「お金とは何なのか」、このことが読み終えて見事に腑に落ちている。現代人はすっかり馴らされてしまっているのだが、「お金」にまつわりつく様々な「いかがわしさ」に気づかされる。
日本でお金としての基本機能を有する最古のお金は、和同開珎に先立つ「無文銀銭(むもんぎんせん)」であった。銀の塊を細かく分割したもので、価値を記した文言のない秤量貨幣である。この段階では、実質価値と名目価値の乖離はほとんどなく、したがって国家の統制とは関わりなく流通する。次に登場する和同開珎は当初は「銀銭」だった。ところがわずか3ヶ月で和同開珎は「銅」銭となる。「無文銀銭→和同開珎(銀銭)→和同開珎(銅銭)」の変遷において、無文銀銭の実質価値(重量)を1とすれば和同開珎(銀銭)の実質価値(重量)は1/2〜1/3、さらに銅の価値は銀の1/50なので、和同開珎(銅銭)は 実質価値において無文銀銭の1/100〜1/150となっている。にもかかわらず、国家の統制によってその名目価値は等しいとされる。三段階をふむプロセスは、国家が民を「お金のいかがわしさ」に馴れさせるためのプロセスだったのである。国家はこのプロセスを通して、和同開珎(銀銭)の段階では2〜3倍、和同開珎(銅銭)の段階では100〜150倍のシニョレッジ(通貨発行益)を獲得できたことになる。さらに現在の1万円札はといえば、ほぼ1/500であるが、だれもそのことを問題にすることはない。さらにさらにお金の仕組みのいかがわしさは「信用創造」において極まる。銀行から借金して通帳に書き込まれる数字には原価も何もない。しかしその数字が記入されるやいなや、その対価として、その数字に利息を加えて「稼ぎ」によって小さくしてゆかねばならない義務が生ずる。こうして国も企業も個人もこの幻に過ぎない数字に追いまくられた日々を強いられる世の中になってしまっている。
この本の内容に厚みがあるのは、時間泥棒の「灰色の男たち」と戦うファンタジー『モモ』を手がかりにお金と時間がリンクして、誰しも思い当たる現代われわれの実存問題にまで踏み込んでいることによる。
「時は金なり」、この言葉の起源は古代ギリシアにまで遡るが、フランクリン登場以前は、「お金が大事と思うように、時間もムダにしてはいけないんだよ」という比喩的な関係であって、そこでは「時間はお金より貴い」という思想を内包していた。《人は全財産を失った場合、それを努力で再生できるかもしれない。だが、過ぎ去った時は永遠に取り戻せない・・・。》(207p)ところがフランクリンの「時は金なり」は「時=金」である。このことを著者は「人類の思想史に破壊的で不幸な一大転換をもたらした」(206p)と言う。どういうことか。「灰色の男たち」は、お金が蓄積されると同じように、時間も蓄積されると説いてまわる。しかしいったい、そうして貯め込まれた時間とは何なのか。過ぎ去るはずの時間が過ぎ去らないないでどこかに在る。とすると、「今在る」自分は何なのか。そこに見えてくるのは、実存感覚の喪失、そして現代人を覆う漠たる不安。《現実世界の「灰色の男たち」は時間とお金の性格を歪めて不安と恐怖を大いにかき立てる。社会進化論は、「進めば進むほど(—働けば働くほど)、進歩(—生活向上)する」と耳元でささやく。競争社会は、他者との不断の対立と闘争で勝利し続けなければ生き残れない、休息は敗北だ、と恫喝する。/こうして人々は心にさざめき消えることのない焦燥感に駆られ、少しでも長く働き、少しでも多くのお金を獲得しようと齷齪せずにはいられなくなるのである。》(210p)
「今」の喪失は、自己の拠って立つ場が見えなくなることだ。今ある場所はいつも「不十分」でしかない。ほんとうの場所は別なところに在る。いつもいつもせき立てられるようにして毎日が過ぎてゆく。一方、お金は本来、暮らすに間に合えばいいはずだった。「暮らす」とは人と人とがつながって生きてゆくことだ。人と人とがつながっていれば、お金はなくてもそこそこ生きてゆける。人はずうっとそうやって生きてきた。それが狂うようになったのは、お金が利息を生みだすようになってからだ。それからお金は、貯め込むことで利益を生みだすようになった。そうして人が本来生きるには何の関わりもなかった金融業が生れ、それに支配されるようになったのが今の世の中だ。
「お金をムダにするな」 なぜ? 「ムダにせず貯めなさい」
「時間をムダにするな」 なぜ? 「いつかの時に備えなさい」
「時は金なり」の格言の指し示すところは、「”今を生きる”ことを二の次、三の次にしなさい」ということか。その行き着いたところについての著者の警告が切実に迫った。
《「時間の脅迫」の観念とその裏に潜む利子蓄積の圧力。その正体が分かっていない親に急かされる子供は、効率的かつ合理的に生きることが正しいと思い込み、自覚のないままに貧しい一生を送るのである。》(238p)
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国際金融資本がひた隠しに隠すお金の秘密 単行本(ソフトカバー) – 2012/5/22
安西 正鷹
(著)
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購入オプションとあわせ買い
「私に一国の通貨の発行権と管理権を与えよ。そうすれば、誰が法律を作ろうと、そんなことはどうでも良い」
マイヤー・アムシェル・ロスチャイルドはこう語った。つまり、お金さえあれば世界支配は実現可能だということだ。これはハッタリでもホラ話でもない。お金にはこの大言壮語を裏付けるだけの重大な「罪」が山ほどある。それこそが、お金を悪用する仕組みを編み出した国際金融資本やごく少数の覚醒者だけが知る「お金の秘密」である
どうして人類は、マネーの奴隷に成り果ててしまったのか! ?
