竹井正樹先生がイラスト担当ということで興味を惹かれて読んでみました。
内容としては、と○メモのVRモノと言う感じかな。
攻略対象の5人の女子キャラも本物の女子がプレイヤーとなっていて
彼女らを攻略しないと彼女らは目をさますことが出来ず死んでしまうので、攻略して一人ずつ助けようという話。
ゲームの中を自由に動けるわけではなく、あくまでゲームとしてコマンド選択で進めていくところや、自由に喋ったり出来ないところが面白い。
まあ、1巻で完結するので、駆け足で話が進むし、突っ込みどころも多い作品だけど、サクッと読めるし、そのサクッと読める軽い感じが良かったと思います。
竹井正樹先生のイラストに興味を持ち、と○メモ世代の方にはニヤリさせるネタも多いので楽しめる思います。
Kindle 価格: | ¥550 (税込) |
獲得ポイント: | 6ポイント (1%) |
を購読しました。 続刊の配信が可能になってから24時間以内に予約注文します。最新刊がリリースされると、予約注文期間中に利用可能な最低価格がデフォルトで設定している支払い方法に請求されます。
「メンバーシップおよび購読」で、支払い方法や端末の更新、続刊のスキップやキャンセルができます。
エラーが発生しました。 エラーのため、お客様の定期購読を処理できませんでした。更新してもう一度やり直してください。

無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません。
ウェブ版Kindleなら、お使いのブラウザですぐにお読みいただけます。
携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。
絶対にラブコメしてはいけない学園生活24時 (講談社ラノベ文庫) Kindle版
風紀委員の佐倉さんから預かった謎のゲームソフト。それは現実世界の同級生たちを使った恋愛シミュレーションゲームだった! 行方不明や登校不可能となった同級生たちの全員の恋愛攻略フラグをたて、現実世界にみんなを返さないといけない。制限時間は残りわずか。しかもセーブ回数はどんどん減って、ムダな選択肢は増えていくばかり。あなたが迎えるのは真の愛を見つけるトゥルーエンドか、それとも全員死亡のバッドエンドか!?
- 言語日本語
- 出版社講談社
- 発売日2016/7/1
- ファイルサイズ41927 KB
この本はファイルサイズが大きいため、ダウンロードに時間がかかる場合があります。Kindle端末では、この本を3G接続でダウンロードすることができませんので、Wi-Fiネットワークをご利用ください。
この著者の人気タイトル
ページ 1 以下のうち 1 最初から観るページ 1 以下のうち 1
登録情報
- ASIN : B01I1CJ77U
- 出版社 : 講談社 (2016/7/1)
- 発売日 : 2016/7/1
- 言語 : 日本語
- ファイルサイズ : 41927 KB
- Text-to-Speech(テキスト読み上げ機能) : 有効
- X-Ray : 有効にされていません
- Word Wise : 有効にされていません
- 付箋メモ : Kindle Scribeで
- 本の長さ : 261ページ
- Amazon 売れ筋ランキング: - 398,179位Kindleストア (Kindleストアの売れ筋ランキングを見る)
- - 586位講談社ラノベ文庫
- - 40,057位ライトノベル (Kindleストア)
- カスタマーレビュー:
著者について
著者をフォローして、新作のアップデートや改善されたおすすめを入手してください。

著者の本をもっと発見したり、よく似た著者を見つけたり、著者のブログを読んだりしましょう
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2016年7月3日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
富士見ファンタジア文庫で個性的なヒロインが登場するラブコメを発表してきた長岡マキ子さんが
講談社ラノベ文庫で新作を発表されると聞いて一も二も無く手に取ったが…表紙を見て「???」となった
…この16色っぽいのっぺりした色合い、98時代のギャルゲそのまんまな古めかしいキャラデザ。
こ、これは………竹井正樹やんけっっっ!!
10年以上名前を聞かなかった「同級生」などで20年前が全盛期のギャルゲ絵師を2016年のラノベに起用するとは!
