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夏草冬濤 (上) (新潮文庫) 文庫 – 1989/6/9
井上 靖
(著)
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自身の幼少年期を題材にした『しろばんば』に続き、中学時代を描く自伝的小説。
作品はこの後、『北の海』へ。
伊豆湯ケ島の小学校を終えた洪作は、ひとり三島の伯母の家に下宿して沼津の中学に通うことになった。洪作は幼時から軍医である父や家族と離れて育ち、どこかのんびりしたところのある自然児だったが、中学の自由な空気を知り、彼の成績はしだいに下がりはじめる。やがて洪作は、上級の不良がかった文学グループと交わるようになり、彼らの知恵や才気、放埒な行動に惹かれていく――。
著者の言葉
この沼津の生活で、よかれ悪しかれ私が得たものは、徹底的に学業を放擲して、遊び暮らすという、そうした状態に身をおいたことである。全く自由であった。私の精神も、肉体も、少しも痛めつけられるということはなかった。学校を休んでも誰も咎めなかったし、また土地柄、寒気や暑熱によって自分の体を訓練するということもなかった。毎日千本浜へ行って海へ向かって石を投げたり、歌を唄ったりして、少しでも気が向かなければすぐ学校を放擲するという、怠惰というか、自由というか、何ものにも拘束されない少年時代をおくったのであった。
(「私の自己形成史」)
下巻「解説」より
洪作は、読者にとって大きな模範ではない。病的な内向性も、耽美的傾向も、誇示的な要素も皆無である、多少気ままな生活はあったにせよ、ふつうの中学生であった作者の自己成長の一時期を、静かに、しかし、ある力強さをもって描いた清純な作品である。つまり特殊な教養小説ではなく、洪作は、読者の分身であるかもしれない。そんなふうな身近な青春前期の小説であるとおもう。
――小松伸六(評論家)
井上靖(1907-1991)
旭川市生れ。京都大学文学部哲学科卒業後、毎日新聞社に入社。戦後になって多くの小説を手掛け、1949(昭和24)年「闘牛」で芥川賞を受賞。1951年に退社して以降は、次々と名作を産み出す。「天平の甍」での芸術選奨(1957年)、「おろしや国酔夢譚」での日本文学大賞(1969年)、「孔子」での野間文芸賞(1989年)など受賞作多数。1976年文化勲章を受章した。
作品はこの後、『北の海』へ。
伊豆湯ケ島の小学校を終えた洪作は、ひとり三島の伯母の家に下宿して沼津の中学に通うことになった。洪作は幼時から軍医である父や家族と離れて育ち、どこかのんびりしたところのある自然児だったが、中学の自由な空気を知り、彼の成績はしだいに下がりはじめる。やがて洪作は、上級の不良がかった文学グループと交わるようになり、彼らの知恵や才気、放埒な行動に惹かれていく――。
著者の言葉
この沼津の生活で、よかれ悪しかれ私が得たものは、徹底的に学業を放擲して、遊び暮らすという、そうした状態に身をおいたことである。全く自由であった。私の精神も、肉体も、少しも痛めつけられるということはなかった。学校を休んでも誰も咎めなかったし、また土地柄、寒気や暑熱によって自分の体を訓練するということもなかった。毎日千本浜へ行って海へ向かって石を投げたり、歌を唄ったりして、少しでも気が向かなければすぐ学校を放擲するという、怠惰というか、自由というか、何ものにも拘束されない少年時代をおくったのであった。
(「私の自己形成史」)
下巻「解説」より
洪作は、読者にとって大きな模範ではない。病的な内向性も、耽美的傾向も、誇示的な要素も皆無である、多少気ままな生活はあったにせよ、ふつうの中学生であった作者の自己成長の一時期を、静かに、しかし、ある力強さをもって描いた清純な作品である。つまり特殊な教養小説ではなく、洪作は、読者の分身であるかもしれない。そんなふうな身近な青春前期の小説であるとおもう。
――小松伸六(評論家)
井上靖(1907-1991)
旭川市生れ。京都大学文学部哲学科卒業後、毎日新聞社に入社。戦後になって多くの小説を手掛け、1949(昭和24)年「闘牛」で芥川賞を受賞。1951年に退社して以降は、次々と名作を産み出す。「天平の甍」での芸術選奨(1957年)、「おろしや国酔夢譚」での日本文学大賞(1969年)、「孔子」での野間文芸賞(1989年)など受賞作多数。1976年文化勲章を受章した。
- 本の長さ496ページ
- 言語日本語
- 出版社新潮社
- 発売日1989/6/9
- 寸法14.8 x 10.5 x 2 cm
- ISBN-104101063338
- ISBN-13978-4101063331
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【新潮文庫】井上靖 作品 | ひとりの男の十三年間にわたる不倫の恋を、妻・愛人・愛人の娘の三通の手紙によって浮彫りにした「猟銃」、芥川賞の「闘牛」等、3編。〈芥川賞受賞〉 | 無数の宝典をその砂中に秘した辺境の要衝の町敦煌──西域に惹かれた一人の若者のあとを追いながら、中国の秘史を綴る歴史大作。〈毎日芸術賞受賞〉 | あすは檜になろうと念願しながら、永遠に檜にはなれない”あすなろ”の木に託し、幼年期から壮年までの感受性の劇を謳った長編。 | 知略縦横の軍師として信玄に仕える山本勘助が、秘かに慕う信玄の側室由布姫。風林火山の旗のもと、川中島の合戦は目前に迫る……。 | 前穂高に挑んだ小坂乙彦は、切れるはずのないザイルが切れて墜死した──恋愛と男同士の友情がドラマチックにくり広げられる長編。 | 天平の昔、荒れ狂う大海を越えて唐に留学した五人の若い僧──鑒真来朝を中心に歴史の大きなうねりに巻きこまれる人間を描く名作。〈芸術選奨受賞〉 |