ユダヤ人をはじめとする世界寡頭権力が利子で儲ける銀行業などで本領を発揮するのは「寄生」という共通の本能が共鳴し合うためである。彼らの貪欲さはとどまることを知らない。宿主は懐にお金が入るたびに悦に入るが、それも束の間。経営者なら事業資金、個人は家や車のローンで借金をして、金融機関などの寄生体にお金を吸い取られていく。税金は政府の借金の利払いに充てられ、これまた寄生体に吸い寄せられる。国内の各種寄生体に収まったお金は最終的に国際金融資本や世界寡頭勢力の掌中に収まる。宿主は金の卵を産む養鶏場のニワトリのごとく酷使され、卵を産まなくなれば寄生体に「廃棄処分」されるのだ。
マイヤー・アムシェル・ロスチャイルドはこう語った。つまり、お金さえあれば世界支配は実現可能だということだ。これはハッタリでもホラ話でもない。お金にはこの大言壮語を裏付けるだけの重大な「罪」が山ほどある。それこそが、お金を悪用する仕組みを編み出した国際金融資本やごく少数の覚醒者だけが知る「お金の秘密」である
どうして人類は、マネーの奴隷に成り果ててしまったのか! ?
ユダヤ人をはじめとする世界寡頭権力が利子で儲ける銀行業などで本領を発揮するのは「寄生」という共通の本能が共鳴し合うためである。彼らの貪欲さはとどまることを知らない。宿主は懐にお金が入るたびに悦に入るが、それも束の間。経営者なら事業資金、個人は家や車のローンで借金をして、金融機関などの寄生体にお金を吸い取られていく。税金は政府の借金の利払いに充てられ、これまた寄生体に吸い寄せられる。国内の各種寄生体に収まったお金は最終的に国際金融資本や世界寡頭勢力の掌中に収まる。宿主は金の卵を産む養鶏場のニワトリのごとく酷使され、卵を産まなくなれば寄生体に「廃棄処分」されるのだ。
- 本の長さ320ページ
- 言語日本語
- 出版社成甲書房
- 発売日2012/5/22
- 寸法19 x 2.5 x 13 cm
- ISBN-104880862908
- ISBN-13978-4880862903
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商品の説明
著者について
安西 正鷹 Masataka Anzai
大学卒業後、某大手銀行に入行。為替ディーリング部門に配属されて以降、長年にわたって金融市場関連部門でキャリアを積む。後に債権ディーリング部門等に異動。現在は責任者として激務に追われる日々を送る。
大学卒業後、某大手銀行に入行。為替ディーリング部門に配属されて以降、長年にわたって金融市場関連部門でキャリアを積む。後に債権ディーリング部門等に異動。現在は責任者として激務に追われる日々を送る。
登録情報
- 出版社 : 成甲書房; 初版 (2012/5/22)
- 発売日 : 2012/5/22
- 言語 : 日本語
- 単行本(ソフトカバー) : 320ページ
- ISBN-10 : 4880862908
- ISBN-13 : 978-4880862903
- 寸法 : 19 x 2.5 x 13 cm
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トップレビュー
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2015年3月22日に日本でレビュー済み
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2015年3月11日に日本でレビュー済み
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学識豊富な著者が、「お金の秘密」を多面的な照射角度から論じた哲学書。
多くの人に、お金の秘密=金融業の詐欺、ペテン性を理解して貰おうと書かれた書では無いので、読者層は狭いものに為らざるを得ない。
金細工師から始まる金融業の成立とその世界大的金融詐欺システムの完成形態としての中央銀行制度を理解するには、もっと解り易い解説書は、幾らでも在る。
EX:『金融の仕組みは全部ロスチャイルドが作った』『民間が所有する中央銀行』『虚構の終焉』『金ー現代経済の意義と役割』等
「記号(情報)としてのお金」と、わざわざ難解に書かずとも、「帳簿上のマネー」=数字 と書けば解り易い。飯山一郎は絶賛してるが、古いインテリの悪しき習性が随所に見られる。
著者の言語がどれだけ世の中に通用し、言葉として共有され得るのか迄は、考えて居ないようだ。
多くの人に、お金の秘密=金融業の詐欺、ペテン性を理解して貰おうと書かれた書では無いので、読者層は狭いものに為らざるを得ない。