あまりに大胆なイラストレーターき様に思わず脳内で「デデーン!アウトォーーーー!!」の声を響かせながら拝読
物語は主人公の高校生・鈴瀬ユートがある日の放課後、風紀委員のクラスメイトでクラス一の美少女と名高い
佐倉凛音から「調べて欲しい物があるんだ」と白いラベルのDVDディスクを渡される場面から始まる。
保健室で持ち物検査をした際に没収したそれが娯楽品持ち込みを禁止した校則に違反しているパソコンゲームではないか、と
凛音は疑っているのだが機会が苦手な為、中身が調べられないらしい。
理系だという事で目を付けられたユートだったが普段口を聞く事も出来ないまま
こっそり憧れていた凛音に頼まれごとをされた事に舞い上がり、引き受ける事に。
向かったパソコンルームで凛音に何故自分に頼んだのかと尋ねるユートだったが、
凛音は雰囲気や喋り方が自分の兄に似ているから、と意外な理由を挙げる。
今ではすっかりニートと化し母親に部屋まで食事を運ばせているダメ人間と化した凛音の兄だったが、
昔の兄に似ているユートに対し凛音は同じクラスになってから話が出来ないかと思いながら
切っ掛けが掴めなかったらしい。
事情を説明した凛音だったが
「わ、私はブラコンじゃなくて、お兄ちゃんは切っ掛けで、鈴瀬くんは鈴瀬くんとして、
一人の男の人として、ちゃんと好きになって……」と誤解を解こうと焦った事で口を滑らせてしまう。
「それ、マジ?」と尋ねるユートに対してもはや物も言えず真っ赤な顔で頷く凛音に対し
自分も想いを寄せていたと言おうとした瞬間、パソコンが立ちあがる。
それらしきファイルをクリックすると表示されたのは「絶対ラブコメ学園」という
ダサいタイトルロゴが黒一色の背景に浮かぶ素人臭いゲーム画面。
何も選択する部分が無いその画面から先に進めないのでユートに頼んだという凛音は
一緒に没収したこれが関係あるのかな?といかついゴーグルを取りだす。
3Dゲームのヘッドギアっぽいそれを装着してみたユートだったが、
先ほどは何も選択する部分が無かった画面にボタンが現れているのに気付く。
これがゲームだと確認できたのは良いが凛音は6時から緊急のミーティングが入っており、
その為のレジュメを家に置き忘れたので取りに戻りたいのだと話す。
何でも先週から数人の生徒や教員が不登校になっており、
中には隣のクラスのバスケ少女・桐野来花までが部屋で一週間も寝込んでしまっているらしい。
その対策の為のミーティングに出席するという凛音は立ち去り、
残されたユートは「リアルモード」を選択してゲームを開始するが
「プレイ中はご自身の安全の為に絶対に電源を落とさないでください」という
奇妙なメッセージが表示されるやいなや閃光がまたたき、反射的に目を閉じるが
再び目を開いたとき、ユートは学校の正門前に立っていた。
超リアルなゲーム世界に感動するユートだったが
鳴り響くチャイムとともに遅刻しそうな女生徒にぶつかられそうになる。
よく見れば相手は不登校になっているバスケ少女・桐野来花。
何故か同じクラスになっている来花と教室に潜り込んだユートが目にしたのは
非常勤の養護教諭である筈の水城先生が担任になっている不思議な光景であった。
呆気に取られているユートに隣の席の真締一徹なる男子生徒が話しかけてくるが、
真締は普通のプレーに飽きて脇役プレーに移行したらしい。
こんな凄いゲームが何で知られていないのかと聞くユートに対して
電源が落ちると脳死するというとんでもない危険性を持っている事を告げる真締。
しかもヒロインモードでプレーしている女の子は主人公がトゥルーエンドを迎えるまで
現実世界に戻れないらしい。
桐野の不登校の理由にようやく気付き「助けないと」と決意するユートだったが、
消灯時間で校舎の電源が落とされる事を思い出し
自分には脳死まで三時間しか猶予が与えられない事に気付く。
