環境基準、食品基準、放射能の基準等々様々な基準の意味、背景を詳細に記載されています。
一般消費者向けと言うよりも、現場で調査を行う人間の、基礎的な本として読んでおくことをおすすめします。基準値オタクが書いたと自負されているように、一つ一つは深く掘り下げていますが、この日本のリスク管理というものとその将来を俯瞰して説明するようなところが有ってもよかったかと思います。
私としては、硝酸性窒素が急性毒性があると書いてあったのは、改めて思い出してどきっとしました。
また、硝酸性窒素の飲用基準・環境基準に厳密な根拠(毒性の検査)がなく定められたのですが、実際に死亡や健康への悪影響の発生していないというところは、基準の必要だし、決める側も苦労しているのだなと思うところでした。
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基準値のからくり 安全はこうして数字になった (ブルーバックス) Kindle版
賞味期限、放射線量、食品中の化学物質から電車内での携帯電話まで、私たちはさまざまな基準値に囲まれて、超えた/超えないと一喜一憂している。だが、それらの数字の根拠を探ってみると、じつに不思議な決まり方をしているものが多い。その「からくり」を知らなければ、基準値は無用の不安や油断を生む数字になってしまうのだ。「基準値オタク」を自称する俊英研究者4人が追った基準値誕生に潜むミステリー! (ブルーバックス・2014年6月刊)
- 言語日本語
- 出版社講談社
- 発売日2014/6/20
- ファイルサイズ13717 KB
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商品の説明
著者について
小野 恭子
おの・きょうこ 独立行政法人産業技術総合研究所主任研究員。1973年新潟県生まれ。2001年東京大学大学院工学系研究科修了。博士(工学)。化学物質などのリスクトレードオフ研究に従事。
永井 孝志
ながい・たかし 独立行政法人農業環境技術研究所主任研究員。1976年北海道生まれ。2006年筑波大学大学院生命環境科学研究科修了。博士(理学)。専門は化学物質の生態毒性評価・環境リスク評価。
岸本 充生
きしもと・あつお 東京大学公共政策大学院及び政策ビジョン研究センター特任教授。1970年兵庫県生まれ。1988年京都大学大学院経済学研究科修了。博士(経済学)。独立行政法人産業技術総合研究所研究グループ長を経て現職。専門はリスク評価から経済分析まで。
村上 道夫
むらかみ・みちお 東京大学生産技術研究所特任講師。1978年東京生まれ。2006年東京大学大学院修了。博士(工学)。専門は水環境工学・環境リスク学。著書に『水の日本地図―水が映す人と自然』(朝日新聞出版・共著)。
おの・きょうこ 独立行政法人産業技術総合研究所主任研究員。1973年新潟県生まれ。2001年東京大学大学院工学系研究科修了。博士(工学)。化学物質などのリスクトレードオフ研究に従事。
永井 孝志
ながい・たかし 独立行政法人農業環境技術研究所主任研究員。1976年北海道生まれ。2006年筑波大学大学院生命環境科学研究科修了。博士(理学)。専門は化学物質の生態毒性評価・環境リスク評価。
岸本 充生
きしもと・あつお 東京大学公共政策大学院及び政策ビジョン研究センター特任教授。1970年兵庫県生まれ。1988年京都大学大学院経済学研究科修了。博士(経済学)。独立行政法人産業技術総合研究所研究グループ長を経て現職。専門はリスク評価から経済分析まで。
村上 道夫
むらかみ・みちお 東京大学生産技術研究所特任講師。1978年東京生まれ。2006年東京大学大学院修了。博士(工学)。専門は水環境工学・環境リスク学。著書に『水の日本地図―水が映す人と自然』(朝日新聞出版・共著)。
登録情報
- ASIN : B00M98XGDO
- 出版社 : 講談社 (2014/6/20)
- 発売日 : 2014/6/20
- 言語 : 日本語
- ファイルサイズ : 13717 KB
- Text-to-Speech(テキスト読み上げ機能) : 有効
- X-Ray : 有効にされていません
- Word Wise : 有効にされていません
- 付箋メモ : Kindle Scribeで
- 本の長さ : 346ページ
- Amazon 売れ筋ランキング: - 71,895位Kindleストア (Kindleストアの売れ筋ランキングを見る)
- - 456位ブルーバックス
- - 5,693位科学・テクノロジー (Kindleストア)
- カスタマーレビュー:
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2017年10月15日に日本でレビュー済み
レポート
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2人のお客様がこれが役に立ったと考えています
役に立った
2015年2月21日に日本でレビュー済み
日本の社会における様々な基準値の出自を紐解くことで,
基準値の意味を世に問いかける良書。
ありとあらゆる分野において基準値は存在するが,
その根拠について解説される機会は少ない。
市民の生活に直結する基準値,加えてその重大性が高い場合には,
基準値の価値に関する適切な情報開示が重要であろう。