金細工師から始まる金融業の成立とその世界大的金融詐欺システムの完成形態としての中央銀行制度を理解するには、もっと解り易い解説書は、幾らでも在る。
EX:『金融の仕組みは全部ロスチャイルドが作った』『民間が所有する中央銀行』『虚構の終焉』『金ー現代経済の意義と役割』等
「記号(情報)としてのお金」と、わざわざ難解に書かずとも、「帳簿上のマネー」=数字 と書けば解り易い。飯山一郎は絶賛してるが、古いインテリの悪しき習性が随所に見られる。
著者の言語がどれだけ世の中に通用し、言葉として共有され得るのか迄は、考えて居ないようだ。
2013年1月17日に日本でレビュー済み
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闇の政府に世界が動かされていることが理解できて興味深かった。
2012年6月27日に日本でレビュー済み
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信用創造によって通貨は膨張するが、元本の貴金属は増えない。だからおかしいという主張だが、その過程で増えたお金の分だけモノが創りだされているのだから問題ないのではないだろうか。
金融や福祉などものづくりではない営みによる貨幣供給量の増大に警鐘を鳴らしているのなら分からなくはないが、著者の主張はおかしいように思える。
誰か指摘があったらお願いします。
小説としては評価できる。
金融や福祉などものづくりではない営みによる貨幣供給量の増大に警鐘を鳴らしているのなら分からなくはないが、著者の主張はおかしいように思える。
誰か指摘があったらお願いします。
小説としては評価できる。
2012年5月25日に日本でレビュー済み
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通貨は公共財に似てさに非ず。私益を目的とする商品の一種に過ぎないことを明確に解明した画期的な著書である。惜しむらくは今後通貨のたどる道を明らかにしていないことだが、
これはこの時点で一旦読者に考えさすべきであるから、本書は(上巻)とすべきであった。下巻はむろん通貨と園独占発行体の今後の命運を語るはずで、われわれはそれを待つのみ。
通貨の人類社会に対する作用の最も重要なるは、財貨と財貨の交換を媒介する触媒作用ならむ。ゆえに、財貨交換の量に応じて触媒の必要量が決まり、財貨交換の必要性と有用性に応じて、通貨量と通貨の賃貸料すなわち金利が決まる。
富は不公平によって生まれて社会に偏在するが、通貨には価値(富)保存機能もあるゆえ富を代替する。欲望に限界なきため、社会に偏在する富は限界なく膨らみ、これ代替をする通貨の量も果てし無く膨らむ。これを可能ならしめたのが信用創造である。問題は、触媒としての有用性からくる必要量をはるかに超える通貨を、富の代替品として信用創造してしまったところにある。
右を要するに、通貨はパチンコの出玉換金用景品と等しいのである。換金用景品は実質価値がほとんどないが、景品がほしいのではなく、それが代替する富がほしくて、人はパチンコをしに行くのである。その景品が次回のパチンコにも使え、周辺商店での買い物にも使えることから、人は直ちに換金しないで換金用景品を手元に保有する。その分だけ、パチンコ屋には換金に引き当てるべき現金が滞留するから、これで新たなパチンコ屋を開店するか、ほかの事業に投資するか、或は客にパチンコ台として貸し付ける。
パチンコ屋が出した換金用景品はとめどなく膨らむが、パチンコ屋にはそれに対応する現金はなく、一斉に換金要求を受けたら応じきれない。
そこで、パチンコ屋は夜逃げしてしまうが、後処理を頼まれた管財人は換金率の切り下げで対応せざるを得ない。
以上により、信用創造は一概に悪くはないが、人間の富に対する欲望のせいで、必ず行き過ぎるのである。したがって、やがて必ずカタストロフィィがくるが、その時の公平な処理は、偏在した富の自主放棄(淀屋辰五郎)か放棄強制(無産革命)しかない。
安西氏はこの書で、右を当然の前提として、信用創造の本質・しくみ・危険性・害悪を論じているのである。
これはこの時点で一旦読者に考えさすべきであるから、本書は(上巻)とすべきであった。下巻はむろん通貨と園独占発行体の今後の命運を語るはずで、われわれはそれを待つのみ。
通貨の人類社会に対する作用の最も重要なるは、財貨と財貨の交換を媒介する触媒作用ならむ。ゆえに、財貨交換の量に応じて触媒の必要量が決まり、財貨交換の必要性と有用性に応じて、通貨量と通貨の賃貸料すなわち金利が決まる。