時間が全く無い中で、ユートは全ヒロインの攻略という無謀なゲームに挑む事になるが…
「イラストレーター・竹井正樹」の理由はこれか…
主人公がヒロインを目の前にして会話や行動の選択肢をチョイスし、
ヒロインと結ばれるトゥルーエンドを目指す、モロに「同級生」とか「ときめきメモリアル」みたいな
90年代初期の20年以上前のベタなギャルゲーをそのままVRゲームに反映させた様な世界から
主人公が脱出を目指す物語とは…
最近のラノベでVRゲームものといったらファンタジー系RPGばっかりなのでこれはちょっと意外だった
(イラストがモロに90年代なのは御愛嬌。
というか巻頭カラーの色使いとか完全にその「90年代ギャルゲーっぽさ」を狙っている節がある)
物語の方は電源が落ちるとプレイヤーが脳死するというとんでもないゲームを始めてしまった
主人公のユートが「ヒロインである自分を攻略してくれないと現実世界に戻れない」という
これまたとんでもない状況に陥ったヒロインたちを助けつつ=攻略しつつ、
この危険極まりないゲームを誰が作り、何の為にバラまいたのかという謎に挑む過程が描かれている。
攻略対象は美術部部長の先輩・葉山撫子、
現実世界では養護教諭の筈なのに何故か担任になっている水城先生、
バスケ部所属のスポーツ少女・桐野来花、
ゲーム開始二週間後に転校してくるが何故かユートに対して最初から攻撃的な枡田美零
そしてゲーム内では何故か中学生でユートの妹兼セーブ・ロード担当の佐倉凛音という五人のヒロイン
驚いた事に、本作は単巻完結なのである。
この手の「女の子がたくさん出てくるハーレム系作品」なんてダラダラ続くのが普通の
昨今のラノベ界を考えるとこれは相当に大胆な作品と言えよう。
基本的には連作短編形式で一章=一ルートという感じでヒロインを攻略していくのだけど、
そのルート内で攻略の対象となるゲームキャラと化したヒロインの
現実世界で抱えている問題が描かれ、
ユートが彼女たちを攻略していく過程でその問題を解決していく、という展開を描く事で
物事が単純にゲーム内で終わらず、現実世界へとリンクされていく様子を描く事で
短くまとめられた各ルートの話に深みが感じられた
序盤で攻略する2ルートは美術部長の葉山先輩、養護教諭の水城先生と
二人とも年上なのだけど割と好感度低めの状態から始まる割に、これが何というか実にチョロいのである。
特に二話のメインヒロイン・水城先生なんか合気道の達人で大型バイクを乗りこなす気の強い女性であり、
その魅惑のボディに我慢しきれず「セーブしてあるから大丈夫だ」とバイクに二ケツした途端、
後ろから胸を鷲掴みにするなどイケない事をするユートをボコボコにしまくるのに
面と向かって「好きです」と迫り続けただけであっさりと落ちるって…
しかも半落ちの状態で迎えた授業中に人工呼吸のレッスンを始めてユートを指名するってwww
うん、なんというか実にギャルゲー感丸出しですな。
ただ、このギャルゲー臭さがあるからゲームから解放されたあとの素の顔で見せる
ユートへの自然な好意との間に落差が産まれて二度楽しませてくれる仕掛けはなかなか良かった。
三話のメインヒロイン、桐野さんのヤンデレっぷりで散々ユートをビビらせまくった上で
攻略後に見せる「スポーツマンに期待されるサバサバした性格」が重荷になっている女の子の悩みなんて
非常にリアルで、等身大のそこらにいる女子高生が悩みとして抱えていてもおかしくない、
と思わされるほどに長岡マキ子のキャラ造形の巧さが光っていた。
この一見して男性作家が書いていそうなギャルゲーっぽさを感じさせつつ、
リアルな女の子の素顔を描ける辺りが女性作家ならではの強みかと
もう一つ女性作家らしさを感じさせるのが本当に序盤で「本命ヒロイン」は凛音であると明確にさせて、
その上で主人公に「自分が本当にお付き合いしたいのは凛音なんだ」と意識して行動させる事で、
