【概要】
(分野)体験談、現場志向
(頁数)序文&目次16頁 + 本文171頁 + 後書&索引12頁
(出版日)2016/3/11
本書は、パナソニックの一社員から見た、パナソニックの経営と経営者の生の姿を書き記したものです。
かつてはパナソニックも2012,2013年と連続して7000億円規模の最終赤字を出し、会社存亡の危機に陥っていましたが、現在では2000億円以上の最終黒字に転換しています。
本書では赤字に至った原因を、経営の混迷を含めたいわゆる「大企業病」だと説いています。特に、迷走する経営層については手厳しく、ソニーの後追いの様に買収に踏み切った挙句、最終的に約1600億円の損失を出した米国の映画会社MCAの買収と、それを強行した松下正治氏には「最悪のM&Aを決断した松下正治」と手厳しい評価が下しています。
また、「大企業病」についても経営層の責任が追及されています。会社が巨大になり、中間財の販売比率が上がることで、品質に対する責任の在り方が曖昧になり、社内政治にエネルギーを使い、子会社が本社の意向を無視するという風土が、パナソニックにもあったことが分かります。
ただ、本書はあくまで一社員から見た経営層、現場の在り方を書き記したもので、良き上司、経営者の人柄については詳細に書かれているものの、現在のパナソニックが黒字体質に変わりつつある原因について、ニュースなどで得られる情報以上に詳細かつ明確なロジックで語られているわけではありません。
【感想】
本編中で「企業文化とは社員がつくるモノではなく、経営トップが醸し出す波動で作られているのだ」と書かれているように、本書はどちらかと言えば精神論的な側面が強く描写されています。
経営の混乱と業績の悪化については、殊、家電業界では昨今の大きな問題として取り上げられています。パナソニックは韓国、台湾に押される家電以外の領域、つまりB to Bビジネスを深化させることで黒字体質へと変更できましたが、こうした会社としての大きな変換に当たって、現場でどのような葛藤があったのかが詳しく書かれていないのは残念でした。
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パナソニックV字回復の真実 Kindle版
「経営の神様」松下幸之助が作りあげた名門パナソニックが2年連続7,000億円以上の赤字に転落。そこから「原点回帰」でV字復活を成し遂げるまでを“現場”で見続けた著者が語る「真実」とは!?
- 言語日本語
- 出版社KADOKAWA
- 発売日2016/3/14
- ファイルサイズ4795 KB
- 販売: Amazon Services International LLC
- Kindle 電子書籍リーダーFire タブレットKindle 無料読書アプリ
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商品の説明
著者について
●平川紀義:パナソニック・元営業戦略部長。現在、起業コンサルタント。
1954年、九大経済学部卒後、松下電器産業(パナソニック)入社。エアコン事業部にて山下俊彦、守随武雄(ビクター)、杉山一彦、村山敦、森孝博(以上、副社長)の元で勤務。30代は特機本部・中国(営)で森下洋一(社長)の下で勤務。40代は北米松下にて中村邦夫(社長)の下で勤務。50代は営業本部にて津賀一宏(現社長)の下で勤務。
1954年、九大経済学部卒後、松下電器産業(パナソニック)入社。エアコン事業部にて山下俊彦、守随武雄(ビクター)、杉山一彦、村山敦、森孝博(以上、副社長)の元で勤務。30代は特機本部・中国(営)で森下洋一(社長)の下で勤務。40代は北米松下にて中村邦夫(社長)の下で勤務。50代は営業本部にて津賀一宏(現社長)の下で勤務。
登録情報
- ASIN : B01CN3VZQY
- 出版社 : KADOKAWA (2016/3/14)
- 発売日 : 2016/3/14
- 言語 : 日本語
- ファイルサイズ : 4795 KB
- Text-to-Speech(テキスト読み上げ機能) : 有効
- X-Ray : 有効にされていません
- Word Wise : 有効にされていません
- 付箋メモ : Kindle Scribeで
- 本の長さ : 158ページ
- Amazon 売れ筋ランキング: - 60,547位Kindleストア (Kindleストアの売れ筋ランキングを見る)
- - 7,927位ビジネス・経済 (Kindleストア)
- カスタマーレビュー:
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2016年6月26日に日本でレビュー済み
レポート
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5人のお客様がこれが役に立ったと考えています
役に立った
2016年3月15日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
これまでの「パナ(松下)本」と同様の類かと思いつつ購入しましたが、
読んでいるうちに、視点が全く違うことに気づきました。
筆者は、外部の人ではなく、また内部の人といっても役員ではなく部長職であったそうですが、
だからこそ、表面的ではなく、肌で感じたことをストレートに書かれていると感じました。
大会社であれば、社長は雲の上の人ですが、多くの歴代社長(になる人たち)との関わりがあったこと、
そしてその人を的確に捉えていることが興味深いですね。
しかも、その人を否定・批判ではなく、史実=今日のパナソニックに必要だったことと捉えているので
イヤミが無く、好感を持って読める点がいい!