蒼き狼 | 楼蘭 | 風濤 | 額田女王 | 後白河院 | 幼き日のこと・青春放浪 | |
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全蒙古を統一し、ヨーロッパへの大遠征をも企てたアジアの英雄チンギスカン。闘争に明け暮れた彼のあくなき征服欲の秘密を探る。 | 朔風吹き荒れ流砂舞う中国の辺境西域──その湖のほとりに忽然と消え去った一小国の運命を探る「楼蘭」等12編を収めた歴史小説。 | 朝鮮半島を蹂躙してはるかに日本をうかがう強大国元の帝フビライ。その強力な膝下に隠忍する高麗の苦難の歴史を重厚な筆に描く。〈読売文学賞受賞〉 | 天智、天武両帝の愛をうけ、”紫草(むらさき)のにほへる妹(いも)”とうたわれた万葉随一の才媛、額田女王の劇的な生涯を綴り、古代人の心を探る。 | 武門・公卿の覇権争いが激化した平安末期に、権謀術数を駆使し政治を巧みに操り続けた後白河院。側近が語るその謎多き肖像とは。 | 血のつながらない祖母と過した幼年時代──なつかしい昔を愛惜の念をこめて描く「幼き日のこと」他、「青春放浪」「私の自己形成史」。 |
孔子 | しろばんば | 夏草冬濤〔上〕 | 夏草冬濤〔下〕 | 北の海〔上〕 | 北の海〔下〕 | |
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戦乱の春秋末期に生きた孔子の人間像を描く。現代にも通ずる「乱世を生きる知恵」を提示した著者最後の歴史長編。〈野間文芸賞受賞〉 | 野草の匂いと陽光のみなぎる、伊豆湯ヶ島の自然のなかで幼い魂はいかに成長していったか。著者自身の少年時代を描いた自伝小説。 | 両親と離れて暮す洪作が友達や上級生との友情の中で明るく成長する青春の姿を体験をもとに描く、『しろばんば』につづく自伝的長編。 | 高校受験に失敗しながら勉強もせず、柔道の稽古に明け暮れた青春の日々──若き日の自由奔放な生活を鎮魂の思いをこめて描く長編。 |
登録情報
- 出版社 : 新潮社; 改版 (1989/6/9)
- 発売日 : 1989/6/9
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 496ページ
- ISBN-10 : 4101063338
- ISBN-13 : 978-4101063331
- 寸法 : 14.8 x 10.5 x 2 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 169,311位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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著者について
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(1907-1991)旭川市生れ。
京都大学文学部哲学科卒業後、毎日新聞社に入社。戦後になって多くの小説を手掛け、1949(昭和24)年「闘牛」で芥川賞を受賞。1951年に退社して以降は、次々と名作を産み出す。
「天平の甍」での芸術選奨(1957年)、「おろしや国酔夢譚」での日本文学大賞(1969年)、「孔子」での野間文芸賞(1989年)など受賞作多数。1976年文化勲章を受章した。
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2021年5月21日に日本でレビュー済み
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良き時代の風景
2020年2月28日に日本でレビュー済み
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「しろばんば」に続いて読んでみました。中学生になっても親元を離れて暮らす主人公にちょっと同情しますが、
そんな境遇にもめげずいかにも子供らしく(今の中学生と比べると幼いと思います)明るく生きていることがよくわかるように、日常が詳細に書かれていて楽しいです。
上巻だけしか買わなかったので下巻も読みたいと思いました。
そんな境遇にもめげずいかにも子供らしく(今の中学生と比べると幼いと思います)明るく生きていることがよくわかるように、日常が詳細に書かれていて楽しいです。
上巻だけしか買わなかったので下巻も読みたいと思いました。
2020年7月22日に日本でレビュー済み
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井上靖の伝記小説です。もうどちらもだいぶ以前に読んで、いい印象を受けました。
著者は、その小説の中に出てくる青年、金江(本人は金井)他二人から、影響を受け、この本が書かれている。金井さんは私の耳鼻科の先生でした。先生とは文学の話、無産者運動の話、井上靖の話(沼津中学での同僚)そして昔の沼津市が出てきました。再読したいので求めました。
著者は、その小説の中に出てくる青年、金江(本人は金井)他二人から、影響を受け、この本が書かれている。金井さんは私の耳鼻科の先生でした。先生とは文学の話、無産者運動の話、井上靖の話(沼津中学での同僚)そして昔の沼津市が出てきました。再読したいので求めました。
2014年12月17日に日本でレビュー済み
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「しろばんば」「北の海」と共に、中学時代から何度も読み返した本。
この夏草冬濤は沼津・三島での旧制中学時代を描いたもの。
自由な若さに満ちていて、読む度に元気をくれます。
大切にしてきた文庫本が既に色あせて読みにくくなってきたので、キンドル化はとてもありがたいです!