「誰が本命か分からない」という典型的なラブコメがダレる原因を最初から除去し、
話がコンパクトに収まる様にしてある点かと。
特に終盤でこのゲームの真相に関わるヒロイン・枡田美零は
主人公のユートに対して複雑な感情を持っているのだけど、
ユートの行動理由をシンプルにしてある事でダラダラした展開にならず、
一気にクライマックスへと突き進める構成にしていたのは上手かった
単巻完結の作品に五人もヒロインを登場させたら
一人一人を掘り下げる事すら出来ないだろうと不安になったが、
ゲーム世界と現実世界の落差を付け、
冒頭で誰がユートにとってのメインヒロインであるかを明確にした事で、
スピーディーに展開しつつ十分なキャラクターを掘り下げるという
かなり難しい芸当を成し遂げたのは見事。
富士見ファンタジアではデビュー作以降パッとしない感じが続いて
不遇だった長岡マキ子がストーリー作りの巧さを活かして創り上げた
単巻完結作品のお手本とでも言うべき一冊。
お勧めです。
講談社ラノベ文庫で新作を発表されると聞いて一も二も無く手に取ったが…表紙を見て「???」となった
…この16色っぽいのっぺりした色合い、98時代のギャルゲそのまんまな古めかしいキャラデザ。
こ、これは………竹井正樹やんけっっっ!!
10年以上名前を聞かなかった「同級生」などで20年前が全盛期のギャルゲ絵師を2016年のラノベに起用するとは!
あまりに大胆なイラストレーターき様に思わず脳内で「デデーン!アウトォーーーー!!」の声を響かせながら拝読
物語は主人公の高校生・鈴瀬ユートがある日の放課後、風紀委員のクラスメイトでクラス一の美少女と名高い
佐倉凛音から「調べて欲しい物があるんだ」と白いラベルのDVDディスクを渡される場面から始まる。
保健室で持ち物検査をした際に没収したそれが娯楽品持ち込みを禁止した校則に違反しているパソコンゲームではないか、と
凛音は疑っているのだが機会が苦手な為、中身が調べられないらしい。
理系だという事で目を付けられたユートだったが普段口を聞く事も出来ないまま
こっそり憧れていた凛音に頼まれごとをされた事に舞い上がり、引き受ける事に。
向かったパソコンルームで凛音に何故自分に頼んだのかと尋ねるユートだったが、
凛音は雰囲気や喋り方が自分の兄に似ているから、と意外な理由を挙げる。
今ではすっかりニートと化し母親に部屋まで食事を運ばせているダメ人間と化した凛音の兄だったが、
昔の兄に似ているユートに対し凛音は同じクラスになってから話が出来ないかと思いながら
切っ掛けが掴めなかったらしい。
事情を説明した凛音だったが
「わ、私はブラコンじゃなくて、お兄ちゃんは切っ掛けで、鈴瀬くんは鈴瀬くんとして、
一人の男の人として、ちゃんと好きになって……」と誤解を解こうと焦った事で口を滑らせてしまう。
「それ、マジ?」と尋ねるユートに対してもはや物も言えず真っ赤な顔で頷く凛音に対し
自分も想いを寄せていたと言おうとした瞬間、パソコンが立ちあがる。
それらしきファイルをクリックすると表示されたのは「絶対ラブコメ学園」という
ダサいタイトルロゴが黒一色の背景に浮かぶ素人臭いゲーム画面。
何も選択する部分が無いその画面から先に進めないのでユートに頼んだという凛音は
一緒に没収したこれが関係あるのかな?といかついゴーグルを取りだす。
3Dゲームのヘッドギアっぽいそれを装着してみたユートだったが、
先ほどは何も選択する部分が無かった画面にボタンが現れているのに気付く。
これがゲームだと確認できたのは良いが凛音は6時から緊急のミーティングが入っており、
その為のレジュメを家に置き忘れたので取りに戻りたいのだと話す。
何でも先週から数人の生徒や教員が不登校になっており、
中には隣のクラスのバスケ少女・桐野来花までが部屋で一週間も寝込んでしまっているらしい。