一方で,本書の中でもふれられているが,
福島第一原発の事故にともなう放射性物質の基準値に関する報道は,
基準値に対する市民の意識を高めたのではないだろうか。
基準値の出自を知る中で,全ての基準値に明確な科学的根拠があるわけではない,ということが分かる。
しかし,そうしたある程度の不確実さを前提に,
可能な限りは科学的根拠による基準値の精度向上を図る諸外国に対し,
日本では不確実さを理由に科学的根拠に基づく推定自体を諦めているかのような印象を受ける。
ひいては日本の政治や社会における,科学の位置付け・認識の低さを感じさせられた。
迷った末に,放射性物質の基準値に関する記述がやや複雑で,
退屈に感じて読み飛ばしてしまったので星4つ。
しかし良書であり,続編に期待する。
基準値の意味を世に問いかける良書。
ありとあらゆる分野において基準値は存在するが,
その根拠について解説される機会は少ない。
市民の生活に直結する基準値,加えてその重大性が高い場合には,
基準値の価値に関する適切な情報開示が重要であろう。
一方で,本書の中でもふれられているが,
福島第一原発の事故にともなう放射性物質の基準値に関する報道は,
基準値に対する市民の意識を高めたのではないだろうか。
基準値の出自を知る中で,全ての基準値に明確な科学的根拠があるわけではない,ということが分かる。
しかし,そうしたある程度の不確実さを前提に,
可能な限りは科学的根拠による基準値の精度向上を図る諸外国に対し,
日本では不確実さを理由に科学的根拠に基づく推定自体を諦めているかのような印象を受ける。
ひいては日本の政治や社会における,科学の位置付け・認識の低さを感じさせられた。
迷った末に,放射性物質の基準値に関する記述がやや複雑で,
退屈に感じて読み飛ばしてしまったので星4つ。
しかし良書であり,続編に期待する。
2022年1月2日に日本でレビュー済み
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一番知りたい項目を開くと、書かれている結論は推定であり、推定であってもそれに至るまでの文献を
載せて欲しい。
載せて欲しい。
2017年12月5日に日本でレビュー済み
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基準値を設定するときの根拠のあいまいさに驚いた。本書は食品、放射性物質、環境などの基準値の根拠やルーツを丁寧に追求している。そして、いったん基準値が定められてしまうとあいまいな根拠であってもそこに「権威」が生じ、見直しや改定が図られなくなる。ヨーロッパでは学生運動に端を発して若者たちの主張を入れて30~40年前に成人年齢を18歳に改定しておりそれが世界の主流となっている。日本ではようやく投票権が18歳に引き下げられたがいまだ成人年齢は20歳。他の法令との整合性などもあり18歳に引き下げられるまでまだしばらくかかるのかもしれない。環境基準のひとつで光化学スモッグの元凶とされる光化学オキシダントの基準値達成率がゼロであり年々悪化していることが書かれている。その要因の一つが世界一厳しい基準値でありオーバースペックの声もある。本書は様々な基準値を取り上げ、厳しく告発し面白くためになる力作である。
2015年10月25日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
知識の吸収に大いに役立ちました。
あと、基準値かどうかは分りませんが、
「3秒ルール」の世界比較など、
普通では得難い知識(雑学?)も吸収できました。
あと、基準値かどうかは分りませんが、
「3秒ルール」の世界比較など、
普通では得難い知識(雑学?)も吸収できました。
2022年11月12日に日本でレビュー済み
飲食物中の物質、環境物質、事故・危険物などのリスクを取り締まるさまざまな基準値を解説。
厳格な規制がかかっていると思いきや、意外に曖昧な面も。
さらには日常的に摂取している量がすでに基準値を上回ってしまっているような飲食物中の規制物質もあるのだ。基準値設定の奥深さを垣間見た。
「使い捨てライター」の安全性、「酒気帯び運転」の呼気中アルコール基準値の話しはなかなかおもしろかった。
厳格な規制がかかっていると思いきや、意外に曖昧な面も。
さらには日常的に摂取している量がすでに基準値を上回ってしまっているような飲食物中の規制物質もあるのだ。基準値設定の奥深さを垣間見た。
「使い捨てライター」の安全性、「酒気帯び運転」の呼気中アルコール基準値の話しはなかなかおもしろかった。
2014年6月24日に日本でレビュー済み
単純に雑学書として愉快に読めるという以上に、3.11以降・以前に発生したあらゆる安全への疑問や不安と対峙するための良書であると思う。
この本は「基準値は余裕を持って決められているからちょっと超えたくらいで騒ぐな」というものでも、「行政の定める数字は信頼してはいけない」というものでもない。
主に日本の食品安全基準や環境基準を対象に、現行の基準値はどのような人々がどのように考えて決めたものなのか、それの「安全さ」はどれくらいなのだろうか、ということを比較的中立の立場から、たのしく紹介するものである。