富は不公平によって生まれて社会に偏在するが、通貨には価値(富)保存機能もあるゆえ富を代替する。欲望に限界なきため、社会に偏在する富は限界なく膨らみ、これ代替をする通貨の量も果てし無く膨らむ。これを可能ならしめたのが信用創造である。問題は、触媒としての有用性からくる必要量をはるかに超える通貨を、富の代替品として信用創造してしまったところにある。
右を要するに、通貨はパチンコの出玉換金用景品と等しいのである。換金用景品は実質価値がほとんどないが、景品がほしいのではなく、それが代替する富がほしくて、人はパチンコをしに行くのである。その景品が次回のパチンコにも使え、周辺商店での買い物にも使えることから、人は直ちに換金しないで換金用景品を手元に保有する。その分だけ、パチンコ屋には換金に引き当てるべき現金が滞留するから、これで新たなパチンコ屋を開店するか、ほかの事業に投資するか、或は客にパチンコ台として貸し付ける。
パチンコ屋が出した換金用景品はとめどなく膨らむが、パチンコ屋にはそれに対応する現金はなく、一斉に換金要求を受けたら応じきれない。
そこで、パチンコ屋は夜逃げしてしまうが、後処理を頼まれた管財人は換金率の切り下げで対応せざるを得ない。
以上により、信用創造は一概に悪くはないが、人間の富に対する欲望のせいで、必ず行き過ぎるのである。したがって、やがて必ずカタストロフィィがくるが、その時の公平な処理は、偏在した富の自主放棄(淀屋辰五郎)か放棄強制(無産革命)しかない。
安西氏はこの書で、右を当然の前提として、信用創造の本質・しくみ・危険性・害悪を論じているのである。
2012年12月29日に日本でレビュー済み
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残念ながらお金の本質を知っている人は非常に少ないと思います。
景気を良くするには「日銀の輪転機で札を刷ればいい」が比喩だとはっきり認識している人は少ないと思います。
新聞のコラムに「札をするのは日銀ではなく大蔵省印刷局の輪転機」だと書いてありました。
それはその通りですが、お金の本筋から外れた論議です。
「札以外にお金がある」と言われれば、電子マネーは浮かんでも預金残高がお金だと正確に認識している人はすくないのではないでしょうか。実際には量的に日銀券何倍もにもなる「預金通貨」つまり預金残高をお金だと知っている人は少ないでしょう。
だからお金がどのように配られるかも知りません。「日銀なり大蔵省印刷局なりの輪転機で札を刷ってヘリコプターでばら撒く」式の話を信じている人が本当に多いのではないかと思います。(ヘリコプターの比喩は別として)
この本はお金の本質と供給の仕組みがわかります。同時にこれにまつわる利権・陰謀といったものも理解できます。
景気を良くするには「日銀の輪転機で札を刷ればいい」が比喩だとはっきり認識している人は少ないと思います。
新聞のコラムに「札をするのは日銀ではなく大蔵省印刷局の輪転機」だと書いてありました。
それはその通りですが、お金の本筋から外れた論議です。
「札以外にお金がある」と言われれば、電子マネーは浮かんでも預金残高がお金だと正確に認識している人はすくないのではないでしょうか。実際には量的に日銀券何倍もにもなる「預金通貨」つまり預金残高をお金だと知っている人は少ないでしょう。
だからお金がどのように配られるかも知りません。「日銀なり大蔵省印刷局なりの輪転機で札を刷ってヘリコプターでばら撒く」式の話を信じている人が本当に多いのではないかと思います。(ヘリコプターの比喩は別として)
この本はお金の本質と供給の仕組みがわかります。同時にこれにまつわる利権・陰謀といったものも理解できます。
2015年5月3日に日本でレビュー済み
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隠されたお金の意味がよくわかった。そして、影に隠れて悪さする奴らが許せない。
2012年10月5日に日本でレビュー済み
ロスチャイルドやそれを中心にした金融史の本を読み漁っていた中でこの本と出会いました!
それまでいろいろな著書によって信用創造や景気循環理論について取り上げられていたけれど、この本のように宗教や時間、エンデの物語など様々な観点から核心に迫るという試みには感嘆するばかりです。
それまでいろいろな著書によって信用創造や景気循環理論について取り上げられていたけれど、この本のように宗教や時間、エンデの物語など様々な観点から核心に迫るという試みには感嘆するばかりです。