その対策の為のミーティングに出席するという凛音は立ち去り、
残されたユートは「リアルモード」を選択してゲームを開始するが
「プレイ中はご自身の安全の為に絶対に電源を落とさないでください」という
奇妙なメッセージが表示されるやいなや閃光がまたたき、反射的に目を閉じるが
再び目を開いたとき、ユートは学校の正門前に立っていた。
超リアルなゲーム世界に感動するユートだったが
鳴り響くチャイムとともに遅刻しそうな女生徒にぶつかられそうになる。
よく見れば相手は不登校になっているバスケ少女・桐野来花。
何故か同じクラスになっている来花と教室に潜り込んだユートが目にしたのは
非常勤の養護教諭である筈の水城先生が担任になっている不思議な光景であった。
呆気に取られているユートに隣の席の真締一徹なる男子生徒が話しかけてくるが、
真締は普通のプレーに飽きて脇役プレーに移行したらしい。
こんな凄いゲームが何で知られていないのかと聞くユートに対して
電源が落ちると脳死するというとんでもない危険性を持っている事を告げる真締。
しかもヒロインモードでプレーしている女の子は主人公がトゥルーエンドを迎えるまで
現実世界に戻れないらしい。
桐野の不登校の理由にようやく気付き「助けないと」と決意するユートだったが、
消灯時間で校舎の電源が落とされる事を思い出し
自分には脳死まで三時間しか猶予が与えられない事に気付く。
時間が全く無い中で、ユートは全ヒロインの攻略という無謀なゲームに挑む事になるが…
「イラストレーター・竹井正樹」の理由はこれか…
主人公がヒロインを目の前にして会話や行動の選択肢をチョイスし、
ヒロインと結ばれるトゥルーエンドを目指す、モロに「同級生」とか「ときめきメモリアル」みたいな
90年代初期の20年以上前のベタなギャルゲーをそのままVRゲームに反映させた様な世界から
主人公が脱出を目指す物語とは…
最近のラノベでVRゲームものといったらファンタジー系RPGばっかりなのでこれはちょっと意外だった
(イラストがモロに90年代なのは御愛嬌。
というか巻頭カラーの色使いとか完全にその「90年代ギャルゲーっぽさ」を狙っている節がある)
物語の方は電源が落ちるとプレイヤーが脳死するというとんでもないゲームを始めてしまった
主人公のユートが「ヒロインである自分を攻略してくれないと現実世界に戻れない」という
これまたとんでもない状況に陥ったヒロインたちを助けつつ=攻略しつつ、
この危険極まりないゲームを誰が作り、何の為にバラまいたのかという謎に挑む過程が描かれている。
攻略対象は美術部部長の先輩・葉山撫子、
現実世界では養護教諭の筈なのに何故か担任になっている水城先生、
バスケ部所属のスポーツ少女・桐野来花、
ゲーム開始二週間後に転校してくるが何故かユートに対して最初から攻撃的な枡田美零
そしてゲーム内では何故か中学生でユートの妹兼セーブ・ロード担当の佐倉凛音という五人のヒロイン
驚いた事に、本作は単巻完結なのである。
この手の「女の子がたくさん出てくるハーレム系作品」なんてダラダラ続くのが普通の
昨今のラノベ界を考えるとこれは相当に大胆な作品と言えよう。
基本的には連作短編形式で一章=一ルートという感じでヒロインを攻略していくのだけど、
そのルート内で攻略の対象となるゲームキャラと化したヒロインの
現実世界で抱えている問題が描かれ、
ユートが彼女たちを攻略していく過程でその問題を解決していく、という展開を描く事で
物事が単純にゲーム内で終わらず、現実世界へとリンクされていく様子を描く事で
短くまとめられた各ルートの話に深みが感じられた
序盤で攻略する2ルートは美術部長の葉山先輩、養護教諭の水城先生と
二人とも年上なのだけど割と好感度低めの状態から始まる割に、これが何というか実にチョロいのである。