この夏草冬濤は沼津・三島での旧制中学時代を描いたもの。
自由な若さに満ちていて、読む度に元気をくれます。
大切にしてきた文庫本が既に色あせて読みにくくなってきたので、キンドル化はとてもありがたいです!
2018年1月31日に日本でレビュー済み
読了:2017年144冊(11月8冊)★3.4
『夏草冬涛 (上) (新潮文庫)』1989/6/9、井上 靖 (著)
題名からはよくわからなかったが、以前読んだ『しろばんば』の続編だった。嬉しい。洪作も中学三年生になっていた。考え方や行動もどこか歳を重ねた感じがする。井上靖がすごいと思うのは、彼らの細かな感情を再現、想像できることである。これは才能だ。今回思ったのは、洪作くらいの少年の持つ「依怙地」だ。私も頑固な性格(と言われる)なので、洪作の気持ちがよくわかる。また、本作でも大人の持つ「皮肉さ」がたっぷりである。洪作はそれに辟易しているが、それがどこか昔の時代の懐かしさや温かさを感じる。下巻も期待である。
『夏草冬涛 (上) (新潮文庫)』1989/6/9、井上 靖 (著)
題名からはよくわからなかったが、以前読んだ『しろばんば』の続編だった。嬉しい。洪作も中学三年生になっていた。考え方や行動もどこか歳を重ねた感じがする。井上靖がすごいと思うのは、彼らの細かな感情を再現、想像できることである。これは才能だ。今回思ったのは、洪作くらいの少年の持つ「依怙地」だ。私も頑固な性格(と言われる)なので、洪作の気持ちがよくわかる。また、本作でも大人の持つ「皮肉さ」がたっぷりである。洪作はそれに辟易しているが、それがどこか昔の時代の懐かしさや温かさを感じる。下巻も期待である。
2016年4月23日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
「しろばんば」に感動し、続きが読みたくて購入しました。主人公の、成長していく様子を、見守るような気持ちで読みました。
2020年8月16日に日本でレビュー済み
自伝的小説の第一部である「しろばんば」は大好きな小説で、何度も読み返しているほどなのですが、第二部であるこの「夏草冬濤」は、描かれている時代が(旧制)中学生時代ということと、不良グループと交際する話らしいので、あまり面白そうではないかと敬遠して、今まで読んでいませんでした。
ですが読んで見ると、書かれている内容はどうということのない話が多いのですが、井上靖特有のユーモアがある文章で、その内容にも引き込まれてかなりの長編も苦にならずに読み切ってしまいました。もっと早く読めばよかったです。
描かれている時代は旧制中学時代の中でも、浜松中学で過ごした中一のときのことはまったく省略されており、二年で転校してきた沼津中学での二度目の夏休み(中三のとき)から、中学四年の五月頃の友人との西伊豆への小旅行の様子までの一年弱の期間となっています。
この五月の旅行の直前に主人公の洪作は、それまで住んでいた三島の親戚の家から沼津の妙高寺という寺に住む場所を移しています。
このお寺での生活については小説「あすなろ物語」の中の「寒月がかかれば」にも描かれてますが、寺の住職の娘とのやり取りが興味深く楽しみにしていたのですが、その娘との話はこの小説でも引っ越しが決まるまでの過程での話が多少出てくるものの、洪作が寺に住んで以降の話は出てこないのが残念でした。
また三島に住んでいて沼津の中学に通うということで、「しろばんば」にも出てくる沼津のかみきの家に住む母方の親せきの美人姉妹である、蘭子とれい子とのやり取りも楽しみに読みましたが、こちらも一度かみきの家を訪ねる話と、通学の途中で蘭子たち女学校の生徒とすれ違う話などが出てくるだけでした。
「しろばんば」ではきっちり小学校卒業までが描かれましたが、「夏草冬濤」で描かれた中学時代の期間はせっかく長編小説である割にはちょっと中途半端な気もします。といってもこれはこれでとても面白い話なのですが。