良い本だと思った点は、要所々々に、松下幸之助氏の理念がちりばめられていて、
今の時代、企業にとって何が大切なのかが、さりげなく書かれている。
松下電器産業時代から勤めて、松下イズムを体にしみこませた筆者ならではなのでしょうか。
ビジネス本では、内容に引き込まれ一気に読むことのできた、久々の☆5つ本でした。
読んでいるうちに、視点が全く違うことに気づきました。
筆者は、外部の人ではなく、また内部の人といっても役員ではなく部長職であったそうですが、
だからこそ、表面的ではなく、肌で感じたことをストレートに書かれていると感じました。
大会社であれば、社長は雲の上の人ですが、多くの歴代社長(になる人たち)との関わりがあったこと、
そしてその人を的確に捉えていることが興味深いですね。
しかも、その人を否定・批判ではなく、史実=今日のパナソニックに必要だったことと捉えているので
イヤミが無く、好感を持って読める点がいい!
良い本だと思った点は、要所々々に、松下幸之助氏の理念がちりばめられていて、
今の時代、企業にとって何が大切なのかが、さりげなく書かれている。
松下電器産業時代から勤めて、松下イズムを体にしみこませた筆者ならではなのでしょうか。
ビジネス本では、内容に引き込まれ一気に読むことのできた、久々の☆5つ本でした。
2016年10月30日に日本でレビュー済み
今まで”ドキュメント ”パナソニック人事抗争史”、”パナソニック・ショック”、”パナソニックV字回復の真実”の3冊を読んできたが、今回が社内の現場レベルの見方の一つであった。ただ、時代や社長により、見解の偏りがあったので、あくまで1社員の考え方として読んで、”このような見解があるのか”と思って読んだ方が客観的な捉え方になると思う。
例えば、”パナソニック人事抗争史”、”パナソニック・ショック”では森下時代の痛烈な経営批判・見通しの甘い方針・松下正治との関係性等、書かれていたが、当該書籍では、筆者はその当時、アメリカに在籍しており、かなり忙しかったらしく、その当時の森下政権の記載が一切無い。また森下信者と書かれているため、敢えてそこの経営評価・評判は記載しなかったように思われる。
また、現社長の津賀に対しては、筆者は2008年に退社しているのに、2012年以降の津賀の社長評価について、現場からの記載のように記している。
読んでいて時系列がわかりにくかった。
ただ、谷井に関しては、 ”パナソニック人事抗争史”、”パナソニック・ショック”では、正治との関わり合いで悲劇の社長みたいな立場として書かれていたが、当該書籍では、”副社長の佐久間がいなければ経営が難しい社長”という角度の違う評価をしていたのは興味深かった。
上層部では、松下正治との折衝が裏にあったので気の毒と思われていたが、現場レベルでは”そんなこと知らんがな”状態なので新鮮な切り口であった。
森下寄りの考えだったからとも感じられた。
3冊を読んでいて共通していたのは、松下正治が経営の足を引っ張った要因の一つであったこと。
なぜ引っ張った?
それを考えると、松下幸之助が偉大すぎて、松下正治自体もプレッシャーに押しつぶされていた。
そして、松下幸之助が亡くなった後に、今までの抑え込みから解放されたの如く、経営に介入し始め、負のスパイラルに陥る。
結局のところ、パナソニックが松下幸之助の力で成長した代わりの大きな副作用だったと思われる。
これは、創業一族が有能でない、どこの企業でも起こり得る人間としての作用と思われる。
このような”歴史”で”いいところ”、”わるいところ”を踏まえて、如何にグローバルで社会貢献できるような会社になれるか期待したい。
例えば、”パナソニック人事抗争史”、”パナソニック・ショック”では森下時代の痛烈な経営批判・見通しの甘い方針・松下正治との関係性等、書かれていたが、当該書籍では、筆者はその当時、アメリカに在籍しており、かなり忙しかったらしく、その当時の森下政権の記載が一切無い。また森下信者と書かれているため、敢えてそこの経営評価・評判は記載しなかったように思われる。
また、現社長の津賀に対しては、筆者は2008年に退社しているのに、2012年以降の津賀の社長評価について、現場からの記載のように記している。
読んでいて時系列がわかりにくかった。
ただ、谷井に関しては、 ”パナソニック人事抗争史”、”パナソニック・ショック”では、正治との関わり合いで悲劇の社長みたいな立場として書かれていたが、当該書籍では、”副社長の佐久間がいなければ経営が難しい社長”という角度の違う評価をしていたのは興味深かった。
上層部では、松下正治との折衝が裏にあったので気の毒と思われていたが、現場レベルでは”そんなこと知らんがな”状態なので新鮮な切り口であった。
森下寄りの考えだったからとも感じられた。
3冊を読んでいて共通していたのは、松下正治が経営の足を引っ張った要因の一つであったこと。
なぜ引っ張った?