特に二話のメインヒロイン・水城先生なんか合気道の達人で大型バイクを乗りこなす気の強い女性であり、
その魅惑のボディに我慢しきれず「セーブしてあるから大丈夫だ」とバイクに二ケツした途端、
後ろから胸を鷲掴みにするなどイケない事をするユートをボコボコにしまくるのに
面と向かって「好きです」と迫り続けただけであっさりと落ちるって…
しかも半落ちの状態で迎えた授業中に人工呼吸のレッスンを始めてユートを指名するってwww
うん、なんというか実にギャルゲー感丸出しですな。
ただ、このギャルゲー臭さがあるからゲームから解放されたあとの素の顔で見せる
ユートへの自然な好意との間に落差が産まれて二度楽しませてくれる仕掛けはなかなか良かった。
三話のメインヒロイン、桐野さんのヤンデレっぷりで散々ユートをビビらせまくった上で
攻略後に見せる「スポーツマンに期待されるサバサバした性格」が重荷になっている女の子の悩みなんて
非常にリアルで、等身大のそこらにいる女子高生が悩みとして抱えていてもおかしくない、
と思わされるほどに長岡マキ子のキャラ造形の巧さが光っていた。
この一見して男性作家が書いていそうなギャルゲーっぽさを感じさせつつ、
リアルな女の子の素顔を描ける辺りが女性作家ならではの強みかと
もう一つ女性作家らしさを感じさせるのが本当に序盤で「本命ヒロイン」は凛音であると明確にさせて、
その上で主人公に「自分が本当にお付き合いしたいのは凛音なんだ」と意識して行動させる事で、
「誰が本命か分からない」という典型的なラブコメがダレる原因を最初から除去し、
話がコンパクトに収まる様にしてある点かと。
特に終盤でこのゲームの真相に関わるヒロイン・枡田美零は
主人公のユートに対して複雑な感情を持っているのだけど、
ユートの行動理由をシンプルにしてある事でダラダラした展開にならず、
一気にクライマックスへと突き進める構成にしていたのは上手かった
単巻完結の作品に五人もヒロインを登場させたら
一人一人を掘り下げる事すら出来ないだろうと不安になったが、
ゲーム世界と現実世界の落差を付け、
冒頭で誰がユートにとってのメインヒロインであるかを明確にした事で、
スピーディーに展開しつつ十分なキャラクターを掘り下げるという
かなり難しい芸当を成し遂げたのは見事。
富士見ファンタジアではデビュー作以降パッとしない感じが続いて
不遇だった長岡マキ子がストーリー作りの巧さを活かして創り上げた
単巻完結作品のお手本とでも言うべき一冊。
お勧めです。
2016年7月21日に日本でレビュー済み
主人公と4人の女性が突然ゲーム世界に閉じこめられ、主人公が攻略した相手は世界から脱出することができるが、主人公が3時間以内に脱出できないと脳死してしまうという、一時期流行ったVRMMOモノをギャルゲ版にしたような作品
似たような作品はいくつかあるため、どれだけ独自性が見られるかに期待して読んでみたのだが
ポイントとなるのは、女性はゲームに決められた言動しかできないこと(実質NPC)、主人公にゲームディスクを渡しつつゲーム世界に入る前に告白してきたメインヒロインの佐倉、主人公と同じような理由で既にゲーム世界に入っていた親友役を演じる真締
佐倉が妹役として現れ、真締がゲーム世界に妙に詳しいことで、謎が深まっていく
物語の前半は、はっきり言っておもしろくなかった
仕様についての説明を挟みながらのストーリー進行でテンポが悪く、場当たり的に選んだ選択で1人目の攻略を終えてしまう
あげく、その相手が自由を取り戻してもなお好意を見せてくるが、主人公のどこに惚れる要素があったのかさっぱりわからないので、まったく感情移入できない
2人目の攻略時には、女性に記憶が残るとわかってて平気でセクハラしたり、時間に余裕がないのにエロルートで時間を無駄にしたりと、理解できない行動が多い
