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九年前の祈り 単行本 – 2014/12/16
「彼女が水辺で、異次元に生きているかのようにも思われる息子と、突然に手をつなぐ。その電撃的な清冽さによって、この小説は尊い。」──朝日新聞・片山杜秀氏
「『現代』と『神話』の同居しているところに作品の愉悦がある」──毎日新聞・田中和生氏
「最も力のある作品」「悲しみに折れない人間の手応えが伝わってくる」──東京新聞・沼野充義氏
「すべてのものを飲み込んでしまうおおらかなたゆたいの中で、小さな粒を、一つのメルヘンとも呼べる澄んだ真珠に育て上げた。」──読売新聞・待田晋哉氏
など、各紙文芸時評で絶賛された傑作!
三十五になるさなえは、幼い息子の希敏をつれてこの海辺の小さな集落に戻ってきた。希敏の父、カナダ人のフレデリックは希敏が一歳になる頃、美しい顔立ちだけを息子に残し、母子の前から姿を消してしまったのだ。何かのスイッチが入ると引きちぎられたミミズのようにのたうちまわり大騒ぎする息子を持て余しながら、さなえが懐かしく思い出したのは、九年前の「みっちゃん姉」の言葉だった──。
九年の時を経て重なり合う二人の女性の思い。痛みと優しさに満ちた〈母と子〉の物語。
- 本の長さ221ページ
- 言語日本語
- 出版社講談社
- 発売日2014/12/16
- ISBN-104062192926
- ISBN-13978-4062192927
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商品の説明
著者について
1996年、新潮学生小説コンクールでデビュー。2001年、「水に埋もれる墓」で第12回朝日新人文学賞受賞。2002年、『にぎやかな湾に背負われた船』で第15回三島由紀夫賞受賞。2003年、「水死人の帰還」で第128回芥川龍之介賞候補。2008年、「マイクロバス」で第139回芥川龍之介賞候補。2013年、「獅子渡り鼻」で第148回芥川龍之介賞候補。同年、早稲田大学坪内逍遙大賞奨励賞を受賞し、『獅子渡り鼻』で第35回野間文芸新人賞候補。
2006年に東京大学教養学部助手、2007年に明治学院大学文学部専任講師に就任(現代フランス語圏文学)。2012年から朝日新聞書評委員。2013年准教授。2014年立教大学文学部文学科文芸・思想専修准教授。その他の著作に『森のはずれで』『線路と川と母のまじわるところ』『浦からマグノリアの庭へ』『夜よりも大きい』など多数。
登録情報
- 出版社 : 講談社 (2014/12/16)
- 発売日 : 2014/12/16
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 221ページ
- ISBN-10 : 4062192926
- ISBN-13 : 978-4062192927
- Amazon 売れ筋ランキング: - 284,164位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 81,867位文学・評論 (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
小野 正嗣(おの・まさつぐ)
大分県蒲江町(現佐伯市)出身。東京大学教養学部卒業。同大学院総合文化研究科言語情報科学専攻博士課程単位取得退学。マリーズ・コンデを論じた博士論文でパリ第8大学Ph.D。
1996年、新潮学生小説コンクールでデビュー。2001年、「水に埋もれる墓」で第12回朝日新人文学賞受賞。2002年、『にぎやかな湾に背負われた船』で第15回三島由紀夫賞受賞。同年、第一回東京大学総長賞受賞。2003年、「水死人の帰還」で第128回芥川龍之介賞候補。2008年、「マイクロバス」で第139回芥川龍之介賞候補。2013年、「獅子渡り鼻」で第148回芥川龍之介賞候補。同年、早稲田大学坪内逍遙大賞奨励賞を受賞し、『獅子渡り鼻』で第35回野間文芸新人賞候補。
2006年に東京大学教養学部助手、2007年に明治学院大学文学部専任講師に就任(現代フランス語圏文学)。2013年准教授。2014年立教大学文学部文学科文芸・思想専修准教授。その他の著作に『森のはずれで』『線路と川と母のまじわるところ』『浦からマグノリアの庭へ』『夜よりも大きい』など多数。本作『九年前の祈り』で第152回芥川賞受賞。
カスタマーレビュー
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イメージ付きのレビュー
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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登場人物たちの悩み・悲しみに溢れていて、楽しい点・くすっとする点は何もない。障害を持っていたり、重病だったりするからだろうか。読んでいて辛いし、希望があるのかどうかも、はっきりしない。
なぜか、石牟礼道子の『苦海浄土』を思い出した。九州という土地柄のせいか。
地方の小さなコミュニティの鬱滞した空気が嫌というほど伝わってきて逃げ出ていきたい思いの反面、
そんな中にふと安心というか共感できる人物の存在やその立ち振る舞いにじわりと涙が出た
でも私には難しくて重たい小説だった
この小説が描いているのは、女性二人の小さな日常です。二人は障害を持つ息子の母でもある。漁師町とあって人々の言葉はあけすけですが、決して悪意はなく、逆に暖かいとも言える。オブラートに包まない方言のやりとりの中で、若い母親が運命を抱きしめて成長していく。そんな風に読みました。
南蛮漬けではないですが、作品には西洋哲学に対する深い理解が感じられました。それを九州の漁村に暮らす女性の生き方にしみこませて、生きることの意味を描き出しています。方言の多用は読者へのハードルではありますが、「敬語が存在しない」浜の風土を語るためには欠かせないと感じました。
「分かろうとする人には、分かってもらえる」。そんな深味を持った小説です。
登場人物の描写が難解。
母の愛?わからない。