけざるをえない」と著者は断言する。
2016年3月18日に日本でレビュー済み
短期間で版元をかえて増補版を出すことに批判もあろう。だが、それだけ著者が過剰なまでの危機感、切迫感を持って本作に取り組んでいる、ということでもある。著者が言うように1ページ1ページに血が塗り込められている。思うに、著者がやりたかったのは、日本が戦後、目を背けてきた戦争責任の追及ではないか。戦争責任という抽象的な言葉では表しきれないかもしれない。天皇ヒロヒトを奉り、皇軍、神の軍隊として中国に侵略し、現地民衆の殺戮を重ねた兵士たちの、驚くほどの無感覚、空虚さ。著者は父の姿、父の遺した文を通して、その心性、心髄を自己の内側から見つめ、えぐり出している。そしてそれは戦後70年たっても連綿と続き、現在の安倍政権へとつながる同じ「時間」の中にあるのだ。増補版後書きでは日韓の慰安婦問題に触れ、最終的かつ不可逆的な解決という言葉のおぞましさを指摘している。同感だ。我々はなぜ、かくも歴史に学べないのか。歴史を歪め、ときに消去してしまうのか。深い絶望にとらわれる。堀田善衛や芥川龍之介、香月泰男らのように、戦時にあっても事柄の本質を見抜いて表現しえた先人がいたことは希望である。
2016年4月8日に日本でレビュー済み
『1★9★3★7★』は「日本的に不気味な『心髄』」(p376)を解き明かすために苦闘している。その為に著者が引き出す幾つもの書物や文言はすべて真剣で興味深い。昭和30年に発刊された堀田善衛の『時間』は引用文中の最大のもので、冒頭に引用され、何度か振り返られたあと最後にまたそこに戻ってくる。『時間』の見つめるものは南京大虐殺であり、引用される書物の多くは日本軍の悪鬼のような思考と行動様式を描いている。したがって本書は南京大虐殺を類書よりもはるかに広いキャンバスに描いたものと言えるが、思考の広がりはそれに止まるものではない。(晦渋という印象があるのは序章までで、第一章以降は日中戦争の知識の下敷きさえあればさほど難儀せずに読むことができる。)
著者は中国戦線に従軍した自分の父はいったい何をしたのだろうか、あわせて自分は、その場で、どれだけ無実でありえたろうかと問い続ける。戦後70年にわたって指導者や代表的知識人として生き延びた日本人の言論もとうぜん避けて通ることはできない。結果は「日本的なもの」の追求であり、その立論に異をさしはさむ必要を感じない。戦争責任についての考えを聞かれた元大元帥陛下の有名な「そういう言葉のアヤについては、…あまり研究もしてないので…そういう問題についてはお答えができかねます」という返答も本書の文脈で読むと唖然とさせられる。
しかし著者の見出した「日本的なもの」は日本の占有に帰するものとは言いきれないかもしれない。日本軍は、諸民族は有限な資源を奪い合う永遠の殺戮戦を運命づけられているとするナチス・ドイツの世界観を共有し、自省の念を欠く破滅的な衝動に突き動かされていた。大東亜共栄圏なる虚構もナチスのLebensraum (生存圏)の主張の二重写しにしか見えない。
昨年ノーベル文学賞を受賞したスベトラーナ・アレクシェービッチは、個々の人間は歴史の中に消えていく存在であるから、その記憶を残さねばならないと説いている。本書はそのような実践の稀に見る成果であり、現代の人間は現実に目をそむけることによってはじめて楽観的なのだと教えている。
著者は中国戦線に従軍した自分の父はいったい何をしたのだろうか、あわせて自分は、その場で、どれだけ無実でありえたろうかと問い続ける。戦後70年にわたって指導者や代表的知識人として生き延びた日本人の言論もとうぜん避けて通ることはできない。結果は「日本的なもの」の追求であり、その立論に異をさしはさむ必要を感じない。戦争責任についての考えを聞かれた元大元帥陛下の有名な「そういう言葉のアヤについては、…あまり研究もしてないので…そういう問題についてはお答えができかねます」という返答も本書の文脈で読むと唖然とさせられる。
しかし著者の見出した「日本的なもの」は日本の占有に帰するものとは言いきれないかもしれない。日本軍は、諸民族は有限な資源を奪い合う永遠の殺戮戦を運命づけられているとするナチス・ドイツの世界観を共有し、自省の念を欠く破滅的な衝動に突き動かされていた。大東亜共栄圏なる虚構もナチスのLebensraum (生存圏)の主張の二重写しにしか見えない。
昨年ノーベル文学賞を受賞したスベトラーナ・アレクシェービッチは、個々の人間は歴史の中に消えていく存在であるから、その記憶を残さねばならないと説いている。本書はそのような実践の稀に見る成果であり、現代の人間は現実に目をそむけることによってはじめて楽観的なのだと教えている。
2020年12月4日に日本でレビュー済み
結論から書かせてもらう。この本は評価に値しない。
第一にこの本は事実関係の点で問題がある。終戦直後ならいざ知らず、戦後70余年経過し当時の資料が閲覧できる2015年に書かれたと思えない程に全く見当違いの記載、あるいは否定された歴史観が多々見られる。これだけで既に読む価値がないようなものだ。編集者は校訂をしたのだろうか?
第二に内容がない。というのも同著の記述の大半が卑近かつ使い古された扇情と恨み節の繰り返しで構成されている。ほとんど1970年代の極左が広く主張した事と変わらない。これの何処が「閉じられた記憶」なのか理解に苦しむ。その上執拗に書き連ねられた過激な形容が本書の情報量をさらに薄く、かつ読みづらいものにしている。本質的に主張が重なるはずの左派である私でさえこういった罵倒にはうんざりさせられた。
以上、端的にまとめるならこの本は「老人の愚痴兼妄想」である。立場こそ違えどレベルで言えば百田尚樹氏の歴史書と似たようなものだ。少しでも教養のある人間ならこの本を手に取る事で失うものこそあれ、何も得るものはないだろう。お勧めしない。
第一にこの本は事実関係の点で問題がある。終戦直後ならいざ知らず、戦後70余年経過し当時の資料が閲覧できる2015年に書かれたと思えない程に全く見当違いの記載、あるいは否定された歴史観が多々見られる。これだけで既に読む価値がないようなものだ。編集者は校訂をしたのだろうか?
第二に内容がない。というのも同著の記述の大半が卑近かつ使い古された扇情と恨み節の繰り返しで構成されている。ほとんど1970年代の極左が広く主張した事と変わらない。これの何処が「閉じられた記憶」なのか理解に苦しむ。その上執拗に書き連ねられた過激な形容が本書の情報量をさらに薄く、かつ読みづらいものにしている。本質的に主張が重なるはずの左派である私でさえこういった罵倒にはうんざりさせられた。
以上、端的にまとめるならこの本は「老人の愚痴兼妄想」である。立場こそ違えどレベルで言えば百田尚樹氏の歴史書と似たようなものだ。少しでも教養のある人間ならこの本を手に取る事で失うものこそあれ、何も得るものはないだろう。お勧めしない。
2022年2月18日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
鋭い眼力で世界の病根を抉り出し、読者の内省をせまる稀有の作品てある。