中盤辺りで真締の正体が示唆され、痛覚がある仕様でヤンデレ女性の攻略に入って苦労したりと、おもしろくなっていく
攻略相手の女性たちとゲームの謎が深く関わり、テンポ良くストーリーが進み、前半はなんだったのかと思うほど
無限に使えると思われていたセーブ回数に上限があることもわかり、緊迫していく
ただし、おそらく作者の意図はそうだったのだろうというだけで、主人公は経過時間を知る手段がないため気にせず行動し、序盤から既読スキップ機能が多用されて台無しになっている感があった
全体的に主人公の言動や世界設定が適当で、ラストは意外性の無い終わり方で幕を閉じてしまい、内容紹介を読んで期待していたほどに楽しむことはできなかった
もっと女性の人数を減らして深く掘り下げたり、謎解きや解決にもう一工夫されていればもっと違った作品になっていたかもしれない
ギャルゲー世界に入り込む話が好きな人やその手の話を今までに読んだことがない人は読んでみて良いと思うが、そうでないならあまりお勧めできない
似たような作品はいくつかあるため、どれだけ独自性が見られるかに期待して読んでみたのだが
ポイントとなるのは、女性はゲームに決められた言動しかできないこと(実質NPC)、主人公にゲームディスクを渡しつつゲーム世界に入る前に告白してきたメインヒロインの佐倉、主人公と同じような理由で既にゲーム世界に入っていた親友役を演じる真締
佐倉が妹役として現れ、真締がゲーム世界に妙に詳しいことで、謎が深まっていく
物語の前半は、はっきり言っておもしろくなかった
仕様についての説明を挟みながらのストーリー進行でテンポが悪く、場当たり的に選んだ選択で1人目の攻略を終えてしまう
あげく、その相手が自由を取り戻してもなお好意を見せてくるが、主人公のどこに惚れる要素があったのかさっぱりわからないので、まったく感情移入できない
2人目の攻略時には、女性に記憶が残るとわかってて平気でセクハラしたり、時間に余裕がないのにエロルートで時間を無駄にしたりと、理解できない行動が多い
中盤辺りで真締の正体が示唆され、痛覚がある仕様でヤンデレ女性の攻略に入って苦労したりと、おもしろくなっていく
攻略相手の女性たちとゲームの謎が深く関わり、テンポ良くストーリーが進み、前半はなんだったのかと思うほど
無限に使えると思われていたセーブ回数に上限があることもわかり、緊迫していく
ただし、おそらく作者の意図はそうだったのだろうというだけで、主人公は経過時間を知る手段がないため気にせず行動し、序盤から既読スキップ機能が多用されて台無しになっている感があった
全体的に主人公の言動や世界設定が適当で、ラストは意外性の無い終わり方で幕を閉じてしまい、内容紹介を読んで期待していたほどに楽しむことはできなかった
もっと女性の人数を減らして深く掘り下げたり、謎解きや解決にもう一工夫されていればもっと違った作品になっていたかもしれない
ギャルゲー世界に入り込む話が好きな人やその手の話を今までに読んだことがない人は読んでみて良いと思うが、そうでないならあまりお勧めできない
2016年7月23日に日本でレビュー済み
竹井正樹先生の表紙イラストで草を生やした人は絶対に読むべきですよ。
内容もまんまギャルゲープレイ日記ですから。
但しクリアできないとプレイヤーは死ぬ(物理的に)という強烈な設定のせいで
「おい早くルートクリアしとけよ、選択肢で遊んでる場合じゃねえだろ」と妙なハラハラ感がつきまといます。
大変に色々と懐かしくなり、また自分の現実を省みて泣きたくなる本でした。
内容もまんまギャルゲープレイ日記ですから。
但しクリアできないとプレイヤーは死ぬ(物理的に)という強烈な設定のせいで
「おい早くルートクリアしとけよ、選択肢で遊んでる場合じゃねえだろ」と妙なハラハラ感がつきまといます。
大変に色々と懐かしくなり、また自分の現実を省みて泣きたくなる本でした。