斎藤隆夫の全生涯を俯瞰する、おそらく最も詳細な評伝です。
斎藤の弁護士時代の活動・著作の一部は、この著者（同じく弁護士）が初めて発掘したものらしく、後の立憲政治家の姿とつながるものがあり、興味深いものでした。
減点したのは、文章が硬くて回りくどい（弁護士の悪癖ですね）のと、内容の推敲不足が気になったから。当時の政界の動き、その中での斎藤自身の活動、そして斎藤の演説・著作の内容、さらにはそれらに対する著者の意見…、などなどが、渾然一体でダラダラ書かれているので、今ひとつ感情移入できません。
この点、著者はあとがきで、「なにぶん現役の弁護士なので執筆の時間が十分でなく…」的なことを書いていますが、出版する以上はそこは何とか頑張って下さい。
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