それを考えると、松下幸之助が偉大すぎて、松下正治自体もプレッシャーに押しつぶされていた。
そして、松下幸之助が亡くなった後に、今までの抑え込みから解放されたの如く、経営に介入し始め、負のスパイラルに陥る。
結局のところ、パナソニックが松下幸之助の力で成長した代わりの大きな副作用だったと思われる。
これは、創業一族が有能でない、どこの企業でも起こり得る人間としての作用と思われる。
このような”歴史”で”いいところ”、”わるいところ”を踏まえて、如何にグローバルで社会貢献できるような会社になれるか期待したい。
2016年11月23日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
これを読んで「パナソニック・ショック」を読むと10倍分かりやすいです。
単純に読み物としても読みやすかった。
単純に読み物としても読みやすかった。
2016年5月29日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
本書は決して「パナソニック社のV字回復の真実」について説明する本ではなく、人脈に恵まれた一人のサラリーマンの引退後の酒飲み話である。
同じ松下電器を題材とした『課長島耕作』から女性成分とスーパーマン成分と弘兼憲史の妄想成分を除いて現実成分を足したような感じ。
超大企業に身を置く中で目の当たりにしてきたリーダー達の動きや、トップ交代に合わせて変容する組織・人事制度の変遷やリストラ、そうした内部の事情が生々しく、同時にどこか余所余所しく語られている。
昨今、「成功する人の法則」みたいな本はいくつもあるが、そういった本の内容は往々にして「自分はどんな新しい切り口で道を切り開いてきた!」という華々しいストーリーの披露と自身の経営哲学に終始するものだが、本書はそういった方針を採らない。
著者はあくまでパナソニックという大企業の一社員(と言っても部長クラス)であり、視点は全体的に謙虚、謙虚&謙虚。
手の届く範囲の内部事情を、明かしても大丈夫なレベルで記述しているので、視点はやや上司寄りで創業家に対して敵愾心を見せるものの、概ね公平性を保っている。
これが、冒頭で「酒飲み話」と表現した所以である。
この書籍にカネを払う価値があるかといえば、有ると思う。
サラリーマンにとって、こんな後腐れない&面白い酒飲み話なんてそうそう聴ける機会は無いから。
同じ松下電器を題材とした『課長島耕作』から女性成分とスーパーマン成分と弘兼憲史の妄想成分を除いて現実成分を足したような感じ。
超大企業に身を置く中で目の当たりにしてきたリーダー達の動きや、トップ交代に合わせて変容する組織・人事制度の変遷やリストラ、そうした内部の事情が生々しく、同時にどこか余所余所しく語られている。
昨今、「成功する人の法則」みたいな本はいくつもあるが、そういった本の内容は往々にして「自分はどんな新しい切り口で道を切り開いてきた!」という華々しいストーリーの披露と自身の経営哲学に終始するものだが、本書はそういった方針を採らない。
著者はあくまでパナソニックという大企業の一社員(と言っても部長クラス)であり、視点は全体的に謙虚、謙虚&謙虚。
手の届く範囲の内部事情を、明かしても大丈夫なレベルで記述しているので、視点はやや上司寄りで創業家に対して敵愾心を見せるものの、概ね公平性を保っている。
これが、冒頭で「酒飲み話」と表現した所以である。
この書籍にカネを払う価値があるかといえば、有ると思う。
サラリーマンにとって、こんな後腐れない&面白い酒飲み話なんてそうそう聴ける機会は無いから。
2016年3月21日に日本でレビュー済み
パナソニックという会社が「人を作る会社であった」ということが、とてもよくわかりました。
文章も平易で読み易く、現場にいた著者だからこその前向きな、そして、愛のある内容に感動しました。
『一寸先は闇かもしれないが、光かもしれない』
『恐竜は尻尾に火がついても気が付かない』
『1頭のライオンに率いられた100匹の羊は、1匹の羊に率いられた100頭のライオンに勝る』
などの格言?古諺?が印象的です。
☆4つなのは、著者のアメリカでの活躍が割愛されていたからです。読んでみたいです。
文章も平易で読み易く、現場にいた著者だからこその前向きな、そして、愛のある内容に感動しました。
『一寸先は闇かもしれないが、光かもしれない』
『恐竜は尻尾に火がついても気が付かない』
『1頭のライオンに率いられた100匹の羊は、1匹の羊に率いられた100頭のライオンに勝る』
などの格言?古諺?が印象的です。
☆4つなのは、著者のアメリカでの活躍が割愛されていたからです。読んでみたいです。
2022年8月16日に日本でレビュー済み
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パナソニックの歴史やV字回復について知りたくて読んだが、消化不良のまま読了。
人物評が浅かったり、時々著者の仕事内容(それって本書の主旨なのか?)が入ったり。
V字回復の要因的なのも、一般的な理解を深めるほどの考察や裏話はこれといってなし。
Kindle Unlimitedで無料だったので、星は2つですが、お金出してたら星一つだったかな。。。
人物評が浅かったり、時々著者の仕事内容(それって本書の主旨なのか?)が入ったり。
V字回復の要因的なのも、一般的な理解を深めるほどの考察や裏話はこれといってなし。
Kindle Unlimitedで無料だったので、星は2つですが、お金出してたら星一つだったかな。。。