世間一般の人たちからみれば不良と考えられている金枝・藤尾・木部・餅田の4人と付き合い出した洪作ですが、この小説を読んでみればそれまで付き合っていたおとなしい小林・増田といった友人に比べて、金枝達4人が魅力的に映る気持ちもよくわかります。
小林たちがいかにも子供であるのに対して、金枝や藤尾は大人であるし,詩や外国の文学などいろいろことに興味を持っており、一緒にいてとても刺激を受ける存在です。
洪作が学校の成績が落ちたせいでお寺に預けられると聞いた4人は、4人が4人とも「凄い。」「いいなあ。」と羨ましがります。堅苦しいお寺の生活など敬遠するのが普通だと思いますが、お寺に住めることが面白くて素晴らしい経験だと考えるところが、彼ら4人の常識にとらわれない魅力なのだと思いました。
洪作が4人と付き合う気になった気持ちについて、その4人の中で4年の級長をしていて優等生でもある金枝が洪作のことを称して、孤独を知らない人間だと良い意味で言うくだりでの次の言葉が、とてもよく言い表していると思います。
「めそめそしたところはないし、諦めはいいし、友達次第で模範生にもなれるし、不良にもなれる。明るいし、どんな大胆なことだって平気でやってのけるよ。俺たちの仲間ではお前だけが違っているよ。」
ですが読んで見ると、書かれている内容はどうということのない話が多いのですが、井上靖特有のユーモアがある文章で、その内容にも引き込まれてかなりの長編も苦にならずに読み切ってしまいました。もっと早く読めばよかったです。
描かれている時代は旧制中学時代の中でも、浜松中学で過ごした中一のときのことはまったく省略されており、二年で転校してきた沼津中学での二度目の夏休み(中三のとき)から、中学四年の五月頃の友人との西伊豆への小旅行の様子までの一年弱の期間となっています。
この五月の旅行の直前に主人公の洪作は、それまで住んでいた三島の親戚の家から沼津の妙高寺という寺に住む場所を移しています。
このお寺での生活については小説「あすなろ物語」の中の「寒月がかかれば」にも描かれてますが、寺の住職の娘とのやり取りが興味深く楽しみにしていたのですが、その娘との話はこの小説でも引っ越しが決まるまでの過程での話が多少出てくるものの、洪作が寺に住んで以降の話は出てこないのが残念でした。
また三島に住んでいて沼津の中学に通うということで、「しろばんば」にも出てくる沼津のかみきの家に住む母方の親せきの美人姉妹である、蘭子とれい子とのやり取りも楽しみに読みましたが、こちらも一度かみきの家を訪ねる話と、通学の途中で蘭子たち女学校の生徒とすれ違う話などが出てくるだけでした。
「しろばんば」ではきっちり小学校卒業までが描かれましたが、「夏草冬濤」で描かれた中学時代の期間はせっかく長編小説である割にはちょっと中途半端な気もします。といってもこれはこれでとても面白い話なのですが。
世間一般の人たちからみれば不良と考えられている金枝・藤尾・木部・餅田の4人と付き合い出した洪作ですが、この小説を読んでみればそれまで付き合っていたおとなしい小林・増田といった友人に比べて、金枝達4人が魅力的に映る気持ちもよくわかります。
小林たちがいかにも子供であるのに対して、金枝や藤尾は大人であるし,詩や外国の文学などいろいろことに興味を持っており、一緒にいてとても刺激を受ける存在です。
洪作が学校の成績が落ちたせいでお寺に預けられると聞いた4人は、4人が4人とも「凄い。」「いいなあ。」と羨ましがります。堅苦しいお寺の生活など敬遠するのが普通だと思いますが、お寺に住めることが面白くて素晴らしい経験だと考えるところが、彼ら4人の常識にとらわれない魅力なのだと思いました。
洪作が4人と付き合う気になった気持ちについて、その4人の中で4年の級長をしていて優等生でもある金枝が洪作のことを称して、孤独を知らない人間だと良い意味で言うくだりでの次の言葉が、とてもよく言い表していると思います。
「めそめそしたところはないし、諦めはいいし、友達次第で模範生にもなれるし、不良にもなれる。明るいし、どんな大胆なことだって平気でやってのけるよ。俺たちの仲間ではお前だけが違っているよ。」