「基準値というものも専門家といわれる人たちが考えたにしては案外、いいかげんなやり方で導出しているんだなあと思われた人もいるかもしれない。逆に、意外といろいろ考えられているんだなあと思われた人もいるかもしれない。筆者らが本書を著した意図は、基準値の数値自体が妥当である、妥当ではないと主張することではない。その判断は読者のみなさんに委ねたいと思う。」
というのは本書あとがきの冒頭だが、これがまさに全体の意図だとわかる。
(もちろん本文中にはしばしば著者たちの意見が登場するが)
メディアがさまざまな論評を全方面のできごとに下すなかで、わたしたち自身がものごとを判断するために、真摯に「基準値オタク」が語ってくれたこの本をおすすめしたい。
なにより、「なぜ『お酒は20歳から』に決まったのか?」、知りたいと思わないだろうか。
この本は「基準値は余裕を持って決められているからちょっと超えたくらいで騒ぐな」というものでも、「行政の定める数字は信頼してはいけない」というものでもない。
主に日本の食品安全基準や環境基準を対象に、現行の基準値はどのような人々がどのように考えて決めたものなのか、それの「安全さ」はどれくらいなのだろうか、ということを比較的中立の立場から、たのしく紹介するものである。
「基準値というものも専門家といわれる人たちが考えたにしては案外、いいかげんなやり方で導出しているんだなあと思われた人もいるかもしれない。逆に、意外といろいろ考えられているんだなあと思われた人もいるかもしれない。筆者らが本書を著した意図は、基準値の数値自体が妥当である、妥当ではないと主張することではない。その判断は読者のみなさんに委ねたいと思う。」
というのは本書あとがきの冒頭だが、これがまさに全体の意図だとわかる。
(もちろん本文中にはしばしば著者たちの意見が登場するが)
メディアがさまざまな論評を全方面のできごとに下すなかで、わたしたち自身がものごとを判断するために、真摯に「基準値オタク」が語ってくれたこの本をおすすめしたい。
なにより、「なぜ『お酒は20歳から』に決まったのか?」、知りたいと思わないだろうか。
2017年1月7日に日本でレビュー済み
基準値は当然何らかのロジックに基づいて決められますが、ついついそんなロジックは忘れられてその基準値がしばしば独り歩きする状況がわかりやすく解説されています。全体としてはしっかりした分量(内容も)ですが、各章でほぼ独立した内容になっているので、一部分だけ読んでも十分参考になります。
特に興味深かったのはリスクマージンの考え方。人に対する毒性が分かっていないもの(例えば四塩化炭素)に対してはリスクマージンを多めに取らないといけないので基準値は厳しくなり、逆にわかっているもの(例えばセレン)に対してはリスクマージンが少なくていいので基準値は緩くなる、ということの説明が分かりやすかったです。
このような基準値の決め方の背景が忘れられ、基準値が独り歩きしてしまった状況としてシジミと中国産キクラゲにおける農薬が例として挙げられています。安全性で決まる基準値ではなく別の基準値を適用してしまったがために、ほとんどリスクが無視できる食材が使えなかったことは胸が痛みます。キクラゲに関しては国産のものに切り替えても農薬の摂取量が減るわけではなかったようです。基準値の決め方をいちいち考える消費者はそうはいないので、独り歩きした基準値がメディアに誤用(悪用?)されてしまったことの一例でしょう。
ただ、この本を読んで難しいな、と思ったことは、消費者がこのような基準値の決め方(=リスク判断の考え)をすべて理解するのは労力もかかるので、ある程度、消費者がリスク判断しなくて済むようにするために基準値が設定されている面もあるのではないか、という点です。消費者の考えとしては「基準値さえクリアされていれば安心」と考えられるのが理想なのでしょうが、なかなかそうはいかないということなのですね。そういう意味では、消費者と基準値をつなぐこの本は非常に有意義で、一家に一冊必要な本だと思いました。
特に興味深かったのはリスクマージンの考え方。人に対する毒性が分かっていないもの(例えば四塩化炭素)に対してはリスクマージンを多めに取らないといけないので基準値は厳しくなり、逆にわかっているもの(例えばセレン)に対してはリスクマージンが少なくていいので基準値は緩くなる、ということの説明が分かりやすかったです。
このような基準値の決め方の背景が忘れられ、基準値が独り歩きしてしまった状況としてシジミと中国産キクラゲにおける農薬が例として挙げられています。安全性で決まる基準値ではなく別の基準値を適用してしまったがために、ほとんどリスクが無視できる食材が使えなかったことは胸が痛みます。キクラゲに関しては国産のものに切り替えても農薬の摂取量が減るわけではなかったようです。基準値の決め方をいちいち考える消費者はそうはいないので、独り歩きした基準値がメディアに誤用(悪用?)されてしまったことの一例でしょう。
ただ、この本を読んで難しいな、と思ったことは、消費者がこのような基準値の決め方(=リスク判断の考え)をすべて理解するのは労力もかかるので、ある程度、消費者がリスク判断しなくて済むようにするために基準値が設定されている面もあるのではないか、という点です。消費者の考えとしては「基準値さえクリアされていれば安心」と考えられるのが理想なのでしょうが、なかなかそうはいかないということなのですね。そういう意味では、消費者と基準値をつなぐこの本は非常に有意義で、一家に一冊必要な本だと思いました。